ASUSの「ProArt Studiobook 16 OLED」は徹底的に「プロ」のためにデザインされたPCだ

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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ASUS JAPAN「ProArt Studiobook 16 OLED H5600」

 ASUS JAPANはプロフェッショナルクリエイター向けに開発されたワークステーションクラスの16型ノートPC「ProArt Studiobook 16 OLED H5600」を11月24日に発表、12月中旬より販売を開始する。

 本製品はCPUに「AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサー + Radeon™ グラフィックス」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を採用した16型4Kディスプレー搭載ノートPC。独自のロータリーコントローラー、スタイラスペンに対応し、3つの物理ボタンを備えるタッチパッドなど、意欲的な装備が搭載されている。それでは早速、本製品の注目ポイントについて詳説していこう。

エンジンがスゴい!

 本製品の最上位モデルは、CPUに「AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサー」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を搭載している。

 AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサーは8コア16スレッド、3.3~4.6GHz動作のAMD「Zen 3」コアアーキテクチャーによるプロセッサー。7nmプロセスで製造されており、TDPは45+W。前世代のプロセッサーと比較した場合、シングルスレッドで23%、マルチスレッドで17%処理性能が向上している。クリエイターだけでなく、ゲーマーにも熱い支持を得ているCPUだ。

 加えてディスクリートGPUとして「NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を搭載しており、GPU支援に対応したクリエイティブ系アプリでは、4K動画の書き出しや、RAW画像の現像など、高負荷な処理を高速に実行可能なのである。

 どんなに高性能なCPUとディスクリートGPUを搭載していても、冷却効率が低ければピークパワーを維持できない。その点本製品は、「ASUS IceCool Proサーマルデザイン」が採用されており、6本のヒートパイプと、ノートパソコンでは世界初となる「デュアル3Dカーブ102枚フィン」により冷却効率を向上。71枚フィンと比較すると風量を16%増加しつつ、システム動作音を40dBA以下に抑えている。

 ハイパフォーマンスなCPU&GPUに、最新の冷却機構を組み合わせることで、爆速化を実現しているわけだ。

AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサーは、インテグレーテッドGPUとして「Radeon™ グラフィックス」も装備している

AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサーは8コア16スレッドのプロセッサー。コア数が増えると対応アプリでパフォーマンスが向上するが、それ以外のアプリでも複数を同時に動かす際に恩恵を受けられる

6本のヒートパイプを搭載しているProArt Studiobook 16 OLEDは、5本のヒートパイプでCPUとGPUの熱を逃がし、もう1本はCPUとGPUのパワーモジュールに対して配置されている

プリインストールされた「ProArt Creator Hub」によって、「スタンダードモード」、「パフォーマンスモード」、「フルスピードモード」とファンモードを切り替えられる

メモリー&ストレージがスゴい!

 本製品には、メモリーは32GBまたは16GBのDDR4-3200、ストレージは1TBまたは512GBのPCIe Gen3 x4接続のSSDが搭載されている。メモリーはSO-DIMM、ストレージはM.2のスロットタイプが採用されており、底面パネルを開ければ換装可能だ。ただし、メモリー、ストレージを換装してしまうと、製品保証が切れてしまう点には注意してほしい。

 インターフェースについてはのちほど改めて解説するが、SD Express 7.0対応のカードリーダーだけ先に触れておこう。SD Express 7.0は最大985MB/s、最大容量128TBに対応した次世代SDメモリーカード規格。現時点ではまだ対応製品は少ないが、ファイソンエレクトロニクス、ADATA Technologyなどが製品をリリースしている。長期間利用することを考えれば、次世代SDメモリーカード規格にいち早く対応している点は安心感が高い。

メモリースロットはSO-DIMM方式。2スロットが利用できる

最上位では32GBのメモリー(DDR4-3200)を搭載。クリエイティブ系アプリを複数起動するのなら、できれば32GB搭載モデルを選びたい

ディスプレーがスゴい!

