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深夜でも家族に迷惑にならずにゲームしたい人にもピッタリの1台

Noctua製クーラー&ファンに遮音材、静音に徹底したゲーミングPC「Silent-Master NEO B550A」はBTOカスタムしても静かなまま!

2021年07月26日 17時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「Silent-Master NEO B550A」

 性能、デザイン、サイズ、価格など、BTOパソコンを買ううえでチェックしたいポイントはいくつもある。その中でも、こだわり派の人なら必ずチェックしたいのが、静音性だろう。

 しかし、静音性はほかのポイントのように製品情報から読み取れず、実物を試す以外、確実に確認する方法がない。参考になる騒音値が書かれている場合もあるが、どんな条件のものかわかりにくいものがほとんどだ。

 しかし、サイコムの静音パソコンとなる「Silent-Master NEO」シリーズは、詳細な騒音データを公開しているのが特徴だ。アイドル時だけでなく、高負荷時の騒音も検証し、標準的なタワー型静音パソコンと比較。どれだけの差があるのかがひと目でわかるようになっている。

このデータは最新構成ではないものの、基本的な静音パーツに変更はないため、静音性の傾向は同じ。アイドル時はもちろん高負荷時でも静かで、しかもCPU温度が低いというのが驚きだ

 今回試用したのは、「Silent-Master NEO B550A」をカスタマイズしたモデル。CPUにRyzen 9 5900X(12コア/24スレッド)、ビデオカードにGeForce RTX 3070を搭載したハイスペックモデルで、高画質設定のWQHD解像度で多くのゲームが快適に遊べるだけの実力を備えたBTOパソコンとなる。

 性能面は次回検証するとして、今回は静音パーツがどのように使われているのか、気になる内部をチェックしていこう。

Silent-Master NEO B550Aの主なスペック
標準スペック 試用機のスペック
CPU Ryzen 5 3600 Ryzen 9 5900X
CPUクーラー Noctua NH-U12S
マザーボード ASRock B550 Steel Legend
グラフィックス GeForce RTX 3060 GeForce RTX 3070
メモリー 8GB 32GB
ストレージ 480GB SSD(Crucial CT480BX500SSD1) 512GB SSD(Intel SSD 660p Series)
内蔵ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
OS Windows 10 Home(64bit)

ファンはすべて静音パソコン定番の「Noctua」製を採用

 側面からケース内部を見てみよう。まず気が付くのが、余計なケーブルがケース内にほとんど見当たらないこと。

ケーブルのほとんどは背面に逃がされ、必要最小限に抑えられているのがよくわかる。エアフローもバッチリだ

 Silent-Master NEO B550Aはガラスサイドパネルではなく、内部が見えない構成になっているのに、どうしてここまで内部をキレイに組み立てているかといえば、空気の流れ(エアフロー)を妨げないよう考えられているからだ。見えないからといって手を抜かない、サイコムらしい組み立てといえる。

 また、フロントファンをケースの中間に配置し、冷たい外気をビデオカード、CPUの双方へと送れるよう工夫してあるのも、地味ながら重要なポイントだ。

 CPUクーラーには、サイドフローの空冷CPUクーラーを採用。静音パソコンというと水冷クーラーという印象があるが、実は水冷クーラーは常に静かというわけではない。アイドル時でもポンプの音が出るほか、高負荷が続くとラジエーターから熱を逃がすため、ファンの回転数も上がるからだ。

 とはいえ、水冷の場合はファンが高回転になりにくく、高負荷時の最大騒音は小さめ。低~中負荷で長時間使うのであれば静音仕様の空冷クーラー、高負荷での利用が多いなら水冷クーラーが向いているといえる。

 Silent-Master NEO B550Aが採用する「Noctua NH-U12S」は、空冷CPUクーラーの中でも静音性に優れ、しかも冷却性能も高いモデルとなっている。これを採用することで、静かでも高性能CPUがしっかり冷やせるようになっている。

