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“月額利用料0円”が売りのネットワーク一元管理サービス、対応スイッチ/APも徐々に拡大

TP-Link、Interopでクラウド管理ソリューション「Omada SDN Solution」を紹介

2021年04月19日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 2021年4月14日に開幕した「Interop Tokyo 2021」において、ティーピーリンクジャパン(TP-Link)のクラウド管理型ビジネスネットワークソリューション「Omada SDN Solution」が、「Interop Best of Show Award(エンタープライズIT部門)」の審査員特別賞を受賞した。

 Omada SDN Solutionは、“月額利用料0円”で同社の無線LANアクセスポイントやPoEスイッチ、VPNルーターを集中管理できるクラウドソリューションだ。一般的なオフィスや宿泊施設だけでなく、物流倉庫や観光施設、学生寮、自治体の運営するキャンプ場など、屋内/屋外問わず幅広く導入が進んでいるという。InteropのTP-Linkブースでこのソリューションについて聞いてみた。

「Interop Tokyo 2021」のTP-Linkブース

オフィスだけでなくホテル、マンション、倉庫、キャンプ場と幅広い導入事例

 Omada SDN Solutionは、TP-Linkの法人向けVPNルーターやPoEスイッチ、無線LANアクセスポイントが設置されたローカルネットワーク内に、ハードウェアコントローラーの「OC200」または「OC300」を設置することで利用可能になるソリューションだ。小型のOC200は100デバイス/1000クライアントまで、中型のOC300は500デバイス/1万5000クライアントまでコントロールすることができる。

 近年ではさまざまなネットワーク製品ベンダーから同様のクラウド管理型ソリューションが登場しているが、Omadaの大きな特徴は管理サービス利用料を「無料」に設定していることだ。ハードウェアコントローラーを購入すれば、追加費用なしでクラウド管理ができる。こうした“買い切り”型ライセンスは、月額払いなどの継続的な予算取りが難しい自治体などでは特に喜ばれるポイントだという。

Omada SDN Solutionの概要(同社パンフレットより)。Omadaハードウェアコントローラーを介して、ネットワークのデバイスの一元監視/管理を可能にする

Omada SDN Solutionのハードウェアコントローラー「OC300」

 クラウド経由でネットワークの状況を把握し、一元管理できることから、チェーン展開するビジネスホテルやマンションの管理者、あるいは営業範囲の広い地方のSIerなどから好評を得ているという。障害発生時に、現場まで足を運ばなくても状況を把握することができ、機器のリブートといった初期対応が可能なため、ネットワーク管理業務の効率が向上する。

モバイルデバイスからもネットワークの稼働状態が可視化できる

 現在Omadaに対応する法人向けネットワーク機器は、アクセスポイントが屋内外兼用モデルを含め5モデル、スイッチがフル10GやPoE対応含め17モデル、VPNルーターが2モデルと幅広い。これらを活用してユニークな使い方もなされているという。

 「たとえば古い物流倉庫全体にネットワークを敷設したいが、Ethernetケーブルは敷設していない。そこでメッシュWi-Fi対応の『EAP225-Outdoor』を13基設置して倉庫全体をカバーし、倉庫の最新化を図った。また地方のキャンプ場では管理棟と各コテージが離れているため、管理棟を起点としてメッシュWi-Fiでコテージをカバーしている」(TP-Link担当者)

 そのほか、マンション全戸へのインターネット敷設などでも活用されているという。「TP-Linkはデバイスが安価なので、『こういう使い方はできないか』と試していただきやすい点もポイント」(担当者)。

観光施設での導入事例(同社パンフレットより)。有線接続とメッシュ接続を駆使して屋内/屋外(屋上)をカバー。ネットワークカメラや券売機、入場ゲートなどもネットワーク化

 なお、引き続きオンライン開催中のInterop Tokyo同社ページでは、Omada SDN SolutionやWi-Fi 6対応アクセスポイント「EAP660 HD」などが紹介されている。

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