 ProArt Studiobook 16 OLEDは16インチ4K 有機ELディスプレー(3840×2400ドット、16:10、光沢、最大輝度550cd/m²、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比1,000,000:1、応答速度0.2ms、HDR対応、Delta-E<2)を採用。PANTONE Validated、CalMAN認証により正確な色精度が保証されている。

 実際に色域を計測したところ、sRGBカバー率100.0%、AdobeRGBカバー率96.7%、DCI-P3カバー率100.0%という広色域を確認できた。

 本製品はカラーキャリブレーション機器「i1Display」を用意すれば、「ProArt Creator Hub」で「色校正」が可能。長期間ディスプレーを使っていれば経年変化していくが、定期的に色校正を実施することでつねに正しい色を表示できるわけだ。

 なお、本製品はディスプレーのアスペクト比が16:10となっており、16:9のディスプレーより縦が少し長くなっている。つまり、ウェブページや書類などを閲覧、編集する際に前後の見通しがよいわけだ。Windows 11はタスクバーを画面下以外に配置できなくなったので、16:10ディスプレーのほうが使い勝手がいいことは間違いない。

16インチ4K 有機EL HDR対応16:10ディスプレーは世界初

最大輝度550cd/m²、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比1,000,000:1の有機ELディスプレーだけに、映像、画像を非常に鮮やかに表示できる

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は152.3%

実測したAdobeRGBカバー率は96.7%、AdobeRGB比は112.9%

実測したDCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は112.3%

対応カラーキャリブレーション機器を用意すれば、「ProArt Creator Hub」で色校正できる

16:10のディスプレーは前後の見通しがいい。ウインドーを左右2分割しての作業が捗る

ダイヤルがスゴい!

 ProArt Studiobook 16 OLED独自の装備が、ロータリーコントローラー「ASUS Dial」。ASUS Dialはプッシュと回転操作が可能なデバイスで、プッシュすると画面上に円形のツールメニューが表示され、回転して項目を選んでコマンドを実行できる。

 Windows 11のデスクトップではディスプレーの輝度とスピーカーの音量を調節でき、「Photoshop」、「Premiere Pro」、「Lightroom Classic」、「After Effects」などの多くのクリエイティブ系アプリで、それぞれで頻繁に使う機能を利用できる。

 もちろん異なる機能を割り当てたり、スクロール速度を調整可能。ダイヤル操作はパラメーターを細かく調整しやすいし、操作も直感的。タッチパッド、キーボードを補完するデバイスとしてクリエイティブワークで重宝すること間違いなしだ。

ASUS Dialはプッシュと回転操作ができる

プッシュすると画面上に円形のツールメニューが表示

「Photoshop」、「Premiere Pro」、「Lightroom Classic」、「After Effects」などのアプリケーションごとに異なる機能が割り当てられている。もちろんカスタマイズにも対応

たとえばPhotoshopでは、ブラシのサイズ、硬さ、不透明度、ストロークのスムージング、流量などをダイヤルで素早く、かつ直感的に調整できる

ペンがスゴい!

 ありそうでなかったユニークな装備が、スタイラスペン対応タッチパッド。対応ペン「ASUS Pen SA201H」を別途用意すれば、タッチパッドをペンタブレットのように利用できる。

 タッチパッドは127×63mmと広いスペースが確保されているので、簡単なイラスト、注釈、署名などの用途であれば十分実用的に利用できる。ぜひ本体と一緒に対応スタイラスペンを購入しておきたい。

スタイラスペン「ASUS Pen SA201H」(直販価格8778円)は別売り。サイズは150×9.5mm、重量は約20gだ

「ASUS Pen SA201H」自体の筆圧感知レベルは最大4096段階だが、本製品と組み合わせると最大1024段階となる

実際にタッチパッドでイラストを描いてみた。ゆっくり描くよりも、ある程度素早くペン先を動かしたほうが思っていたような描線となる

クールなボディーデザインと豊富なインターフェース

 キーボードはテンキーを装備した、103キー日本語仕様。もちろんバックライトも内蔵している。キーボード面の剛性は高く、強く打鍵してもたわみはほとんど感じない。高速テキスト入力も可能なキーボードだ。

