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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第732回

iPhone 13 Pro購入のタイミングで黒の子猫がやってきたのでカメラをテスト

2021年09月29日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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ソファーの裏の狭くて暗いところに隠れてた黒猫をナイトモードで。ちゃんと撮れてるってだけでもすごい。肉眼ではほぼ真っ暗だったのだ。2021年9月 アップル iPhone 13 Pro

 iPhone 13が発売されるおよそ1週間前、正確にはiPhone 13予約開始の前日に、ひょんなことからうちに黒猫がやってきたのである。生後5ヵ月くらいの子猫。うちにはずっと大五郎とかふかという2匹の猫がいたのであるが、大五郎はちょうど1年前の2020年9月21日に18歳で他界しており、1年ほど1匹だけだったのだ。

 そんな折り、近所の猫好きの方から子猫を保護したいけどどうすればいいか相談を受け、保護猫活動をしてる団体を紹介したところ、いつの間にかうまく捕獲できたらうちで預かる、って話になってしまったのだ。まあ、猫を飼う飼わないは縁ですな。

 そして9月16日、病院で検査を終え、去勢も済ませた黒猫がやってきたのである。これはその病院で撮ったもの。おびえております。

キャリングケースの中でおびえてる黒子猫。5ヵ月ほどノラで隠れて生きていたとは思えないくらいおとなしい。2021年9月 アップル iPhone 12 Pro Max

 連れて帰ると借りてあった子猫用のケージに落ち着かせ、翌日、ちょっとは外に出してあげるかなと、書庫兼納戸に使ってる部屋に開放したら……瞬時に消えました。ええ、見事に消えました。子猫ったらちょっと目を離すとどこぞに消えるものなのだけど、相手は黒猫である。暗い部屋の暗いところに隠れられると、まーったくわからない。

 闇の黒猫。恐怖の黒猫。闇夜のカラス並である。

 隠れそうな場所を覗くのだけど、どこを覗いても暗いだけなのだ。参りましたな。そこでの出番。iPhone(このときはまだiPhone 13 Proは届いてないので、iPhone 12 Pro Max)のカメラでいそうなところをそーっと覗き込むと、いた! 肉眼でもよくわからんのに、iPhoneは見つけてくれたのである。なんか自動的に2秒のナイトモードに切り替わるような暗い場所なのに、黒猫の姿を発見したのだ(黄色い枠がそう)。

スクリーンショットを取るときに手ブレしたのでわけわからんけど、確かに真っ黒な塊を黄色い枠で捉えてる。肉眼ではよくわからんのに

 しかも、ちゃんと撮れてるのである。黒い子猫が。

本棚の奥の狭いところに隠れていた黒猫がちゃんと撮れててびっくり。目を開けてくれたおかげで顔もわかる。2021年9月 アップル iPhone 12 Pro Max

 いやあiPhoneのカメラってわけわからんわ。でも、人間が見つけられなければ意味がないわけで、鈴付の首輪をつけることにした。ちょっとでも動いてくれれば音がするので、音を頼りに見つけるのである。音は大事ですな

ペロッとした瞬間。思ったよりきれいな黒なので(胸元にちょっと白い毛が混じってるくらい)、目と舌がアクセント。金色の鈴もちらっと見えてる。2021年9月 アップル iPhone 12 Pro Max

 猫の名前は「みるっこ」に決まった。肉球が珈琲豆みたいだったから、珈琲好きにしか元ネタが分からない名前にしてみた。

 そして1週間たち、新しいiPhoneがApple Storeから届いたのである(いつも、SIMフリーのiPhoneをApple Storeで買ってるのだ)。とりあえず、バンパーケースを装着したiPhone 13 Proとみるっこを一緒に撮ろうと目の前に置いてカメラを構えたら、こら、かじるな!

グラファイトのiPhone 13 Pro。カメラ部分が大きくて飛び出てる。装着したバンパーもカメラ部を保護するために出っ張りが大きいので囓りやすそう

 こら、踏むな!

同じくグラファイトのiPhone 13 Pro。まったくもってじっとしててくれない上に、しかも思い切り踏まれた……

 まあそんな感じで冒頭写真がiPhone 13 Proで撮ったもの。これ、ソファーの裏に隠れてるのだ。左側の赤いのがソファの背(猫の爪痕がひどいので布を被せてある)、右側が壁。その隙間に入り込んじゃったのだ。でもナイトモードでちゃんと撮れたのである。暗いところに隠れた黒猫も撮れるiPhone 13 Proだ。

 そのiPhone 13 Proであるが、メインカメラである広角カメラのレンズがF1.5と明るくなった上にセンサーサイズもちょっと大きくなったので、以前より暗所に強くなった上に、近距離で撮ると背景が以前よりボケる。ポートレートモードも何も使わずに普通に撮った写真をどうぞ。顔にピントがあって背景がいい感じにボケてる。

スマートHDRがよく聞いて、逆光なのに顔の明るさも完璧。みるっこはかなりきれいな黒猫だ。2021年9月 アップル iPhone 13 Pro

 まだちょっと使っただけだけど、全体に「寄れる」ようになった、つまり以前より近くまでピントが合うようになった気がする。飼い猫を撮るにはすごくありがたい。もっとぼかそうと思ったらポートレートモードだ。

ポートレートモードでみるっこを撮影。顔はシャープに、身体はすすーっとぼけてるのがわかる。2021年9月 アップル iPhone 13 Pro

 その上、iPhone 13 Proを買った人がみな試しちゃうのがマクロ撮影。簡単にいえば、被写体にぐいぐい近づいて「近すぎてこれ以上はピントが合わない~」ってなると自動的にカメラが切り替わって、レンズ前2cmまで合うようになる機能だ。

 具体的に何をやってるのかというと、13mm相当の超広角カメラにAFを付けて至近距離までピントが合うようにし、それの2xデジタルズームで撮るのである。勝手に切り替わるので使う人は何も気にしなくていい。これは5cmくらいの距離だけど、さっとアップで撮れる。

マクロ撮影機能で撮った黒猫。ちょっと埃がめだっちゃいますな。ちょっとマイナスの補正をかけて黒を締めたい。2021年9月 アップル iPhone 13 Pro

 iPhone 13 Pro(マクロ撮影に対応してるのはProモデルだけ)って、大きくなったカメラが3つついてたり、3つめのカメラが77mm相当と3倍の望遠になったことが目立つんだけど、いざ使ってみると「近距離に強くなった」のが猫飼い的にはうれしいかも。

 しかも今回の写真、すべてノーレタッチ。黒猫って撮影難易度が高いんだけど、なんだかんだいって撮れちゃうのはすごい。最後にアクビの瞬間をどうぞ。

ポートレートモードで撮ったあくびの瞬間。2021年9月 アップル iPhone 13 Pro

 まだ届いて2日ほどなのであるが、3倍になった望遠カメラとか、背景ボケ動画を楽しめるシネマティックモードとか予想以上に進化してそうなので乞うご期待である。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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