第34回 業務改善に効く最新ビジネスクラウド活用術

Dropbox Buisinessとウェブサービスを連携させて超絶便利に使いこなす技

文●柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Dropbox Businessの導入から、活用、外部連携、そして共同ドキュメント編集サービス「Dropbox Paper」の使い方までを全4回で紹介するこのコラム。3回目はDropbox Buisinessとウェブサービスを連携させて便利に使いこなす方法について紹介する。

 オンラインストレージである「Dropbox Business」だが、他のウェブサービスと連携することで便利な使い方ができるようになっている。大容量のファイルを柔軟なアクセス管理ができるDropboxに置いたまま、様々なビジネスツールで活用できるのはとても便利だ。

 今回は、「Dropbox Business」とビデオ会議サービス「Zoom」や「Microsoft Office」「Googleドキュメント/スプレッドシート/スライド」「Gmail」「LINE WORKS」などを連携させる方法とそのメリットを紹介しよう。

 まずはApp Centerにアクセスし、連携するアプリを探す。最初に、イチオシの「Zoom」を連携させてみる。

App Centerから連携するアプリを探そう

 Dropboxのコンテンツからミーティングを開始したり、Dropbox内のファイルを画面共有したりできるが、もっとも便利なのが録画ファイルを自動保存してくれる機能。Zoomのビデオ会議はクラウド録画するのが基本だが、有料プランを契約しても容量はたったの1GB。そんな時、Dropboxにデータを保存できれば、容量を気にせずに録画しまくれるようになる。

 App Centerで「リンクする」をクリックしたら、Zoomへのアクセスを許可したり、Zoomの録画をDropboxにコピーする設定を有効にする。設定が終わったら、DropboxのZoomアイコンから新しいミーティングを開始すればいい。ミーティングを終了させてしばらくすると、Dropbox内の「Zoom」フォルダに録画データがコピーされる。

 DropboxからZoomを起動せずに、直接Zoomを起動して開始したミーティングの録画も自動的にDropboxに保存されるのはありがたい。Zoomで容量を追加する場合は100GBで月額4000円とお高めなので、Dropboxユーザーであれば是非活用したいところだ。

 ちなみに、Zoomの設定で「インスタント ミーティング開始時に個人ミーティング ID(PMI)を使用」がオンになっていると、Dropboxからインスタントミーティングを始められないので注意すること。

「Zoom」を開き、「リンクする」をクリックする

Zoomへのアクセスを許可する

「Zoomクラウド記録をDropboxにコピーしますか?」を「有効」にする

デスクトップアプリでファイルをクリックする

プレビュー画面の「Zoom」アイコンをクリックし、「Start meeting」をクリックする

Zoomで会議を開催する

Dropbox内に「Zoom」フォルダーが作成され、その中に音声と動画ファイルが保存される

Zoomの設定で「インスタント ミーティング開始時に個人ミーティング ID(PMI)を使用」をオフにしておく

Dropboxでオフィス文書を一元管理&編集&共有ができる

 Dropboxはワードやエクセル、パワーポイントなどのOffice文書を作成したり、オンラインで編集することができる。Dropbox.comで作業しているなら、オンライン上、しかもDropboxの画面から遷移せずに編集できるのはとても便利だ。もちろん、Excelのデスクトップアプリで開くこともできる。Dropbox上にあるので、アクセス権限の設定も行える。

 共有しているファイルの共同編集もでき、その際に複数のバージョンができてしまうことを回避する機能も用意されている。同じファイルを閲覧したり編集しているユーザーを確認でき、バッジ機能を有効にすると、ワンクリックで最新バージョンに文書の内容を同期できる。もちろん、コメント機能を使ってコメントを残してもいい。もし、何かミスが起きたとしても、「バージョン履歴」機能で元の状態に復元することも可能だ。

 ファイルの作成は簡単。「作成」メニューから「Wordドキュメント」や「Excelワークブック」などをクリックすればいい。初回は、Office OnlineがDropboxへアクセスする権限を求められるので、承諾する。続けて、Office 365アカウントでサインインすれば、Office Onlineで新しいファイルが開く。

