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山根博士の海外モバイル通信 第542回

ノキアのカラフルなBudsを発見! 1年ぶりのIT展示会取材はやっぱり楽しい

2021年04月12日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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IT系展示会を久しぶりに取材してみた

 新型コロナウイルスの影響で、世界各国で開催されていた展示会はほとんどがオンライン開催となってしまいました。そもそも他国への渡航が大きく制限されている今、たとえ現地の展示会場でリアルイベントがあっても訪問して取材することはできません。筆者も最後に取材した海外展示会は2020年1月のCES2020が最後。それからもう1年以上も展示会取材に行っていません。

 しかし、筆者が居住する香港には大型展示会場が2つあり、今年に入ってから少しずつ大型展示会も行なわれるようになりました。4月2~5日の間には「e-Expo&Auto HK」が開催。IT関連の展示会ということで、久しぶりに取材してみました。

e-Expo & Auto HKの会場

 ちなみに、香港では「LeaveSafeHome」というQRコードによる新型コロナウイルス接触確認アプリが利用されています。日本のCOCOAとは若干異なり、レストランや大型施設に入るときに自分でQRコードを読み取り「入場」、出るときに「出場」を押して店舗への滞在を記録します。もしも感染者が出た場合、その感染者が過去14日間に滞在したお店の同じ時間に自分も滞在していた場合、アプリが通知してくれるというものです。

展示会場に入るにはLeaveSafeHomeアプリの利用が必要

 e-Expo & Auto HKは主に香港の企業によるIT製品や自動車製品の展示と即売会です。グローバル展示会ではなくローカルなイベントであり、毎年この時期に開催されています。国際的なメジャーメーカーの出展があるわけではありませんが、最新のIT関連製品を見つけることもできます。そして販売もしているのでその場で気に入ったものを買うこともできるのです。とはいえスマートフォンの展示はなく、モバイル端末では電子ペーパーディスプレーの電子ブックリーダーが出展されている程度でした。

唯一のモバイル端末の展示ブース。電子ブックリーダーを販売

 IT製品の展示で目立っていたのはアクセサリー類です。Momaxなど海外で製品を販売している企業から、香港地場の小売店まで様々な企業が出展していました。また「深セン直送」と、中国で売られている製品を販売している会社もありました。中国への行き来も自由にしにくいだけに、中国で作られた最新アクセサリーが入手できるのはうれしいものです。

アクセサリー関係の展示・販売の出展が多い

 Buds系の小型Bluetoothヘッドセットがここ最近は流行していますが、ノキアブランドのヘッドセットを発見。カラフルな本体カラーで、こんな製品が出ているとは知らなかったのですが、出てきたばかりの新製品とのこと。価格は199香港ドル、約2800円と安く、1つ買っておくべきでした。この手のものはたいてい「後でまたこのブースを訪れて、その時に買おう」と思いつつ、結局買いそびれてしまうものです。

ノキアのカラフルなヘッドセットを発見

 スマートフォンやケーブル、モバイルバッテリーなどを入れるポーチもいろいろなものが売られていました。深センや広州など広東省にはバッグを作る工場も数多くあるため、香港の展示会では最新のバッグを見ることもできます。こちらの製品はごくごく普通のポーチサイズのバッグに見えますね。

小型のポーチサイズのバッグ

 中を開けてみると紫外線ライトが備え付けられており、内部は反射する素材になっています。モバイルバッテリーをつないで紫外線ライトを点灯し、数分間でウィルスを殺菌できるそうです。この時代ならではの新製品と言えるでしょう。

紫外線の殺菌ライトを備える。内部は光が反射する素材になっている

 ほかに目立っていたのは通信キャリアの出展です。この展示会は香港のイースター休暇(2021年は5連休)に合わせて開催されましたが、連休とはいえ海外旅行には行けません。そのため展示会には例年より多くの来場者が押しかけていたのです。各キャリアはそんな香港人に狙いを定め、ここぞとばかりにキャンペーンを用意して他社からのMNP移転を呼びかけていました。

香港キャリアの出展。料金無料期間延長や商品券進呈などのキャンペーンが行なわれた

 さて自動車関係の展示もあるはずなのですが、それらしきものはほとんど見かけませんでした。香港のミニチュアグッズを作っているTINY社のブースが大盛況でしたが、もしかしたらこれが自動車関連製品なのでしょうか。というのもTINYのメイン商品は香港の2階建てバスやタクシー、宅配トラックなどのミニカー。自動車と言えば自動車ですね。

TINYは数々のミニカーを出している。これは香港を走っているミニバス

 同社は香港の建物の模型なども出しており、製品を集めると香港の街並みを再現することができます。そのため若者だけじゃなく、お年寄りなど年配者が訪れ「あのバスは無いの?」なんて質問をスタッフにしている姿もありました。

TINYブースには老若男女、あらゆる世代の香港人が集まる

 TINYは今回の展示会に合わせて新製品も投入しました。「三門巨龍」と呼ばれる昔の2階建てバスの模型をリリース。それに合わせてバスの実車も展示、気合が入っています。

三門巨龍バスの実車。香港人にとっては懐かしいバスのようだ

 筆者は缶詰に入った香港トラムの模型を買おうと思いましたが、一度買うときりがないので止めておきました。これも今回の新製品で、缶詰は本当の缶詰を模したもののよう。なぜこんな製品があるかというと、実際に走っていたトラムにこの缶詰の広告が出ていたのです。

買ってしまうと「沼」にはまるので買わなかったトラムの模型

 これらの展示を見た後は、併設されていた「美食フェア」のコーナーに立ち寄り、香港ローカルフーズや日本、台湾、韓国、ヨーロッパなどから輸入された食品を物色。2時間半ほど歩き回り回ると足が疲れてしまって、休憩せざるを得ませんでした。

美食フェアにはおいしいものがたくさん

 久しぶりの展示会取材だったので身体が鈍ってしまい、体力もかなり落ちていることに気づかされました。今年6月にはバルセロナで「MWC Barcelona 2021」が開催される予定です。はたして現地に渡航できるのかどうかわかりませんが、今の体力では以前のようにがっつりと取材できるかどうかわかりません。4月、5月は香港でIT系の展示会があれば積極的に取材して、身体を慣らしていこうと思っています。

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