「Noctua NH-U12S」は、静音仕様でも冷却性能が高いことから人気のクーラー。背面ファンとほぼ直列に並べることで、熱を素早くケース外へと排出できる

 いくら静音パソコンといっても、ビデオカードは既製品を使うため、静音化が難しい。そこでSilent-Master NEO B550Aが採用しているのが、セミファンレスとなる製品だ。

 これは、高負荷時は性能をフルに発揮できるようファンが高回転になるものの、低負荷時はファンを止めて静音性を重視するという仕様のものだ。

GeForce RTX 3070を搭載したビデオカード。セミファンレス仕様となるため、低負荷時は非常に静か

 実は、カスタマイズで選べるビデオカードは、すべてセミファンレス、もしくはファンレス仕様。GeForce RTX 3070を超えるビデオカードは選べないものの、どれを選んでも騒音に悩まされないというメリットがある。

 フルHDでそこそこ遊べれば十分だと考えているなら、GeForce GTX 1660 SUPER搭載のビデオカードを選ぶのもありだし、AMDで固めたいと感が停るなら、Radeonシリーズを選ぶのもいいだろう。また、ゲームではなく動画や写真編集でのサポートに使いたいというなら、Quadroシリーズを選ぶというのも手だ。

 同じGPU搭載でも複数のモデルが選べるため、こだわった1台を手に入れたいと考えている人にピッタリといえるだろう。

騒音源を減らすだけでなく、外部へと漏らさないことでさらに静かに

 静音性という点では、ケースにCoolerMasterの「Silencio S600」を採用しているというのも見逃せない。このケースは一般的なミドルタワーケースに見えるが、随所に騒音を抑える工夫が凝らされているのが特徴だ。

 最近のBOTパソコンは、サイドパネルにガラスやアクリルの中が透けて見えるものを採用していることが多い。これは見た目には優れているのだが、内部の騒音が漏れやすく、せっかくほかの部分で対策しても、効果が弱まってしまうのが問題だった。

 Silencio S600にももちろんガラスパネルは用意されているのだが、Silent-Master NEO B550Aでは、あえてスチールパネルを選択。このスチールパネルは内側に遮音材が貼られており、内部騒音の低減させ、漏洩抑えるという効果がある。

内側に貼られた遮音材で、騒音の漏洩を抑えてくれるのがメリット。スチール製で重量があり、ビビリ音も防げる

 もう1つ工夫されているのが、フロントパネル部分だ。吸気口が必要となるため対策しづらい部分だが、フロントパネルに柔らかな緩衝材を入れることで、前面からの音漏れを減らしている。

 また、フロントパネルのサイドから吸気することで、正面へのダイレクトな騒音漏れを防いでいるというのも特徴だ。

フロントパネルもスチール製。内側に厚みのある緩衝材が貼られており、これの効果持って正面への音漏れが防げる

 ケースとしては、天板部分に通気性の高いダストフィルターを装着できるのだが、ここもあえて遮音カバーへと変更されている。

 これらの工夫によってケース内の騒音を漏れにくくし、同じCPUクーラーやビデオカードなどを採用したパソコンと比べても、静音性に優れたパソコンにしているわけだ。

高性能でも静かなPCが欲しいと考えているなら要チェック!

 静音パソコンのメリットはアイドル時には無音に近く、高負荷時でも騒音が小さいこと。昼間なら多少の騒音は目をつぶってもらえるが、夜、とくに深夜に使いたい場合、寝ている家族を起こしてしまう可能性がある。本人はヘッドフォンをしていれば気にならないかもしれないが、巻き込まれる身としてはたまったものではない。

 こういった迷惑を少しでも抑えたいと考えているなら、高性能と静音性を高度なレベルで実現しているサイコムSilent-Master NEO B550Aは、まさに待ち望んだBTOパソコンだといえるだろう。

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