絶対行きたい! この街のあの名所 第2回

老舗が続々! 秋田市のスイーツは、伝統に裏打ちされた歴史ある逸品ぞろい

文●越智龍二 イラスト●サタケシュンスケ

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 東北の県庁所在都市として仙台市に次ぐ約30万人が暮らす秋田市は、1889(明治22)年 に日本で最初に市制施行された31都市のうちの一つでもある、歴史のある街です。かつて大阪から北海道まで物資を運んだ北前船が寄港していたこともあり、自然豊かな文化と華やかな都の文化の融合した形跡が街のあちらこちらに見られるのも特徴。桜や紅葉など、四季折々の趣が感じられる日本庭園と江戸時代の城跡などがある「千秋公園」(写真)は、人気の観光スポットです。

 歴史のある街と同様に、地元で長く愛されている老舗が多い秋田市のスイーツ。四季がはっきりしている秋田では、季節に応じたさまざまな菓子が作られ、市内には地元の食材を使った菓子店が数多く並んでいます。

300年以上続く老舗が手掛ける「元祖 秋田諸越」

杉山壽山堂

 市内の老舗としてまず名前が挙がるのは、1705(宝永2)年創業の「杉山壽山堂(じゅさんどう)」です。人気は、初代が考案した打ち菓子の一種で、上品な口当たりが特徴の「元祖 秋田諸越(もろこし)(10枚入)」(540円、写真)。厳選した小豆の粉に砂糖を加え、型打ち、乾燥、下焼きを行う昔ながらの製法で作られ、添加物や着色料は一切不使用というこだわりも長く支持されている所以です。

DATA
住所:秋田県秋田市川尻町字大川反170-82(ポンドール)
電話:018-823-5186
https://www.morokoshi.jp

山葡萄(さなづら)が香る甘酸っぱいロングセラー

菓子舗榮太楼

 百年を超える歴史を誇るのが、1883(明治16)年創業の「菓子舗榮太楼(えいたろう)」。長い営業の中でお店の看板商品となっているのが、1957(昭和32)年から販売する「さなづら」(写真、箱入りは8枚840円~)です。山葡萄を濃縮ジュースにし、天然の寒天と共にねっとりとゼリー状に固めたもので、甘酸っぱく濃厚な味わいが楽しめます。

DATA
住所:秋田県秋田市高陽幸町9-11
電話:018-863-6133
https://www.eitaro.net/

素朴なカオルサブレは誰からも愛される逸品

かおる堂

 2022年にめでたく創業百年を迎えるのが「かおる堂」。市内の名店で修業した初代が、1922(大正11)年に開いた菓子店は、秋田の四季を映し取ったようなお菓子作りに定評があります。なかでも「カオルサブレ」(写真は16枚入り2019円)の人気が高く、誰からも好まれる素朴な味わいと、サクサクの食感、ほんのり香るバター風味が特徴です。

DATA
住所:秋田県秋田市川尻町字大川反170-82(ポンドール)
電話:018-864-4500
http://www.kaorudo.jp/

郷土の味をアレンジした創作和菓子が評判

旭南高砂堂 本店

 個性豊かなオリジナル銘菓や季節の和洋菓子で知られるのが、「旭南(きょくなん)高砂堂」です。市内の老舗「高砂堂本店」(明治27年創業)に生まれた初代が、1967(昭和42)年に開いたお店で、写真の「焦し諸越饅頭」(8個入1188円ほか)が評判。焦がし諸越粉(もろこしこ)を加えた香ばしい皮と小豆餡がよく合う、2017(平成29)年の全国菓子大博覧会で観光庁長官賞を受賞した逸品です。

DATA
住所:秋田県秋田市旭南1-18-25
電話:018-823-4021
https://www.okashiyasan.co.jp/



 秋田市が誇る老舗のスイーツはいかがでしたか? その本物のおいしさは長く愛され続ける歴史が証明しています。打ち菓子や饅頭、サブレなど、多くのバリエーションも楽しめる秋田市のスイーツを、現地でぜひ味わってみてください。

※記事内の価格はすべて税込です。販売価格は予告なく変更される場合があります。
※この記事は、「つなぐ旅~東日本~ ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています

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