このページの本文へ

ぽっこりお腹に効くのは「腹筋」ではなく「尻筋トレ」だった!

2021年04月07日 06時00分更新

文● 弘田雄士(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ぽっこりお腹をなんとかしたいから腹筋!の大間違い。お腹を引っ込めるのにお腹から鍛えるのは非効率的(写真はイメージです) Photo:PIXTA

家で過ごす時間が増えた今、自宅で筋トレに励む“宅トレ”をする人が増えているといいます。筋トレというと、上半身を鍛える腹筋や腕立て伏せなどから始める人が多いのですが、実は最速で全身の効果を実感しやすいのが「お尻」の筋肉を鍛えること。「お尻」を鍛えることは、バランスの良い体型をつくるだけでなく、集中力や決断力アップといった内面にも大きな変化をもたらすといいます。そこで今回は、これまで数多くのトップアスリートをサポートしてきたスポーツトレーナー・弘田雄士さんの著書『最速で体が変わる「尻」筋トレ』(青春出版社)から、効果が出やすい筋トレのアプローチについて解説します。

トップアスリートに共通する「省エネ」な筋トレ

 多くの感動を与えてくれるアスリートたちをフィールドやグラウンドで実際に目の当たりにすると、皆たくましく雄々しい。トップアスリートはさぞストイックに、ものすごい量の筋トレを行っているんだろうなぁ……。そんなイメージを持っていませんか?

 ところが現実は違うんです。一流のアスリートほど、実はものすごく「省エネ」な筋トレをします。これは私が関わってきたトップアスリートたちの共通事項です。

 彼らは一様に、パフォーマンスを上げるために必要な技術トレーニングと、そのベースとなる筋トレに割く時間や労力を、絶妙なバランスで調整していたのです。

 競技練習に多くの時間を費やすスポーツの中でも、特に野球やラグビーといった球技スポーツを専門としたアスリートたちは、技術習得のために圧倒的な時間を投資します。有限である時間をどんな配分で活用するか、そのバランス感覚こそが一流と二流を分ける大きな違いであることに気づいたのです。

 さらに、「トップアスリートには共通して大事に鍛えている部位」があります。それこそが「お尻」と「背中」だったのです。

ぽっこりお腹をなんとかしたいから腹筋!の大間違い

 中年の方の多くは、まずはぽっこりお腹を、腹筋を鍛えることで何とかしようと思っているのではないでしょうか。

 気持ちはわかりますが、お腹を引っ込めるのにお腹から鍛えるのは非効率的なんです。骨のサポートが少なく、内臓が入っているだけのお腹は、もっとも脂肪がつきやすい場所。だから、お腹が出てくる一番の理由は体脂肪が増えたためなので、体脂肪を落とす必要があります。

 体脂肪を落とすための王道戦略は、基礎代謝を上げてエネルギーを消費しやすい体を作ること。そのためには体全体の筋肉量を増やすことが必要です。

 筋肉量を増やす、という観点から考えると、腹筋はイマイチです。なぜなら、大事な内臓を膜状に覆うのが役割なので、基本的に“薄い”からです。筋肉量をアップさせて体脂肪を落とすためには、大きい筋肉を鍛えるのが効果的。だからお腹を引っ込めるために最優先で鍛えるべきは、まずは「お尻」なんです!

 お腹だけでなく、上半身を効率よく鍛えようと思っていたら、まずは「お尻」と、そして「背中」が重要になってきます。

「お尻」から鍛えるべき3つの理由とは

 では、さっそく成果の出る筋トレをスタートさせよう!と思ったとき、最初はお尻だけにフォーカスしていきましょう。では、なぜ筋トレを始めるときは「お尻」から鍛えたほうが効率がよいのでしょうか。理由は次の3つがあります。

