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「会えない今は映画という形で純烈を届けたい!」純烈が語る地方での触れあいへの想い。

2021年09月29日 12時00分更新

文● タナカシノブ/撮影●渡邊明音/編集●大場徹

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左から酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平(撮影/渡邊明音)

 主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』が公開中の純烈。4人組ムード歌謡グループとして活躍しているが、リーダーの酒井一圭をはじめ、小田井涼介、白川裕二郎ら3人は東映映画特撮ヒーロー出身という経歴を持つ。メンバーで唯一、特撮出身ではなかった後上翔太が、本作でついに変身を経験し、さらにラブシーンまで披露している。

 公演やロケで日本各地を巡るだけでなく、現地での“触れ合い”を大切にしてきた純烈。ラジオ番組『あの街この街純烈旅』では、日本全国津々浦々を知る純烈ならではの楽しいトークを展開し、全国各地の名所、名産、グルメ、温泉、お土産などを紹介し、旅そして、ニッポンの魅力を伝えている。

 コロナ禍でスーパー銭湯をはじめ、地方公演など活動の幅が激減する中、純烈はどのような思いを抱えているのだろうか。コロナ禍だから実現したという映画制作のきっかけや、地方公演での思い出、ファンとの触れ合いへの想いなどを伺った。

ーー映画制作の構想はいつ頃からあったのでしょうか?

酒井 特撮で東映にお世話になったので「いつかまたここに帰ってきたい」という思いを東映のスタッフさんには伝えていましたし、そのためにがんばってきたというところもあります。コロナ禍でコンサートができずにスケジュールが空いたので「今だ!」と決断しました。いつかやりたいという思いはありましたが、実際に思い立ったのは昨年の3月に入ってから。撮影は10月スタートだったので、バタバタと準備をしていきました。

白川 「どこまで本気なのかな」と思っていたのですが、台本やスーツアクターのデッサンが届きはじめました。見たらものすごくクオリティが高くて、リーダーの本気度を感じました。「冗談じゃなかったのか」って(笑)。集まってくださったスタッフ・キャストのみなさんがすごいメンバーだったので「一生懸命取り組まなければ!」と気持ちが引き締まりました。

小田井 コロナ禍でどんどん仕事が減ってスケジュールが空いてしまう中、この映画を撮影することで僕たちの仕事だけでなく、スタッフさんにも働く場所をひとつ作れたことはすごく良かったと思っています。まあ、急に決まったので、この撮影スケジュールで制作間に合うのか? という不安はありましたが(笑)。

後上 「ついに僕も変身するときが来た!」と、ちょっとうれしかったです。純烈で映画を撮影します。と聞いてから、どんどん話が進んでいき、撮影に入ったという感じでした。撮影時に誕生日を迎えたのですが、悪の女王・フローデワルサ役の小林幸子さんがケーキを持ってハッピーバースデーを歌ってくれたんです。でも、幸子さんの出演情報解禁前だったので、タイムリーに自慢できなかったのは残念でしたが、とても良い思い出になりました!

ーー映画のおすすめポイントをお願いします

酒井 バカバカしい映画なので、観て、笑っていただけるのが一番です。コロナ禍でコンサートができない今、音楽をCDでお届けするような気持ちで、僕たちの姿を映画でお届けします。「また、純烈がバカなことやってる」なんて笑いながら、息抜きくらいの軽い気持ちで楽しんでいただけたらうれしいです。

後上 純烈らしさが詰まった作品です。ヒーローだけど世界を救うなんて大きいことは言わずに、温浴施設の平和を守るという使命を果たすべく、持ち場でがんばっています(笑)。純烈を紅白まで連れて行ってくださったみなさんの温かい応援の力で、ぜひ、映画も応援していただきたいです。

白川 とてもほのぼのとした映画です。観ているときはもちろん、観た後も映画を思い出してクスッと笑っていただけるんじゃないかと思っています。直接会えなくてもファンの皆さんと一緒に楽しめる作品を作れたことがとてもうれしいし、ありがたいです。

小田井 役者という形で純烈の姿をお届けします。直接会えない時期が長く続いていますが、今は、劇場で純烈の元気な姿を観て楽しんでいただきたいです。コンサートができるようになったら、直接撮影裏話をみなさんにお話しできるのを楽しみにしています。

