Apple Musicのロスレス配信がAndroidでも可能となった。
ここで注目したいのはAndroidスマートフォンだけではなく、APKアプリでもロスレス配信および空間オーディオ配信の対応がなされたことだ。つまりAPKアプリをインストールすることができるAstell & KernのDAPでもApple Musicのロスレス配信を楽しむことが可能になったということだ。
Google Playに対応していないAndroidプレーヤーで利用する
APKとはAndroid Application Packageの略で、Androidで動作するアプリが圧縮形式で配信されているものだ。Android端末では通常Google Playストアを通じてアプリのインストールを行うが、Google Playに対応していない端末、例えばAndroidベースのDAPでもAPK形式ならばインストールが可能となる場合がある。Astell & KernのDAPの場合には「Open APP Service」という機能で APKアプリをインストールすることが可能だ。この主な用途はDAPにおいてもスマホのように手軽にストリーミングを楽しむためである。
手順は簡単でそのファイルをDAPに転送してインストールをすればよい。
もう少し具体的に書くと、まずリンクからApple MusicのAPKアプリの最新版(3.6.0以降)を自分のPCにダウンロードする。
次にAstell & KernのDAPでOpen APP Serviceがサポートされている機種を用意する。ここでは最新の「A&Futura SE180」を使用した。SE180をPCにUSB接続すると、PCからSE180の内蔵ストレージが見えるようになるので、「OpenService」というフォルダを見つける。上記APKファイルをそのフォルダに転送し、SE180側で「サービス」メニューを開く。そうするとリストの下部に先ほど転送したApple Musicのアプリが見えているのでそれをタッチするとインストールをすることができる。
インストール後はアカウントを入力して開始する。この点はスマホのストリーミングアプリと同じだ。中のメニューなども同じであり、iPhoneなどですでにApple Musicを使用しているならばそこで作成したプレイリストなどももちろん使用することができる。
ハイレゾ再生にはアプリ側の設定も必要
注意点としては使用を開始する前に、ハイレゾ使用の設定が必要なことだ。そのためにはアプリのトップにある設定を開き、「オーディオ品質」の項目からロスレスオーディオをオンにする。次にDAPではWi-Fiがメインとなるだろうからその下の「Wi-Fiストリーミング」を開いて、その項目をハイレゾロスレスに設定する。この設定が必要なのはiPhoneのアプリでも同じだが、DAPの場合は画面が小さく忘れやすいので注意したい。
実際に使用してみると、小さい画面なのでやや選曲操作などが進めにくい点はあるが、音質はさすがにスマートフォンと比べるべくもない素晴らしいものだ。4.4mm対応のバランス駆動のイヤホンなどハイエンドイヤホンを使用できる点も良い。試しにプレーヤー内にあらかじめ保存してある音源と同じハイレゾの曲をApple Musicで探し、聴き比べてみたが、ほぼ変わらないほど音質は素晴らしいものだった。
この連載の記事
-
第267回
AV
K2HDに対応、個性的な機能備えたiFi audioのスティック型USB DAC「GO bar剣聖」 -
第266回
AV
日本とは異なる趣を持つ、ドイツのヘッドホンイベント“The World of Headphones” -
第265回
AV
Apple MusicとSpotifyの争いが飛び火? 欧州委員会がアップルに制裁金 -
第264回
AV
Noble Audioの「XM-1」を聞く、MEMSスピーカー採用イヤホン第2弾、有線接続ならではの高音質 -
第262回
AV
ハイエンドヘッドホン・リスニングセッション 2024開催、高級ヘッドホンシステムの新試聴イベント -
第261回
AV
コルグのLive Extremeを用いた世界初のAuro-3D配信 -
第260回
AV
MetaのAudioboxを試す、指定の効果音や音声読み上げを文章から作れる生成AI -
第259回
AV
Apple Musicにほかのストリーミングサービスから移行するための機能か? -
第258回
AV
ハイエンドに絞ったヘッドホン試聴イベント、フジヤエービックが新たに開催 -
第257回
AV
Auracast初の実用製品が登場、大規模施設での応用も想定したAuri -
第256回
AV
WAVファイルに映像や照明の情報を書き込める、ヤマハの新技術「GPAP」とは? - この連載の一覧へ