テレワークで気分転換の仕方も変わってきている

飲料とstonはある意味競合だけど、コラボしたら面白いかも!? 「ダイドードリンコ」商品開発・齊藤優子、香川珠実インタビュー

文●村野晃一/編集 ASCII

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 今までになかった休憩体験が得られることで話題になっているston(ストン)。独自テクノロジーにより、カートリッジ内のリキッドを熱し、発生する蒸気からフレーバーを楽しむというもの。もうひと踏ん張りしたい時のミントフレーバーでカフェイン配合の「POWER」、気分を落ち着かせたい時のココナッツフレーバーでGABA配合の「CALM」。2種類のカートリッジを気分に合わせて交換して楽しめるのも魅力だ。

 現在は、起業家やビジネスマンはもちろん、パリコレのバックステージやカーレースのピット、eスポーツプレイヤーまで様々なプロフェッショナルの現場でstonは愛用されている。

 本企画では、各界のビジネスパーソンにstonを利用してもらい、その感想や使い心地をレポートしてもらう。

 今回、お話を伺ったのは、ダイドードリンコ(株) ヘルスイノベーション商品開発グループの齊藤優子さんと香川珠実さん。

 ダイドードリンコ(株)は、「こころとからだに、おいしいものを。」をスローガンに掲げる飲料メーカー。コーヒー飲料のダイドーブレンドシリーズを中心に、茶系飲料、水類、スポーツドリンク類、栄養ドリンク、果汁・野菜飲料、炭酸飲料など、幅広い飲料商品を扱っている。

ダイドードリンコ(株) マーケティング部ヘルスイノベーション商品開発グループ
齊藤優子

緑茶・健康食品等の企画開発を経て、2013年にダイドードリンコ株式会社に入社。入社後、マーケティング部にてソフトドリンクの企画開発や機能性飲料の申請業務に従事。「手がかかる子ほど可愛い」と、敢えてハードル高めの開発に、楽しみつつ試行錯誤する日々。

ダイドードリンコ(株) マーケティング部ヘルスイノベーション商品開発グループ
香川珠実

2003年にダイドードリンコ株式会社に入社。入社後、マーケティング部にて、特定保健用食品の飲料開発・申請業務を経て、現在は、「健康」「イノベーティブ」をテーマに、他社との協業も含め、飲料の企画・開発を担当。壁が高い開発ほど、燃える。趣味は登山で春夏秋冬(雪)問わず登る。

健康とイノベーティブを両立させるような商品開発を

──では、まず初めに、お二人のお仕事についてお聞かせください。

齊藤 私が所属しているのは、ダイドードリンコ(株) マーケティング部のヘルスイノベーション商品開発グループになります。商品企画開発を行う部署の中でも、中長期を見据えたシーズ的商品開発を手掛けていて、機能性表示食品や健康系食品飲料なども扱っています。開発に時間がかかる、アイデアと技術が勝負というような商品開発を担当しています。

齊藤優子さん。日本の伝統芸能音楽・雅楽が趣味という和を尊ぶ女性。※オンラインインタビューのため、一部画像が粗い箇所があります。

香川 私も、齊藤と同じグループに所属しています。現在は、ファンケルさんと共同開発している「大人のカロリミット®」茶シリーズをはじめ、健康とイノベーティブを両立させるような商品開発を担当しています。

 私たちのグループでは、シーズ発想のアイデアも取り入れながら、企画開発・構想やパッケージングの考案などに至るまで一貫して検討し、それぞれの協力会社さんにお願いして製品をつくっています。

──具体的には、どういったことをやられているのですか?

香川 まず、商品コンセプトの考案ですね。企画開発は、商品戦略に沿ってコンセプトを立て、コンセプトに沿ってパッケージと中身を考えるという順になります。

 そして協力会社さんと何度もやりとりをしながら作り上げていきます。

 マーケティング部の中には、ブランド戦略担当、商品開発担当といった様々な担当者がいて、複数の担当者と連携を図りながら商品開発を進めていきます。

 ただ、私たちイノベーショングループでは、一人でひとつの商品を担当して進めていくことも多いですね。

香川珠実さん。

──いくつもアイデアを出して、そのなかからイケそうなものを育てるというイメージなんでしょうか?

齊藤 結構アイデアは出しますけど、最終的に形に残るのは10のうち1あったらいいかなって感じです。技術的に難しいことをやろうとしたりするので、開発しながら、途中で止まってしまったりすることもあります。

 自販機で販売されている商品などは、この期日までに発売しなければ、というのが決まっているため、確実なものを作っていこうというのが通常の形なのですが、うちの部では、確実ではないかもしれないけど、イノベーティブなものを作ろうということもあるので、途中でダメになるものもあるし、大当たりの商品が生まれる可能性もある、極端に言えば、ちょっとチャレンジングな商品開発をしているグループといったところです。

香川 アイデアを出すには、シーズ発想に工夫を加えて、自分たちの発想だけでなく、他のものとの融合も考えながら商品アイデア化を進めています。

齊藤 私たちのグループの商品はいろいろなケースがあって、今手掛けてる商品だと、2年掛けてがんばって、ようやく発売できるかも? みたいなところに漕ぎ着けるようなものもあったりしますね。

 特に機能性表示食品、健康系の食品だと、消費者庁に届け出て受理されて許可をもらうまでに半年はかかるというイメージなので、商品が発売されるまでに少なくとも1年はかかってしまいますね。

香川 機能性表示食品の場合、それだけ時間がかかると、せっかく掴んだトレンドから遅れてしまうというのがジレンマですね。

──そうしたトレンドや発想に対するアンテナの張り方というのは、どういった形で行われているんでしょう?