 タッチパッドは前述の通りスタイラスペンに対応しているが、3つのファンクションキーが搭載されている点も珍しい。このファンクションキーでは、オブジェクトの回転や反転、一部3Dレンダリングアプリで360度表示など、ひんぱんに使う操作を実行できる。

 インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×2、HDMI 2.1×1、SD Express 7.0カードリーダー(985MB/s)×1、有線LAN(1000BASE-T)×1、3.5mmコンボジャック×1を装備。USB 3.2 Gen2 Type-CはUSB Power Deliveryによる本体の給電に対応しているので、サードパーティー製の小型充電器も利用できる。端子数も多いのでUSBハブなどを必要とすることはないはずだ。

キーボードはテンキーを装備した、103キー日本語仕様

タッチパッドは3つのファンクションキーを用意。ひんぱんに使う操作を実行できる

右側面は、SD Express 7.0カードリーダー(985MB/s)×1、3.5mmコンボジャック×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1、有線LAN(1000BASE-T)×1を用意

左側面は、セキュリティーロックスロット×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1、電源端子×1、HDMI 2.1×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)×2を配置

実際どれくらい速いのか計測してみた

AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサー、世界最高のモバイル・ゲーミング・プロセッサーで、最高のパフォーマンスおよび妥協のないバッテリーライフをご体験ください

 最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13848pts、「CINEBENCH R20」のCPUは5452pts、「CINEBENCH R15」のCPUは2331cbとなった。「ASUS IceCool Proサーマルデザイン」を採用しているだけに、CPU本来のパフォーマンスを最大限に引き出せている。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13848pts、「CINEBENCH R20」のCPUは5452pts、「CINEBENCH R15」のCPUは2331cb

 3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyは9692、Fire Strikeは18531、Port Royalは5901という結果になった。Time Spyの推測値によれば、1440p Ultraで「BattleField V」は90+ FPSというフレームレートとなる。ゲーミングノートPCと遜色ないパフォーマンスを備えているわけだ。

「3DMark」のTime Spyは9622、Fire Strikeは18531、Port Royalは5901

 ストレージベンチマークは、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で2884MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で3104MB/sとなった。クリエイティブ向けノートPCとして、実用上十分な読み書き速度を備えている。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は2884MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3104MB/s

 最後に、「CINEBENCH R23」を連続10分実行したあとの発熱を計測したところ、キーボード面は最大41.6℃、底面は最大40.6℃、ACアダプターは最大38.3℃となった(室温23.6℃で測定)。ハイパフォーマンスなノートPCとしてはかなり発熱が低く抑えられている。

キーボード面の発熱は最大41.6℃(室温23.6℃で測定)、底面の最大温度は40.6℃、ACアダプターの最大温度は38.3℃

プロ・クリエイターはもちろんだが
一般層にも試していただきたい逸品である

 プロクリエイター向けというとかなり尖ったマシンを想像してしまうが、AMD Ryzen™ 9 5900HX モバイル・プロセッサーのハイパフォーマンスはすべてのPCワークに恩恵があり、ディスクリートGPU搭載によりゲーミングノートPCとしての素養も備えている。

 16型という大型の4K解像度、HDR対応のディスプレーも、クリエイティブワークやお仕事はもちろん、映像コンテンツの視聴にもってこいだ。スタイラスペン対応のタッチパッドは、子どもがイラストを描くのにも役立つだろう。

 プロフェッショナルクリエイター向けとは言え、19万9800円から購入可能なので、幅広い層の方にぜひ試していただきたい逸品なのである。

 

(提供:ASUS JAPAN)

 

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