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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第101回

世界に1台しかない!? 小さなボディーに大きな魅力 「MGB」ル・マン仕様のレプリカに乗った

2021年04月11日 15時00分更新

文● 矢田部明子 写真●吉野健一 編集●ASCII

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 クルマ好きアラサー女子の矢田部明子です。今回は、世界に1台しかない車と言われる、ル・マン24時間耐久レースで活躍したMGBル・マン仕様のレプリカ「MGB Le Mans 2021」に試乗してきました。希少なクルマに乗ることができるということで、前の日はドキドキ&ワクワクしてしまい寝不足気味……(笑)。

 とはいえ、私が産まれる何十年も前にル・マン24時間レースに参戦したというMGBをしっかりレポートしていきます!

MGBってどんなクルマ?

 イギリスを代表とするスポーツカーブランド「MG」から発売されたライトウェイトスポーツで、1962年に発表され、1980年までの18年間で52万台が製造されています。1963~65年の3年間、ル・マン24時間レースに空気力学的に強化されたフロントノーズを持つMGBで参戦し、1965年はラリーレジェンドドライバーのパディ・ホプ・カークとアンドリュー・ヘッジスの2人が総合11位でフィニッシュ、GTクラスで2位入賞という結果を残しました。

世界に一台の車って、どういうこと?

 それではここからはMGBの特徴を写真で説明していきます。

MGB ル・マン仕様レプリカ「MGB Le Mans 2021」は、MGB マークⅡをベースにボディーや塗装などすべて手作りし、ワンオフモデルとして制作されました

写真を見ながら設計図を引き、55年の時を経て製作されたのです。特徴的なフロントノーズは鉄板をハンマーのみで叩き出し、ライトカバーはアクリルに熱を加えてミリ単位で成形しながら作られました

内装も同様に、同じ物は二度とできません。そういった意味で「世界に一台の車」というわけです

 では、外装を見ていきましょう。

ライトをアクリルのカバーで覆っているのは、空気抵抗を少しでもなくすため。また、レース中に飛び石でライトが割れないようにしています

ライトの下についているのは、スポットライト。ル・マン24時間レースは昼夜問わず走るため、夜道を明るく照らすためのライトです

ボンネットを開けるときは、このベルトを外します。ちなみに、実際のレース仕様ではベルトはついていません。レプリカということでオリジナルの部分があってもいいんじゃないか? と思い取り付けたそうです

エンジンは、ヘッドの面研、ハイプレッションのピストンを入れてコンプレッションを上げ、ビックバルブを組み、エキゾーストを交換し効率を上げています

レース用のウェーバーのキャブレター(40パイ)を使用しています。空気を吸うときの、ブオオオオオンっという音に酔いしれる人は多いはず

スポークホイールはオリジナルデザイン。馬車のタイヤがデザインモチーフにされています

ボンネットからニョキっと生えたサイドミラー。凸レンズを使用することにより、広範囲が見えるようになっています

 私は、運転席の横にサイドミラーが付いている車にしか乗った事がなかったのですが、ボンネット部分にサイドミラーが付いていると目線の移動が少なくて運転しやすかったです。

サイドから見ると車高が低く、曲線を描くデザインが際立ちます。空気抵抗を減らし、一秒でも早く走ることを追及した結果、このフォルムになったのだとか

トランクを開けると、ガソリンタンクから給油口が生えてます(笑)。スペアタイヤもしっかり積載されています

 続いて内装を見ていきましょう。

ハンドルは木目が美しいウッドステアリング。細身で、手の小さい私には握りやすかったです!(女性用の手袋、Sサイズでも若干大きい)

 ロールバーをいれることでボディー剛性が高くなり、安定して走れるようになります。

 試乗した感想は、何もかも規格外!この一言につきます(笑)。まず驚いたのは、キャブレターの音です。エンジンをかけると「ブァンッ」という爆音が。アクセルを踏むたびに唸る唸る! アクセルレスポンスは◎で、踏むと素直に応えてくれます。

 車内でかなり大きな声を出しても聞こえないので、話すことを諦め車が止まってから話しかけよう思った程です。静かな車内最高! という車ばかり乗ってきたせいか一番驚いたポイントでした。パワステがないので重ステにも手こずりました。走りだし&カーブを曲がるときのハンドルの重さは、握力が弱い私にはかなり辛かったです。

 現代の車を運転するように曲がると、ハンドルが回らないんです。教えてもらったのは、手をハンドルの真上に持っていき曲がりたい方向に思い切り引っ張るという方法です。ハンドルを握って回すというよりも ハンドルを思い切り引っ張るというイメージです。パワステの付いていない車に乗るときはぜひ試してほしいです。

 ハンドルを握って気づいたのは、路面の感触がハンドルにダイレクトに伝わってくることです。これによって、路面の状況を確認できるのです。ル・マン24時間レースをMGBで挑んだレーサーは、細かい路面状況を感じながら車に負担の少ないラインを選んで走ったのだと思います。

 また、乗り心地はサスペンションが固いため突き上げ感があります。50km/hで走行しながら減速帯を越える時は車内でピョンピョンと跳ねてしまうくらい振動が……。ただ、速度が上がるにつれ振動の突き上げ感が弱くなっていきます。速度とともに突き上げ感が変わるというのは、今までにない経験で面白かったです。

 ちなみに、このMGB Le Mans 2021ですが1500万と高額にもかかわらず販売済ということです。購入された方は、現代の車では見ることのできないデザインや走りなど、MGBでしか味わえない楽しみに惹かれたそうです。愛車として迎え入れると、色んな意味で我慢をしなければいけないこともあるかもしれませんが、世界に1台の車に乗るという贅沢な時間を過ごすことを選択したのでしょうね。

 「MGB」試乗記はYouTube「矢田部明子のガレージライフ」でも公開していますので、よろしければご覧ください。ドローンを使った圧巻の走行シーンをご覧ください!

筆者紹介:矢田部明子

 中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!

 クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。

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