キヤノンMJ、「添付ファイルZIP暗号化」問題への代替手段を開発中

文●ASCII

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 キヤノンマーケティングジャパンは4月15日「添付ファイルのZIP暗号化(PPAP)問題の見解と代替手段のご提案」と題した発表を行なった。

 添付ファイルのZIP暗号化(PPAP)は、2020年11月に平井デジタル担当相が霞が関での利用を廃止すると会見したことで注目を集めたが、メール送受信者の手間やセキュリティー上のリスクがあることが問題視されている一方で、手軽に導入できる「誤送信対策」として、日本国内で多くの企業・団体が採用している。

 同社のクラウド型メール情報漏えい対策サービス「GUARDIANWALL Mailセキュリティ・クラウド」においても長年にわたって自動ZIP暗号化機能を提供していることから、政府の会見後に多くの問い合わせがあったという。

 同社ではZIP暗号化に対する見解として、パスワードを送る際の確認プロセスが誤送信対策として機能するとしつつも、パスワードを同一経路で送ることが盗み見対策として意味のないことや、異なる経路でパスワードを送ると行った代替手段は利用者に負担をかける可能性があることなどを認識。

 これを受け、同社ではGUARDIANWALL Mailセキュリティ・クラウドにて、添付ファイルZIP暗号化の代替となる既存サービスの機能拡張および新サービスを開発し、今秋までに提供を開始する予定という。メール送信時に添付ファイルを自動的にサーバーへアップロードし、受信者がファイルをダウンロードできるURLをメール本文に自動挿入する「添付ファイルダウンロードリンク化機能」を予定している。さらに、ユーザーの運用にあわせて添付ファイルのZIP暗号化もしくはダウンロードリンク化を自由に選べるよう、機能を拡張するとしている。

 また、新サービスとして「Outbound Security for Microsoft 365」をリリースする。メールの誤送信対策を手軽に簡単に実現できるMicrosoft 365向けの新たなクラウドサービスで、メールの送信前チェックと添付ファイルのダウンロードリンク化の2つの機能で安全なメール送信環境を提供。現在無償のサービスモニターを募集中。モニター利用者の声を製品機能に反映させたうえで正式リリースするという。