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日本の夏、水冷の夏 PCの熱はXPGの水冷クーラー「LEVANTE 240」で冷やす! 性能も確認

文● 鈴木雅暢 編集● ASCII

提供: エイデータテクノロジージャパン

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PCの熱が気になる季節が到来! XPGの水冷クーラーで強化する

 今年もまた暑い夏がやってくる。夏と言えば、気になるのがPCの冷却。PCを構成する部品は総じて熱に弱く、冷却不足は部品寿命に大きく影響するだけに、しっかりと対策しておきたいところ。今回はXPGの水冷クーラーとケースファンで冷却強化を図った。

夏といえば、気になるのがPCの冷却。XPGのオールインワン水冷「XPG LEVANTE 240」を使ってPCの冷却を強化した

CPUに付属の純正クーラー!? 真夏にそんな装備で大丈夫か?

 今回のベースとなる構成は以下のとおり。PCケースにADATAのXPG INVADERを利用し、Ryzen 5 5600XとGeForce RTX 3060 Tiを中心に組んだシンプルなゲーミングPCだ。

CPUはゲーム適性の高さで今人気のRyzen 5 5600X。TDP65Wだが、6コア12スレッドで最大4.6GHzで動作するのでそれなりの発熱はある

 CPUクーラーには、CPU付属の純正品「Wraith Stealth」をそのまま使っている。メーカーが付属しているのだから一般的な利用法では当然ながら動作に問題はないはず。しかし純正クーラーはあまり放熱性能に余裕を持っていないので、過信は禁物と言える。

Ryzen 5 5600X付属の純正クーラー「Wraith Stealth」。アルミの簡素なヒートシンクにファンを取り付けたものだ

今回のベースシステムの環境
CPU AMD Ryzen 5 5600X
マザーボード MSI「MAG B550 TOMAHAWK」
メモリー XPG GAMMIX D20 DDR4(PC4-25600 8GB×2)
SSD XPG S50 lite 2TB
ビデオカード GIGABYTE GeForce RTX 3060 Ti GAMING OC PRO 8G
PCケース XPG INVADER
電源 XPG CORE Reactor 750W

アドレッサブルRGBで光る「XPG LEVANTE 240」

 さて、今回利用する水冷クーラーは「XPG LEVANTE 240」。240mmラジエータに12cmファンを2基搭載した水冷クーラーだ。水冷ヘッドと2基のファンは、XPGお得意のアドレッサブルRGBで光る。

XPG LEVANTE 240は、240mmラジエータを搭載する水冷クーラー。アドレッサブルRGBによる発光機能も備える

 冷却重視の360mmラジエータモデルの「XPG LEVANTE 360」もあるが、今回はシステムがミドルレンジであることやケースの大きさなどを考慮して扱いやすい240mmモデルを選んでいる。

240mmは扱いやすいサイズで、ケースとの干渉の心配も少ない。水冷は初めての人でも使いやすいだろう

 12cmファンの回転速度は可変で、600~2000rpm(±10%)。最大風量は61.5CFMとなっている。独自のユーティリティーなどは付属しておらず、マザーボード標準のファンコントロール機能で動作する。

 ASUSTeK/ASRock/GIGABYTE/MSIなどメジャーブランドのマザーボードのアドレッサブルRGB端子に接続すればマザーボードのユーティリティーから制御可能だ。今回はMSIのマザーボードを利用しているので、同社の「Mystic Light」で制御をしている。

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「XPG LEVANTE 240」の主なスペック
ファンスロット 120mm×2
ファンサイズ 120×120×25mm
ファン回転速度 600~2000rpm(PWM)
ファン風量 61.5CFM
ファン最大風圧 1.42 mmH2O
ノイズレベル 34.0dB
ウォーターブロックサイズ 86×72×36mm
ラジエータサイズ 272×121×27mm
対応CPU Intel:LGA1200/1366/115x/2066/2011
AMD:Socket AM4
保証期間 5年間

XPG INVADERとXPG LEVANTEの相性は最高で取り付けも容易

 純正CPUクーラーからLEVANTE 240への交換はこれが意外に簡単だった。というのもベースPCのPCケース「XPG INVADER」の構造によるところが大きい。

 両サイドパネルが手回しネジだけで独立して外れるうえ、マザーボード固定板に大きなメンテナンスホール(CPUクーラー交換作業のためのスペース)が用意されているので、純正クーラーを取り外して水冷ヘッドを装着する作業は、マザーボードを取り外す必要はなく、すんなりと完了する。

