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「Google Cloudまるっとわかる座談会」の質問にまるっと答えます!
本記事はgrasys が提供する「grasys blog」に掲載された「『Google Cloudまるっとわかる座談会』の質問にまるっと答えます!」を再編集したものです。
こんにちは、grasysマーケティングチームです。
grasysのエンジニアと、西岡典生氏・田丸司氏(Google Cloud)による書籍「図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」の出版を記念し、9月29日にウェビナー「Google Cloudまるっとわかる座談会」を開催いたしました。イベントにご参加くださったみなさま、誠にありがとうございました!
ウェビナーでは、書籍の著者たちが、Google Cloudの基本や最新のトレンドをはじめ、エンジニア視点での魅力や注目ポイントについて、現場での実体験を交えながら、ざっくばらんに語り合いました。(Ascii.jpのイベントリポートもぜひご一読ください!)
今回は、イベント終了後にアンケートでいただいたご質問に対する、登壇メンバーの回答をご紹介します。
Google Cloud勉強方法
1. この本を使ってどのように勉強するのがおすすめですか? (回答者:清水)
本書では、クラウドの基礎、Google Cloudの全体像、主要サービスについて、初学者の方にもわかりやすく解説しています。まず本書を手に取って、Google Cloudの全体像をつかんでいただけたら幸いです。
概念的な理解に焦点を当てて学習することで、今後学んでいくべきGoogle Cloudの具体的な使い方をスムーズに習得しやすくなると思います。
さらなる学習としては、本書の中で興味を持っていただいたサービスのマニュアル等の確認や、認定資格の取得、Google Cloud関連のイベントに参加することで、知識の深堀りができます。
自主学習のツールとして、Google Cloudのハンズオンマテリアル、「Qwiklabs」の活用もおすすめです。
2. どのような方法でGoogle Cloudのスキルを身に付けていったのですか? (回答者:清水)
私の場合は最も小さなスケール、かつ最低限の操作で一つのアーキテクチャを作ってみることで理解を深めていきました。
最も小さなスケールとは、VM(Virtual Machine)インスタンスを一台立て、FW(Firewall)を設定、そこにリクエストを送るといったイメージです。そこにバックエンドとしてCloudSQLなどのDB(Database)を追加したり、LAMP環境を構築したり、VMを増やしてLB(Load Balancer)を構築し、負荷分散をさせたりしました。徐々にアーキテクチャを大きくして、要所のステータスの確認方法を意識しながら学習を進めることで、つまずく回数を減らすことができたと思います。いきなり巨大なものをつくると、慣れないインターフェースや仕様に対して「どこから確認すればわからない」といったことに陥りやすいと思います。
また、最低限の操作に留めたのは、スピード感をもって学習するためです。Google Cloudは「開発者が最低限の操作で構築可能で、それが自身のビジネスに必要なものかスピーディに評価できる」ようにインターフェースが設計・日々改善されています。それが転じて技術の習得に活かすことができます。「ちょっと作ってみて・試して・すぐに壊す」といったサイクルを意識しながら取り組みました。
最低限の構築に慣れてきたら、gcloudコマンド(Google Cloudを操作できるCLIツール)やTerraformといったプロビジョニングツールを使った構築も有効でした。より粒度の細かいリソースやパラメータの把握に役に立ちます。
3. Google Cloudの公式ドキュメントは読みにくい&分かりにくい印象を持っているのですが、公式ドキュメントの上手い活用方法などあったら教えていただきたいです。 (回答者:清水)
公式ドキュメントの構成や内容は、日々改善されているものの、そうそう大きく変わるものでもありません。Google Cloudの公式ドキュメントが苦手であれば、読む文字の量を最低限まで減らすのが効果的かと思います。そのためには目的によってドキュメントへの到達方法を変えるのがおすすめです。
あくまで私個人のやり方ですが、Google Cloudに限らず、学習・検証目的でクラウドコンピューティングサービスを触るときは、最初にドキュメントのトップページから「概要」と「クイックスタート」のページだけ探して読むようにしています。
概要は「何ができるサービス(プロダクト)なのか?」を把握するのに斜め読みしています。クイックスタートは「まず動かしてみる」ことで具体的なリソースのイメージができるようにします。Google Cloudのクイックスタートは構築方法と動作確認テストに焦点があてられており、内容が簡潔にまとまっているので、多少インフラの知識・経験があるのであれば、いきなりクイックスタートから始めても良いかもしれません。