ーー地方での触れ合いの機会が減り、改めて触れ合いの大切さなどを実感しているのではないでしょうか。

酒井 早くあの温もりを取り戻したいという気持ちでいっぱいです。コロナ禍以前、メンバーが4人になった直後の熊本でのディナーショーで、地元のおじいちゃん、おばあちゃんに「4人になってもがんばれ!」と声をかけてもらいました。話を聞くと、ワイドショーでニュースを観てかわいそうになって応援に来たって言うんです(笑)。「ここががんばりどき!」と尻を叩いてくれるのは、地方ならではかもしれません。都会では触れにくい話題は「そっとしておいてあげよう」という空気になりますからね。

小田井 地方公演でのMCで「今日何食べたらいい?」と質問すれば、会場のあちこちから特産品の名前が飛び出します。地元を大事にしている印象がありますね。会場に集まるマダムたちの服装も都会とはちょっと違っています。都会は普段着の方が多いのですが、地方はちょっとドレスアップして来てくださる。農家で畑仕事をしている僕のばあちゃんも、地元の公民館で催しものがあると、ちょっとおしゃれして出かけていたので、地方ならではの光景だと感じ、懐かしい気持ちになります。

白川 地方で握手をすると力強さを感じることが多いです。農作業に関わっている方も多く、大きくて温かい“働く手”が印象的です。距離が近いのも地方ならではだと感じています。歌っている最中なのに「アメちゃん食べる?」と話しかけ、手に持ちきれないほどのアメをくれます。客席をまわり、ステージに戻ったら衣装のポケットはアメでいっぱいになっていて、それを取り出してから仕切り直すのが、地方公演あるあるです。お菓子の袋をあけて自分用に1個取った後に「あとはみんなで食べなさい」というのもよくあります。自分の子どものように接してくれるのも地方ならです。

後上 地方には熱量の高いマダムが多いです。客席を回って握手をするのがコロナ禍以前の定番でしたが、まだ僕たちが最前列で握手をしているにも関わらず、待ちきれなくて最後列の方が最前列まで走ってきたこともありました(笑)。ホールで走るのは危ないですが、そういう熱量はとてもありがたいですし、たくさんの刺激をもらっています。

酒井 以前、ロケで岡山の桃畑に行ったときに、たまたま畑の近くで会ったおばちゃんが純烈のファンだったんです。「今度、コンサート行くわよ!」と言われて、「ありがとう」なんて和やかなやりとりをしたのですが、その後、桃畑を歩き新しいおばちゃんに会うごとに、桃をたくさんもらったんです。それも10人くらい連続で。実は、最初にあったおばちゃんがみんなに「純烈のリーダーが来てるわよ!」と電話していたらしいんです。聞けば、みんな仲良しで、純烈ファン。今度のコンサートにも一緒に行く予定でチケットも買ったと教えてくれました。桃の歓迎会、すごかったです。

ーー光景が浮かびます。とても温かいエピソードですね。

白川 地方のファンの中には、農業に携わっている方もとても多いので、近年の気候変動が農家さんに与える影響も非常に気になっています。スーパーできゅうりが1本100円で売られているのを見ると、驚くと同時に大変だろうなと思うことも多いです。純烈を通して農家をはじめ地方の現状を知るきっかけになる、そんな効果があるのなら、できることはやっていきたいという気持ちです。

酒井 純烈は最初、主戦場を道の駅にするアイデアもありました。サービスエリアのみかん箱の上で、ヒーローあがりの役者陣が歌っていますという設定で、ワイドショーにでも取り上げてもらえたらと、デビュー曲もタイトルを「霧の安達太良サービスエリア」としていたくらいなんです。全国にネットワークを構築することが僕の本当にやりたいことなので、“純烈.com”でも立ち上げて、農家さんをはじめ地方を応援するみたいなことをやるのもいいかな、なんてこのインタビュー中に思い始めています。

後上 農業や漁業に携わっている方たちが、気候変動の影響を受けて困っている、元気がないといったニュースをよく見かけるのですが、実際に地方に行くと、僕たちのほうが元気をもらって帰ることが多く、あのパワーはどこから出てくるんだろうと思います。でも、純烈だからできることがあるのなら、いつもパワーをいただいているお礼に、何かしたいという気持ちでいっぱいです。

小田井 ばあちゃんが農家で畑仕事、じいちゃんが漁師で漁業に携わっているので、僕にとっては農業も漁業も身近な存在です。だからこそ、地方で気候変動にも負けじとがんばっているみなさんを応援したいです。

酒井 あぁ、こうやって話していると、早くコロナが落ち着いて、地元の方と“ふれあう”あの感覚を取り戻したいという気持ちが強くなります!

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©2021 東映ビデオ

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