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3D格闘の金字塔は復活したのか?

話題の3D格闘ゲーム『Virtua Fighter esports』はシンプルで奥深いな読み合いによる緊張感が味わえる!

2021年06月10日 17時00分更新

文● KAMEX 編集●八尋/ASCII

『Virtua Fighter esports』

 6月1日に、セガからPlayStation 4専用ソフト『Virtua Fighter esports』が発売された。(以下、VFes)ジャンルはもちろん3D格闘ゲームで、ダウンロード専用タイトルとなっている。発売当初からPS Plusフリープレイで配信されており、PS Plus加入者は2021年6月1日~2021年8月2日の期間、無料で入手できる。

 本作は2010年アーケードで稼働した『バーチャファイター5』の最終調整版『バーチャファイター5 ファイナルショーダウン(以下、VF5FS)』をベースに、同社の『龍が如く』シリーズなどで使用されているゲームエンジン「ドラゴンエンジン」によって再構成された作品。

 『バーチャファイターシリーズ』としては実に11年ぶりの新作ということになる。キャラクターやステージのグラフィックが一新され、最新の表現がなされている。また「esports」の名を冠している通り、大会機能に関してほかの格闘ゲームと比べても細かい設定が可能なのも特徴だ。

 本記事では、昔から格闘ゲームシーンを追い続けてきたものの、3D格闘ゲームでは対戦プレイヤーにはならなかった筆者の視点から、リメイク元である『VF5FS』の再評価も含めたレビューをお届けしたい。

シンプルにして奥深い読み合い。すぐに味わえる「勝負感」

 本作のゲーム部分は完全に『VF5FS』のものとなっており、操作やコンボなどの情報は『VF5FS』のものが完全に転用できる。今のところ『VF5FS』で出来ていた行動が『VFes』で出来なくなったという情報はない。つまり、完全移植といっていいのではないだろうか。『バーチャファイター5』から4年間調整を経て『ファイナルショーダウン』になっているということもあり、非常に洗練されている印象を受ける。

 実際にプレイを始めてみると、「シンプルだが大味ではない」というのが最初の感想だった。アッパーや膝蹴りなど、咆哮と共に放たれる大振りな一撃はヒットすると「ガキーン!」と派手なSEが鳴り、これがとても気持ちよく、相応の大ダメージが与えられる。一方でしゃがみパンチや投げといった未経験者にも分かりやすい「強いムーブ」も存在感を放っている。ガチャガチャとキャラクターを動かす楽しみがあり、そして初心者同士で対戦するときに緊張感を味わいやすい土台があるゲームだと感じた。

強い行動がすぐに真似できることは、対戦ゲームで重要

 ただし、歴代でありがちなしゃがみパンチを連発されたときの焦燥感とは、今後ずっと付き合っていくことになるだろう。焦って半端な反撃を出せば延々としゃがみパンチを食らうこととなる。対戦をつまらなくする要素では断じてないが、手軽かつ強い攻撃手段として、しゃがみパンチは上級者の戦いにも存在し続ける。

 これは、プレイヤーが何の説明も受けずに攻略のステップアップが出来たということだ。こういう「ステップアップの積み重ね」がゲーム体験を面白くし、プレイの継続につながるはずだ。「楽しく強くなっていける仕組み」だと感じた。

攻防が瞬時に入れ替わる対戦は夢中になる

 格闘ゲームでは、攻撃のヒットやガード、敵のダウンにともない、有利なプレイヤーが入れ替わっている。この「有利」とは「先に動ける」ということ。先に動くことができれば、敵と同じ速さで攻撃を出した時に一方的に勝つことができる。リアルタイムな対戦なので、もちろん反撃行動は可能だが「有利な方のターン」であることは揺らがない。

 『VFes』ではこの「ターン」の入れ替わりが実に速い。牽制をガードさせて、それをキャンセルした攻撃でさらにターンを継続して……というような2D格闘の立ち回りに慣れ親しんだ筆者からすると、まるで別世界の速さだと感じた。

 自分のミドルキックを一発ガードされただけで、相手にターンが移っている。そこで強気に打撃を続けて暴れるのか、妥当にガード側に回るのか。いやしかし、ガードしていたら投げられてしまうかもしれない……。そんな心理戦が圧倒的な速さと回数で繰り広げられている。

 これにより、2D格闘とは明らかに違う何度も繰り返し遊ぶ中毒性がある。ダウンさせた相手に対する「起き攻め」も存在するが、起き上がり中に出すことができる「起き蹴り」が強いため、ダウン後は仕切り直しになりやすい。これもやはり「早くターンを入れ替える」ことを意図した本作の趣向を感じる。

対戦中に距離が離れづらい調整が、本作の楽しさを加速させていると感じた

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