例として、Cloud SQLのドキュメントを紹介します。
https://cloud.google.com/sql/docs/mysql/quickstart
具体的なケースや課題をお持ちなら、Google Cloudの場合は以下の方法で読むページを最小限に抑えられると思います。
・クイックスタートの「次のステップ」の一覧から似たものを探す
・プロダクトページのインデックスからケースを探す
・お使いの検索エンジンから「プロダクト名 + 課題(に親和性の高い単語)」で検索して詳細な仕様やケースが記載されたページへ直接飛ぶ
質問の意図からは少し外れますが、興味のある他社のGoogle Cloudを使った事例を探して読んでおくと良いかもしれません。事例がご自身の課題に当てはまるのなら、すぐにクイックスタートで検証開始です。
必ずしも目的の事例が見つかるとは限りませんが、弊社でも事例を紹介していますので、よろしければご覧ください。https://www.grasys.io/activity
競合サービスとの比較
4. Google Cloudが他のパブリッククラウドに勝っている一番のポイントは? (回答者:泉水)
Google Cloudの強みはネットワークだと思います。全世界に物理的なネットワーク網を設置しています。Google Cloud内の通信はこのネットワーク網を使用するため、高速かつセキュアな通信となります。
5. Google Cloudのデータ分析におけるAWSやAzureと比較した時の優位性 (回答者:長谷川)
やはりBigQueryの存在が大きいと考えています。
スキーマの変更などに多少弱みはありますが、いわゆるコンシューマレイヤーでの利用という観点で、クレジットカードだけで簡単に利用開始でき、多少大規模になると取り回しなどで気をつける点が出てきますが、小規模から中規模くらいまでをあっさりカバーする機能と性能を持っています。
認証やセキュリティーの観点を加味すると多少広い範囲で考慮が必要ではありますが、それなりの規模感で手軽に使えるデータストレージがいつでもそこにあるという安心感は、システム設計上心強いと考えています。
最近では利用者も増えたので、記事やドキュメントも豊富になってきました。また、数百TB以上のデータサイズになった際に、多少の気遣いは必要になりますが、運用効率はとても高いと感じています。
6. AWS利用者がGoogle Cloudにキャッチアップするための要点について(回答者:泉水)
AWSとGoogle Cloudのサービスを対比して、AWSで普段使っているサービスに対応するものから学習してキャッチアップしていくのが良いと思います。
AWSでEC2をよく利用するのであれば、Google CloudだとCompute Engine。S3であれば、Cloud Storage等。今回出版した書籍の「1章 Google Cloudの基礎知識」の「02 Google Cloudのサービス」にサービス一覧がありますので、そちらからも探していただけます。
ご感想
7. より上級者向けの冊子の出版が予定されていれば、ぜひ購入させていただきたいです。 (回答者:長谷川)
あ〜それを言ってしまうのですね…
泉水さんを言い出しっぺとして担ぎ上げて、社内とGoogle Cloudに持ちかけてみます(笑
次回も前書担当として、全力を尽くしてがんばります!
8. スピーカーの方々が丁寧で好感がもてました。 (回答者:長谷川)
ありがとうございます。
日頃はそんなに丁寧な人たちではないのですが、緊張していたのだと思います。(笑
(Google Cloudさんは日頃から丁寧だと思います。)
その他
9. Google Cloudに関するユーザー会のような活動はありますか? (回答者:泉水)
弊社主催でユーザー会のような活動は行なっておりませんが、ユーザーのみなさまにご参加いただけるGoogle Cloud主催のコミュニティーは複数あります。コミュニティーの情報をまとめたウェブサイトもございますので、よろしければご覧ください。https://gccn.dev/
終わり
ウェビナーのアーカイブ動画は、以下リンクよりいつでも視聴が可能です。よろしければご覧ください。
https://youtu.be/AhnnHpXA7jE
また、書籍『図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』も絶賛発売中です。Google Cloudのしくみや関連技術を含めたサービス、機能について、具体的な事例を踏まえながらフルカラーで図解した解説書になっていて、初学者の方でも無理なく読み進めていただけます。ぜひ、お買い求めください。
https://gihyo.jp/book/2021/978-4-297-12301-7