XPG INVADERでは水冷クーラーのラジエータをマザーボードの横に並べて設置できるので楽に作業できた

 ラジエータの固定もスムース。このXPG INVADERでは、ラジエータをマザーボードの横に並べるようにして固定できる(前面ファンを取り外して)ようになっており、この構造もとても作業がしやすかった。

 このように設置するとアドレッサブルRGBで光るファンが強化ガラス越しにばっちり見える。同一ブランドだけあって、XPG LEVANTEとXPG INVADERの相性は最高に良い。

アドレッサブルRGBのファンが本体のライティングと同期して光る。同一ブランドだけあって、XPG LEVANTEとXPG INVADERの相性は最高に良い

純正クーラーと比べるとCPU温度は20度もダウン!

 純正クーラーから水冷クーラー(LEVANTE 240)に交換するとどのくらい冷えるのか、交換前と交換後で温度の違いを見てみた。

 AIDA64 Extremeで10分間のストレステストを実施し、その間の温度推移を見た。室温は25度、PCケースのサイドカバーは閉じて測定している。

 結果は一目瞭然、純正クーラーではテスト実行後すぐに90度以上になり、最大では97度まで上昇したのに対し、LEVANTE 240への換装後は最大77度と20度の低下効果が見られた。

AIDA64 ExtremeのCPU/メモリストレステストのグラフ(純正CPUクーラー)

AIDA64 ExtremeのCPU/メモリストレステストのグラフ(XPG LEVANTE 240換装後)

 ただ、SSDの最大温度は44度から54.6度に、GPUも最大39度から40度へとごくわずかだが上昇している。純正クーラーはファンのエアフローが周囲に拡散するよう設計されており、特にSSDはCPU直下にあり、標準では純正クーラーからのエアフローがしっかり当たる位置にあることも影響したかもしれない。

ケースファン増強でPCシステム全体のエアフローを強化する!

 PCシステムの中には、CPUやGPUのようにアクティブなファンを搭載しているパーツのほかにも、マザーボードのVRM、チップセット、SSDなど、それなりに熱源となっているパーツ、部品がある。

 これらはCPUやGPUほど発熱が深刻ではないのでファンを搭載するまでには至っていないものの、発熱が高くなるとサーマルスロットリングによる性能低下が起きる可能性があるし、できるだけ低い温度を保っていたほうが、製品寿命的にもいい。

 こうしたパーツも含めて温度を低く保つには、システム全体のエアフローを強化するのが効果的だ。というわけで、今回はXPGの強力なPCケースファン「XPG VENTO PRO 120 PWM」を3基用意。標準のファンと付け替えて吸気を強化した。

システム全体のエアフロー向上には、ケースファンの増強が効果的だ。今回は前面の標準ファンを高級ケースファン「XPG VENTO PRO 120 PWM」×3に交換する

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Nidecとコラボしたプロ仕様のケースファン
「XPG VENTO PRO 120 PWM」

 XPG VENTO PRO 120 PWMは、日本電産(Nidec)とのコラボレーションによって開発された「プロ仕様」モデルだけあって、非常に強力だ。XPG INVADERに標準で1個付属するファン(XPG VENTO 120)とスペックを比べると、最大風量は約1.6倍、最大風圧(静圧)にいたっては、約4.6倍も高い。

高級感がある外観。フレームには共振防止用ラバーが張られており、120mm角のファンとしては重さもある(120g)

高精度デュアルベアリングを採用しており、静音性、耐久性ともに優れる

XPG INVADERにはXPG VENTO 120が標準で1つ搭載されいてるが、これをXPG VENTO PRO 120×3にアップグレードした

 エアフロー強化にはこの静圧が効果的とされているだけに期待できる仕様だ。独自のファンブレードデザインと高精度デュアルベアリングの採用により、静音性、耐久性ともに優れる。

  XPG VENTO PRO 120 PWM XPG VENTO 120
サイズ 120×120×25mm 120×120×25mm
ベアリングタイプ デュアルベアリング ライフルベアリング
コネクター 4ピン 3ピン
回転速度 900~2150rpm
450~2150rpm
1200rpm
最大風量 75CFM 45.3CFM
最大風圧 3.15mmH2O 0.68mmH2O
ノイズレベル 10~28dB 23dB
平均故障寿命 6万時間(60度)、25万時間(25度) 6万時間
保証期間 5年間 2年間
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