ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第610回
Ice Lake-SPが発表、前世代より大幅に性能が向上したというが…… インテル CPUロードマップ
2021年04月12日 12時00分更新
CPUロードマップと言いつつ、相変わらずGPUの話も入っているが、まぁそれはそれとして、インテルCPUに動きがあったのでロードマップを更新しよう。
Xe-HPGはただの宝探しゲームでした
まず連載607回の最後で触れたXe HPGの話だ。その後、https://xehpg.intel.com/のページは“Secret Codeを入力しろ”に変わった。で、再びその動画に戻るわけだが、開始5秒付近と17秒付近にそれぞれ謎の座標が記されているのがわかる。
それを、Google Mapで調べると“Niagara Falls”(ナイアガラの滝)であった。これがSecret Codeだった模様だ。ただすでにこのSecret Codeを入力できる期間は過ぎている(4月9日に終了)。Secret Codeを正しく入力した人を対象に抽選が行なわれ、当選者にはIntel Software Advantage Program Game Bundleで提供される17種類のゲームの中から3種類のゲーム(合計200ドル相当)を獲得できるというもので、おまけに対象者は米国・カナダ・英国の3ヵ国のみであった。
というわけで、見事な肩透かしに終わった格好だ。ちなみにまだ続きはあるようだが、具体的なスケジュールなどは公開されていない(“coming soon”だそうで)。逆に言えば、まだ当分Xe HPGは登場しないということになる。
Ice Lake-SPがやっと発売
3月22日に“How wonderful Gets Done 2020”と呼ばれるイベントが予告され、これが4月7日に開催され、同日国内でも説明会があった。ここで、やっとIce Lake-SPベースの第3世代Xeon Scalableが公式に発売されたことになる。
もともと2018年頃のロードマップで言えば、2018年中にCascade Lakeが、2019年にCooper Lakeが、2020年にIce LakeがそれぞれXeon向けに投入されるはずであった。ちなみにこのCooper LakeとIce Lakeでは共通のプラットフォームを採用する予定になっていた。
これが翌年どうなったか? というのが下の画像で、そもそもCascade Lakeの投入が遅延。またCooper Lakeも後送りになり、2020年は4/8ソケット向けがCooper Lake、1/2ソケット向けがIce Lakeに変更になっている。ただこの時点でもまだ、Ice Lakeは2020年前半中に量産出荷を予定していた。
これが2020年の8月になると、2020年中にまで後退。そして2020年10月にはこれが2021年第1四半期に後退したという話は連載586回で触れた通り。
この時には「出荷時期はRocket Lakeと同じころではないのか?」と予想したが、実際には第1四半期を過ぎて第2四半期に入って、やっと量産出荷を開始した格好だ。当初(どこを“当初”の起点にするかは議論がありそうだが)の予定からすると1年弱遅延した格好である。それでも無事に発売にこぎつけたのだから、まずはなによりである。
この連載の記事
-
第768回
PC
AIアクセラレーター「Gaudi 3」の性能は前世代の2~4倍 インテル CPUロードマップ -
第767回
PC
Lunar LakeはWindows 12の要件である40TOPSを超えるNPU性能 インテル CPUロードマップ -
第766回
デジタル
Instinct MI300のI/OダイはXCDとCCDのどちらにも搭載できる驚きの構造 AMD GPUロードマップ -
第765回
PC
GB200 Grace Blackwell SuperchipのTDPは1200W NVIDIA GPUロードマップ -
第764回
PC
B100は1ダイあたりの性能がH100を下回るがAI性能はH100の5倍 NVIDIA GPUロードマップ -
第763回
PC
FDD/HDDをつなぐため急速に普及したSASI 消え去ったI/F史 -
第762回
PC
測定器やFDDなどどんな機器も接続できたGPIB 消え去ったI/F史 -
第761回
PC
Intel 14Aの量産は2年遅れの2028年? 半導体生産2位を目指すインテル インテル CPUロードマップ -
第760回
PC
14nmを再構築したIntel 12が2027年に登場すればおもしろいことになりそう インテル CPUロードマップ -
第759回
PC
プリンター接続で業界標準になったセントロニクスI/F 消え去ったI/F史 -
第758回
PC
モデムをつなぐのに必要だったRS-232-CというシリアルI/F 消え去ったI/F史 - この連載の一覧へ