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人気クリエイターのPCデスク環境をインタビュー

RTX 3090搭載の最強自作PC!? YouTubeチャンネル登録者数100万人越えの女性シンガー「春茶」のPC環境のこだわり

2021年09月27日 19時00分更新

文● 高橋佑司 編集● ASCII

提供: テックウインド

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 昨今、YouTubeなどの動画投稿サイトを中心に活躍するクリエイターの存在感が大きくなっている。日本では小中学生の将来なりたい職業の上位にYouTuber・動画配信者といった職業がランクインしているデータもあり、その人気は特に顕著だ。

 そうしたクリエイターは、自宅に活動のための環境を整えている場合がほとんど。しかし、視聴者がそうした環境を詳しく知る機会はあまりない。スタジオのような公共の場所とは違い、クリエイター個人の好みでセッティングされているので、そのこだわりが色濃く表れているはずだが、一体彼ら・彼女らはどのような環境で活動しているのか。将来そうしたクリエイターを目指している人にとっても気になるところではないだろうか。

 今回筆者は、YouTubeを中心にカバー楽曲の動画配信やゲーム配信といった活動を行なっている「春茶」さんに、デスク環境についてインタビューする機会を得た。彼女は2021年の6月に、自作PCを組み立てる動画(上記)を投稿しており、その構成を見ても、PC周りの環境にはかなりこだわりを持っているように見える。

 インタビューの中で、クリエイター目線でのPCパーツ・デバイス選びのポイントについてお聞きしてみた。

●春茶

 YouTubeを中心にカバー楽曲を発信しており、2021年6月現在YouTubeチャンネル総登録数約140万人以上、総再生回数約2億再生を超えるシンガー。イラストレーターのナナカワ、クリエイターsakuma.とのユニット「終電間際≦オンライン。」ではボーカルを務めている。また「終電間際オンライン 小説集」では初の執筆を行なうなど、多彩な一面も持っている。

“可愛くて、光っていて、最強のPC”を目指してPC自作

新しい自作PC

 今回、春茶さんが組んだPCの構成は、CPUにCore i9-11900Kを搭載し、GPUにはGeForce RTX 3090搭載カードを採用。システムメモリーは128GBも備える、かなりハイエンド志向のモデルだ。

 なお、前世代のPCも自作PCとのことで、その構成を聞いてみると、そちらも1世代前とはいえかなりハイエンドな構成になっている。

新PCのスペック
CPU Intel「Core i9-11900K」(8コア/16スレッド、3.5~5.3GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS XIII HERO」(Intel Z590、ATX)
メモリー G.Skill「Trident Z Royal」128GB(DDR4-3200、32GB×4)
ストレージ Samsung「980 PRO」(PCIe 4.0、2TB)
Western Digital「WD Blue」(SATA、2TB)
ビデオカード ASUS「ROG-STRIX-RTX3090-O24G-WHITE」
(GeForce RTX 3090、GDDR6X 24GB)
電源 ASUS「ROG-THOR-1200P」(1200W、80Plus Platinum)
PCケース IN WIN「309」
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」
旧PCのスペック
CPU Intel「Core i9-9900K」(8コア/16スレッド、3.6~5GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS XI EXTREME」(Intel Z390、E-ATX)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB」64GB(DDR4-3600、16GB×4)
ストレージ Western Digital「WD Black」(PCIe 3.0、1TB)
Western Digital「WD Blue」(SATA、2TB)
ビデオカード 玄人志向「GK-RTX2080Ti-E11GB/HOF」
(GeForce RTX 2080 Ti、GDDR6 11GB)
電源 ASUS「ROG-THOR-850P」(1200W、80Plus Platinum)
PCケース IN WIN「307」
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

 もともと、春茶さんがPC自作を始めたきっかけは、PCでゲームをしたかったからだ。音楽だけの活動であれば、Macを使うといった選択肢もあったが、サブチャンネルでゲーム配信も行なっているほどゲーム好きのため、コンシューマーゲームからPCゲームへの乗り換えのためにゲームができる自作PCを組んだそうだ。

春茶さん:最初に組んだPCは、友達に手伝ってもらって組んだのですが、パーツは自分で秋葉原まで行って選びました。その時は、“可愛くて、光っていて、最強のPC”にしようと思って組んでいまして、今回新しく組んだPCも、ほとんど同じコンセプトで組みました。今回は白いビデオカードがすごくかっこいいのと、メモリーも光る製品にしてあるのが気に入っています。

 最強のPCというコンセプトは、スペックを見れば納得。BTO PCなどを選ばず、自作PCを選んでいるのには、デザイン面のこだわりが強いようだ。

 特に、LEDの装飾にはこだわりがあるそうで、PCケースは144基のアドレサブルRGB LEDを搭載したIN WINの「309」を採用している。このケースは8×18マスのLEDの光り方を設定し、フロントパネルにドット絵を表示させることが可能で、春茶さんはこの光り方も自分でしっかりカスタマイズしているとのこと。

 メモリーやビデオカード、CPUクーラーもLED搭載の製品を選択しており、かなりのLED“ガチ勢”であることが見受けられる。

IN WIN「309」のフロントパネルのLED点灯イメージ

 そんな春茶さんがPCを使用する用途は、ゲームや配信活動、音楽のレコーディング、動画編集など多岐にわたる。新たなPCにスペックアップしたことで、これまでのPCから変化したことや、これから新PCでやってみたいことを聞いてみた。

春茶さん:ファイルの読み込みやゲームのロード時間などが短くなって、ストレスが減っているのは感じます。新PCでは、ゲーム配信でも画質を上げてプレイしたいと思っています。前のPCではゲームをしながら動画配信をすると、最新の「バイオハザード」シリーズのような、重いゲームはカクついてしまうこともあったので、配信中は画質を下げてプレイしていました。新しいPCではCPUやGPUの性能も大きく上がっているので配信しながらでももっと快適にプレイできると思います。

 ファイルの読み込みに関しては、ストレージのアップグレードが大きいだろう。以前はシステムストレージにPCIe 3.0接続の「WD Black NVMe WDS100T2X0C」を使用していたが、新PCではPCIe 4.0接続の「Samsung 980 PRO」を使用している。前者のシーケンシャルリードが公称値で最大3400MB/sの一方、後者は7000MB/sと2倍以上の差がある。

PCの内部。白いパーツの印象が強い

 また、ストレージに関していえば、システムストレージの容量が増えているのも気になるところだ。前PCでは1TB+データストレージ2TBの構成だったが、新PCでは2TB+2TBの構成だ。クリエイター活動と聞くと、とにかく大量のデータを保存しておかなければならないのでは、というイメージがあるが、実際にはどうなのだろうか?

春茶さん:わたしの場合、2、3年くらい活動した中では、データストレージが半分埋まるくらいでした。ただ、わたしの活動は4~5分くらいの歌の動画やゲームの配信がメインになっているのでそれほどではありませんが、作曲活動をしたり、10分以上の動画をたくさん保存していたりする方であれば、もっと多くの容量が必要になると思います。作曲活動ですと、使用するソフトでも軽いものから数十GBといったものもあります。また、データや素材なども含めると、それこそ無限に必要になってくるので、大抵の方は外付けのストレージを使っていますね。

 一口にクリエイターと言ってもその活動はさまざまなので、ストレージ容量については一概には言えないが、良いものを作ろうとすると、それだけ多くのツールが必要になってくるのはどの分野にも言えることだろう。そういった場合は、外付けで拡張する方がPCの負担も少ないだろう、とのことだった。

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