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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第714回

ソニー「αシリーズ」の猫瞳AFを搭載した「Xperia 1 III」で寺猫を撮る!

2021年05月25日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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お堂の廻縁で雨宿りしてる4匹の猫たち。雨が上がってもくつろいでたので少し遠くから70mm相当で。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 リアルタイム猫瞳AF対応のスマホ! といえばソニーのXperia 1シリーズなのだが、その最新モデル「Xperia 1 III」(2021年7月発売予定)を一足先に使わせてもらえたのである。これで猫を撮りに行くぞ! と意気込んだのはいいが、いかんせん天気が悪い。カラっと晴れる日がなく、どんよりしてたり雨が降ったりの5月下旬だったのだ。

 そんなときはどうすればいいか。

 雨交じりの曇天の日には、雨交じりの曇天じゃないと撮れない写真ってものがある。晴れた日には撮れない写真を撮れる、それは素晴らしいことなのだ。というわけで、ちょいと用事があって出かけた先の近くに猫がいるお寺があったのでXperia 1 IIIを手に覗いてみたのが今回。

スリムでカッコいいXperia 1 III。カメラは3つだが、望遠カメラは70mm相当と105mm相当の切替式なので実質4眼。写真は純正のケースに収まった状態だ(これが使いやすくてオススメ)

 そっと境内に入ってみると、お堂の廻縁で猫たちが雨宿りするかのように固まってたのだ。これがまたいい感じなのである。

 冒頭写真がそれ。猫が4匹雨に濡れない場所を選んでくつろいでる。その撮影シーンも撮ってみた。顔が見えなくてもちゃんと猫を認識してる。

 ポイントは左端にある「16mmから105mm」の数字。Xperia 1 IIIは望遠が強くなり、最高で35mm判換算の105mm相当まで行けるのだ。猫を撮るには最高である。

撮影シーン(右手でXperia 1 IIIを持ち、左手にデジカメを持って撮影した)。顔が見えてなくてもちゃんと猫を認識してる

 さらに猫が遠くにいたら、105mmで。より望遠に強くなったのがXperia 1 IIIの特徴だ。

ちょっと離れた位置にいたので105mm相当に切り替えて。この距離でもちゃんと猫目を認識してくれから撮りやすい。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 逆に猫が近くにいるときは広角で。広角の時は遠近が強めに出るので、それを活かした構図がオススメ。正面から撮るより、少し下、あるいは上から撮ってパースをキレイに出すのだ。これは少し上から撮った例。

縁の下で「雨は上がったかなあ」とチェックしてる(かどうかは知らんけど)キジトラ。丸太にいるのがよくわかるアングルで。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 で、Xperia 1 IIIといえばリアルタイム猫瞳AFとPhotography Proのハイエンドデジカメっぽい操作パネルである。簡単にいえば、ISO感度とかシャッタースピードとかその他モロモロをささっとセッティングできるのだ。今回はそれを駆使してみた。

 以前、室内で猫を撮るときは猫がブレないようシャッタースピードを速めにセットするのが基本、って書いたけど、今回はその真逆をやる。

 Xperia 1 IIIは高性能とはいえスマートフォンなので高感度に弱い。特に曇天の軒下なんて暗いのでオートで撮るとぐぐっと感度が上がっちゃう。画質を重視するならISO感度は上げたくない。幸いなことに今日の猫たちはみなまったり雨宿りモードなので基本じっとしてる。であればシャッタースピードは手ブレしないギリギリに抑えて(幸い、光学式手ブレ補正を持ってるし)ISO感度を抑えるのだ。

 手ブレが不安なら連写しておいてあとからブレてないカットを選べばOK。というわけで、ISO感度を抑えて撮ってみたのがこんな感じ。

プログラムオートでISO100にして-0.7の露出補正をかけて連写モードにして猫瞳AFしたの図。シャッタースピードは1/25秒だがブレないように撮る

ちょこんと座ってたキジトラを70mm相当で。暗くてもISO感度を抑えればそれなりの画質で撮れるのだ。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 かくして、晴れた日は境内のいろんなとこにバラけてる猫たちが、雨交じりになると屋根のあるお堂のあたりに集まってくれて、お寺猫ならではの写真が撮れて良かったりするのだ。高欄に器用にのっかってるキジトラとか。

高いところにちょこんとのっかってるときは下からとって高さを強調。70mm相当でしゃがんで撮影。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 縁の隅っこでくつろいでるミケ風とか。

隅っこにいたのをそっと撮影。よい表情をしてくれた。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 最後は同じく隅っこで落ち着いてたチャトラ。

高欄の隙間からXperia 1 IIIを差し入れて撮ってみた。2021年5月 ソニー Xperia 1 III

 そんなわけで、Xperia 1 IIIは猫瞳AFがあるから撮ってて楽しいし、必要に応じてさっと設定も変えられるし、望遠にも強いし、意外にスリムで薄いので「あ、猫だ」と思ったらすぐポケットから出して構えられるし、小さいので猫にも警戒されづらいしで、毎日持ち歩きたくなる端末なのだった。

 前回のGALAXY S21 Ultra 5Gといい、今回のXperia 1 IIIといい、猫撮り用スマホ(そんなジャンルはないけど)も充実してきてなによりですな。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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