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ケーブルを束ねる機構がワザアリ!!

実売2000円以下でハイレゾにも対応した寝ホン! ADV.の「Sleeper Loop」

2021年10月24日 15時00分更新

文● ASCII

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 “寝ホン”というジャンルがある。簡単に言うと、寝ながら使うのに便利なイヤホンの総称である。タブレットやスマホを使う際、ベッドに寝転びながら使いたいと思う時が多い。そういうときイヤホンは便利そうだ。しかし、一般に売られているイヤホンは耳から出っ張る部分が多く、横になると邪魔、痛いといった問題点がある。

 というわけで、薄型の筐体にするなどして横向きに寝たり、枕を使っても平気なイヤホンというジャンルが存在するのだ。ADV.の「Sleeper」もそんな寝ホンの一種である。10月29日には、ハイレゾにも対応した「Sleeper Loop」が発売となる。ブラック・ブルー・ホワイトの3色があり、実売1980円前後と手ごろな価格で買える。

 従来機種同様、ハウジング部をシリコン素材にして、寝転んで使っても耳に食い込まないよう配慮。さらに形状も変えて、フィット感を良くした。特にアジア人の耳にフィットするという。耳からの出っ張りが少ないフラットシャープになっているのも特徴だ。

 面白いのはケーブルを簡単にまとめられる「ループ式ケーブルタイ機能」を持つ点だ。端子の根元をケーブルに巻き付け、ループ状になっている部分に端子部分を通すことでケーブルをホールドできる。巻き取ったケーブルを収納しやすくするため、コネクタの付け根部分を柔らかく長い形状にしているが、ここは断線しにくさにも配慮したためだという。

写真のようにイヤホン端子のプラグを穴に通し、簡単にケーブルをまとめられる。

 機能面では、リモコン/マイク部にスライドスイッチを用意して、ボリューム調整ができる改良も加えた。これは最近増えてきたウェブ会議などで、声の大きさをいい感じに調節しやすくするためだという。

 低価格といっても、20Hz~40kHzのワイドレンジ再生が可能で侮れない。ハイレゾ領域の周波数帯域もカバーしているスグレモノなのだ。コード長は旧モデルの1.2mに対して1.5mに延長。インピーダンスは16Ω(±15%)で、感度は100db(±3db/1kHz)。スマホなどでも鳴らしやすくなっている。シンプルなパッケージだが、ブランドロゴ入りキャリーポーチも付属する。

寝ながら動画を観たり、ゲームしてみよう

 サンプル機が手に入ったので軽く試してみた。いまさらながら、最近YouTubeやNetflix、ゲームなどにはまっている筆者は、寝っ転がってタブレットを使うのが習慣になってしまっているが、長時間タブレットを顔の上で支えるのは大変なので、右を向いたり、左を向いたりするケースが多くなる。一方、夜間はスピーカー再生に躊躇する面があるし、ヘッドホンやイヤホンを使うのはちょっと抵抗感があったので、寝る前にちょっと音楽を聴きたいと思うことはあまりなかった。

ブラック

ホワイト

ブルー

 で、Sleeper Loopなのだが、使ってみると「おっ~、確かに横向きで寝っ転がっても問題ない」と思える。出っ張りがほぼないので違和感なしである。これなら横に置いて使えるので、顔の上にスマホやタブレットを持っていた状態に、うとうとしたり、手が滑って顔に端末を落とす心配がない。また、有線タイプのイヤホンを寝て使っていると、ふとした拍子でケーブルを引っ張ってしまうことが多いが、この機種はケーブル自体が長めであることに加えて、すぐ耳から外れる。そういう点でもいい。

 音も価格から想像する以上によく、人の声、特に女性の声がよく通る。このあたりは映画を観たり、ソーシャルゲームをやったりする人には嬉しいポイントではないだろうか。また、低域は強調感が出ない程度でしっかり出るバランスになっており、音楽などを聴く際にも悪くない感じだ。

 そして、ループ機能。これはなかなかよい。有線ケーブルは装着前に絡まったケーブルをほぐすのが面倒だが、ループ機能で束ねて置けばすぐ使えるし、断線の心配も少ない。ケーブル自体は細いのだが、プラグの付け根の部分が柔らかく長く取ってあるといった配慮もいい。中央がへこんだハウジング形状はちょっとおしゃれだし、Rが赤線、Lが黒線と色分けされているのも視認性がいい。などなどなかなか利点が多い機種だ。

 次に気になったところ。まず、ハウジングやイヤーピースが小さい。耳穴が小さめの人には合うかもしれない。ただ、私は比較的大きめで、一般的なイヤホンであればピッタリという感じだが、この機種だと少し緩いというか落ちやすい感じがした。前後に回してかなりしっかりした装着感になるポジションを探れば大丈夫な面はあるが、割と難しい。

 逆に少し隙間が空いているため、イヤホンの位置がずれてこそばゆい感じが出てしまうので、長時間のウェブ会議などだと厳しいかもしれないと思った。気になる人は店頭などでフィーリングを確かめたり、イヤーピースの変更を検討すべきかもしれない。

リモコン部にある音量はスライド式。端子のつけね部分はながくて柔らかい。断線対策だそうだ。

 もうひとつはアナログのボリュームコントロールのせいか、ボリューム位置によって左右の音量に少し差が出ることだ。最大の位置にしておけばそれほど気にならないが、音質面でのトレードオフはある印象だ。

 あとは細かいところだが、イヤホン端子の精度はもう少し高めてほしい。使うプレーヤーにもよるが、接触が悪くてブツブツといったノイズが入ってしまう場合もある。

 以上、簡単だがSleeper Loopの使用感にも触れてみた。全体としてはLoop機能がワザアリのアイデアで素晴らしいし、高解像度系の音もなかなか優れている印象。夜寝る前にイヤホンで音楽を聴くなんてことは、学生時代はよくやっていたが、長く離れていた。でもこのイヤホンなら快適だし、やってもいいかなと思える。

 ただ、若干気になる箇所もあるので、買う際には注意しておきたいところだ。2000円以下のイヤホンと考えれば、買ってまずは使ってみて、合わなければ子供や友人にプレゼントするみたいな方法もありかもしれない。

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