 作業が完了したら「Save and return to Dropbox」をクリックすると、Dropboxに戻る。

「作成」メニューから「Excelワークブック」などをクリック

アクセスを許可する

Office 365アカウントでサインインする

Office Onlineで文書を作成し、編集できるようになった。「Save and return to Dropbox」をクリックすれば元に戻る

Excelファイルが作成できた

 「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」「Googleスライドもファイルとして作成し、閲覧、編集できる。クラウドの文書ファイルをクラウドストレージで扱うのはユニークだが、もちろんとても便利だ。ただし、DropboxとGoogleの両方で同じメールアドレスのアカウントでログインする必要がある。

「作成」メニューからGoogleサービスの文書ファイルを作成することも可能

同じメールアドレスでログインする必要がある

Gmailと連携させれば添付ファイルをさらに快適に扱える

 Gmailを使っているなら、Dropboxと組み合わせて活用したい。まず、ファイルを共有するのに本体を添付しなくて済む。メールの容量をコンパクトにしたり、大容量のファイルを手軽に共有できるというメリットがある。しかも、元ファイルを修正すると、即共有しているファイルも変更される。

 例えば、原稿を編集部に納品した直後に、「あ、あそこ直さなくちゃ」ということはよくある。直ぐに対応し、もう1通メールを送り、「先ほどのは破棄して、こちらをご確認ください」と連絡しなければならない。しかし、Dropboxのリンクを送っているなら元ファイルを編集するだけでいいのだ。

ファイルを選択し、共有メニューから「Gmail」をクリックする

選択肢がなかったら「他のアプリをリンク」をクリックして、Gmailをリンクさせる

Gmailのメール送信画面が開くので、宛先や本文を入力して送信する

共有されたURLを開いたところ。プレビューが表示され、右側のボタンからダウンロードすることもできる

 Gmailに拡張機能の「Dropbox for Gmail」をインストールすると、さらに便利になる。まずは、設定画面の「アドオン」タブから「管理」を開き、Google Workspace Marketplaceで「Dropbox for Gmail」を検索。インストールしよう。

 すると、メールの作成画面にDropboxのアイコンが表示され、Gmail上からDropboxにあるファイルのダウンロードリンクを挿入できるようになる。

「アドオン」タブから「管理」をクリックする

「Dropbox for Gmail」を検索する

「インストール」をクリックする

アクセスを許可する

メールの作成画面にDropboxアイコンが現れる

Dropboxにログインする

Dropbox内のファイルが表示される

メールにダウンロードリンクを挿入できた

 逆に、Gmailでファイルが添付されたメールを受け取った時に、Dropboxに添付ファイルを直接保存することもできるようになっている。右側のパネルに現れたDropboxアイコンをクリックすると、Dropboxにアクセスできるので、フォルダーを指定して「保存」をクリックすればいい。

Dropboxアイコンをクリックする

フォルダーを指定して「保存」をクリックする

ビジネスチャットのストレージにDropboxを使うこともできる

 最近は、メールだけでなく、ビジネスチャットでコミュニケーションを取る企業が増えている。もちろん、Dropboxも対応している。例えば、「LINE WORKS」をリンクさせれば、DropboxからLINE WORKSにダウンロードリンクを投稿できる。大容量のファイルはビジネスチャット側ではなく、容量無制限のDropbox Businessに蓄積しておく、という使い方ができるのだ。

共有メニューの「他のアプリをリンク」をクリックし、「LINE WORKS」をリンクさせる

トークルームを検索して指定し、メッセージとリンクを送信できる

LINE WORKSでファイルを共有できた

 同じように「Slack」とも連携できる。こちらに関しては、「使ってみようSlack入門 ~使い倒して業務効率アップ! 第13回 Slackを外部ツールと連携させて可能性を広げる《Dropbox編》」で紹介しているので参考にして欲しい。

 他にも、PDF作成・編集アプリ「Adobe Acrobat DC」とも連携できる。こちらは「柳谷智宣がAdobe Acrobat DCを使い倒してみた 第113回 Acrobat DCとオンラインストレージ「Dropbox」を連携させてリモートワークを効率化する」で詳しく紹介している。

 以上が、Dropbox Buisinessとウェブサービスを連携させて超絶便利に使いこなす技となる。今回紹介したのはごくごく一部。まだまだ連携できるウェブサービスがあるので、App Centerで探してみよう。

■関連サイト

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
03月
04月
05月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
03月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
2019年
03月
04月
06月
08月
10月
11月
2018年
01月
03月
05月
08月
11月
2017年
03月
10月
2016年
01月
04月
2015年
02月
04月
07月
10月
2014年
08月
11月
2013年
11月