理由(1)背中から鍛えると「腰痛」の原因に

 お尻から鍛えるべき一つ目の理由は、背中から鍛えた場合、姿勢のバランスが崩れてしまうからです。背中を鍛える筋肉は、ざっくりいうと骨盤前傾に持っていくものばかり。骨盤をバランスのいい中立の立場に保ってくれる一番の優等生は、大殿筋という筋肉の中でもっとも大きいお尻の筋肉。だから、大殿筋を強化してきちんと使える状態にしてからでないと、鍛えれば鍛えるほど反り腰姿勢になってしまうのです。

 反り腰が続くとまず起こるのが腰痛。トレーニングを行う際にお腹まわりの力も入りづらくなるので、バランスは悪くなる一方です。この状態で無理して背中を中心に鍛え続けると、最悪、脊椎分離症という疲労骨折の状態になってしまいます。

 これが、大殿筋がしっかりと働いてくれる状態で背中の筋肉を鍛えると、体の裏面の筋肉たちが協力しあって姿勢をサポートしてくれるようになります。太ももの裏の筋肉であるハムストリングスやふくらはぎの筋肉である腓腹筋やヒラメ筋が一つの帯のように背面を支えてくれるのです。

 その結果、腹筋運動をしなくても、お腹に力が入りやすくなり、結果的に腹圧が高まります。脊柱(背骨)が安定して力がより発揮しやすくなり、腰痛予防にも一役買ってくれます。

理由(2)見た目の変化がわかりやすい!

 お尻から鍛えるべき二つ目の理由は、ずばり「お尻を鍛えることが、見た目や印象が良くなることに一番影響を与える」から。

 女性を担当するパーソナルトレーナーは、何をおいてもまず、お尻を鍛えることからスタートします。一番変化を実感しやすい部位であり、外見を良くしてくれてセクシー度をぐっと上げてくれる部位だからです。

 お尻の位置が高くなり、きゅっと引き締まってくると、体の凹凸のメリハリが出ます。お尻の曲線が強調されることで相対的にウエストも引き締まって見えます。

 このアプローチは間違いなく正しいです。わかりやすいように女性を例に挙げましたが、男性もまったく同じ優先順位がベスト。お尻を最初に鍛えることでベルトを締める位置が高くなり、お腹が引き締まって見えます。スーツのパンツのシルエットが目に見えて変わるので、周囲から「痩せましたか?」などと声をかけられる機会も増えてくるはずです。

理由(3)人体で一番大きい筋肉を鍛えると「テストステロン」が高まる

 お尻から鍛えるべき最後の理由は、「人体で一番大きい筋肉を鍛えることで『テストステロン』が高まる」から。

 テストステロンといえば代表的な男性ホルモン。性的な能力や意欲の衰えが気にはなるけれど、別にそこまで執着していないという方が多いかもしれません。

 ですが、実はこのテストステロン、性的な役割のほかに、物事に積極的に取り組もうとする「意欲ホルモン」の一つであることが、最近明らかになってきたのです。男性は20代中頃から緩やかにテストステロンの分泌量が減り始め、30~40代で急激に減少することが知られています。このテストステロンの減少を最小限に抑えることが、魅力的で頼もしい中年期を過ごすための、最大のポイントになってきます。

 テストステロンの分泌は食事やサプリメントでも高められますが、もっとも効果的なのが筋トレ。それも人体で一番大きな筋肉量を誇る大殿筋を中心に鍛えることが、テストステロンの分泌を効率的に促進できると考えられるのです。

 昔から、一流のスカウトや指導者ほど、選手のお尻を最初にチェックするのが定石になっています。お尻がよく発達してきれいな形をしている選手ほど意欲的であり、体力的・技術的にも伸びしろがある可能性が高いからなのだそうです。

 あまり根拠のない通説だと高をくくっていましたが、「お尻が発達している→テストステロン分泌が盛ん→活動的で意欲が高く能力を発揮しやすい状態」という仮説を立ててみると、アスリート指導やスカウトの長い歴史の中で、自然とこういった識別がなされていったのも腑に落ちます。

 次回は、「お尻」の筋トレでテストステロンを高めることによって得られる効果について、詳しく解説します。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