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「Dreamforce 2021」で披露、「デジタルファーストな働き方の可能性を広げる」

Slack、簡易録画の「クリップ」や「Slackコネクト」強化など発表

2021年09月24日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Slack Technologiesは2021年9月21日、短いメッセージを録画/録音してSlackチャンネルに投稿できる「クリップ」機能の一般提供開始や、企業間でのチャンネル共有を可能にする「Slackコネクト」機能の強化などを発表した。これらの機能強化を通じて「デジタルファーストな働き方の可能性を広げる」としている。

Slackの機能強化はSalesforce.comが開催中の年次イベント「Dreamforce」において発表された

 1つめの発表はクリップ機能だ。Slackのメッセージ入力フォームにあるカメラ(またはマイク)ボタンをクリックするだけで、簡単にビデオ録画(または音声録音)ができ、そのコンテンツをそのままSlackチャンネルやDMで送信できる。録画時にはカメラ画像だけでなく、説明資料などのウィンドウを一緒に録画することもできる。

 これにより、分散型の働き方をしているチームが全員の揃う時間帯を見つけてWeb会議を開催しなくとも、各自の都合の良いタイミングでコンテンツを視聴し、Slackにコメントして議論を進めることができる。Slackの得意とする非同期コミュニケーションに、ビデオ/音声メッセージを簡単に組み込めるというわけだ。

 この機能自体は7月に発表されていたものだが、今回のタイミングで一般提供開始となった(クリップ/Clipsという機能名も付いた)。段階的にリリースされ、今秋中にはすべての有料プランユーザーが利用できるようになるとしている。

Slackの簡易録画/録音機能「クリップ」

 次の発表はSlackコネクトの機能強化だ。Slackコネクトは、企業/組織どうし(最大20組織まで)が接続して、その企業/組織に所属するユーザーが共有のチャンネルでコラボレーションできる機能だ。この機能を通じてSlackは、フィッシングやスパムなど問題の多い“電子メールからの解放”を狙っている。

 ただし、これまでのSlackコネクトは有料プランを契約している企業/組織間でのみ利用できた。今回の発表ではこれを緩和し、Enterprise Gridプランの企業であれば、相手企業/組織が有料プランを導入しているか否かにかかわらずSlackコネクトで接続することを可能にした。今秋にはEnterprise Gridユーザーにリリースされる。

 この制限緩和によって、Slackを“メール代わり”に使えるシーンが大きく広がるはずだ。発表文ではその例として「営業チームが顧客とのやり取り初日からチャンネルを立ち上げ、スピーディな商談成立につなげる」「カスタマーサービスチームが、社外とのコラボレーションをSlackで標準化し、トップクラスのサポートを提供する」といったケースを挙げている。

 最後の発表が、米国政府機関/公共部門向けの「GovSlack」だ。2022年リリース予定のこれは、米国政府が認定したクラウド環境で実行されるSlackで、「FedRAMP High認証」や「DoD IL4 認証」といった連邦政府が求める最高レベルのセキュリティ要件と運用要件に準拠したサービスとなる。現時点では北米のみの提供予定。

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