香川 海外で流行ったものが数年後に日本でも流行る、というのが、海外トレンドの通説ではあるんです。とはいえ、まったく同じ形で流行るというわけではないので、マーケティング部全体でも海外トレンドを取り入れて、日本での商品化を見据えたアイデア化をしていきます。

齊藤 それに加えて、新しいスポットには行ってみるとか、新しいものが売られていたらチェックするとか。コンビニやドラッグストアなどへ行って日々リサーチしています。そのなかで、面白いと思ったものを覚えておくとか、使いにくさも覚えておいて、不満というのにもニーズがあるので、そういう積み重ねも日々やっていますね。

ドリンク商品開発担当から見た「ston」という製品

──今回のstonのインタビューも、普段の商品開発のアンテナにかかりそう、ということで協力していただいたのですか?

香川 そういった側面も無きにしもあらず、ですね(笑)。最初に広報担当にお話をいただいて、マッチングしていただいたという感じです。

──stonは、休息のためのガジェットなのですが、ある意味、御社の製品であるコーヒーなどの飲料商品のコンペティタにあたりませんか?

香川 コンペティタでもあるのかも知れませんが、私たちが行っている商品開発の仕事から見たら、一緒に何かすることもできるんじゃないかとか、シーンによって使い分けていただくという提案もできるんじゃないかと思いましたね。

齊藤 コーヒーってもう1杯飲もうかどうしようかって悩むときがあったりするので、お替りの1杯代わりにはなり得るなって思いました。そういった意味では競合する部分もあるのかな?

香川 代替にするのか、プラスアルファの楽しみが増えるって思うのかで違いますよね。私はコーヒーのような飲料の代替というよりは、むしろ、ガムとかキャンディーなんかに近いのかなと思いましたね。ちょっとした気分転換に利用するようなものに近いのかな。

 長い休憩が取れるのであればコーヒーを、合間のほんのひと時の休息にはstonといった使い分けができるといいのかなと。休息の、時間と質の違いですね。飲料だと「ふぅ」と気を抜いても平気なシーンで飲む、というイメージですけど、stonはこの一瞬だけ! というか。

齊藤 会議と会議の間みたいなときに丁度いいかな、って感じですよね。特に、今はリモート会議が増えてきて、会議と会議の間に1分の時間も空いていない、なんてこともあるので。その時間がないなかで切り替えや一呼吸できる、みたいな使い方が合っているのかな。

──商品開発というお仕事はリモートでも可能なものなんですか?

香川 在宅では仕事が回らないというお話も聞くんですが、うちはあまり問題ないですね。

齊藤 ダイドードリンコ(株)はファブレス企業なので、協力会社さんに支えられているところが大きいんです。逆に、テレワークが主体になってから、そういった協力会社の方々とも頻繁にリモートミーティングができるようになって、大人数が参加する会議でも、開催と調整が割と楽にできるようになったことのメリットが大きいですね。

香川 例えば、ペットボトルの容器開発の際、そのペットボトルが問題ないかという確認に、容器メーカーなど複数の協力会社と弊社全員がOKを出さないと立ち上がらないんです。関係者全員が同時に参加するミーティングって、移動や日程調整を考えると、以前は本当に開催が難しかったんですけど、それが割と手軽にできるようになって、すごく画期的だなぁと思いましたね。

”気分転換”というニーズに対して、コーヒーとstonでコラボするのもあり!?

──それでは、stonを利用してみてのお二人の所感を教えていただけますか?

斎藤 良かったのは、香りを楽しむにしても、パーソナルで楽しめるというところですね。似たようなものだと、アロマオイルとかあると思うんですけど、準備が必要だったり、香りが周りに広がってしまうというようなことがあるので、stonなら、さっと楽しめて周りにも残りづらい。コンパクトに済んでいいなと思います。

香川 在宅だと気分転換がしづらい、という話をよく耳にします。今のワークスタイルでは息抜きが課題になっていて、おやつが見直されてますよね。出勤時、外出時と違って、息抜きの方法が限られる中で、新しい息抜きの提案という意味で今の時代に合ってると思いましたね。ダイドードリンコ(株)の飲料に加えたい楽しみだなぁと(笑)。

 あとは、やっぱりデザインが秀逸ですよね。第一印象は斬新でおしゃれで都会的。ころんとして可愛い。色もこだわっていて、私が使っているのは「鉄紺」なんですが、ネーミングもいいですよね。

 ちょっと気になったのは、充電器がUSB接続で、パソコンに接続される前提なのかな、と思えるところでしょうか。ターゲットがオフィスワーカーなのかもしれませんが。あと、台座に関しては、もうひとつ、台座が黒なので、台座に挿すと「鉄紺」のおしゃれな色も黒に見えちゃうのが残念です(笑)。

齊藤 私は本体が「浅葱」だったので、台座に挿して充電するときに。仄かにライトが光って、ちょっと日本庭園的だな、侘び寂びだなぁと思いましたけど(笑)。

 形が握りやすくて、庭に敷き詰める石みたいなのがいいですよね。無意識ににぎっていたりして。昔、おばあちゃんが胡桃を握っていたのを思い出したりしましたね。本来の使い方以外の気分転換にもいいのかなと。

 フレーバーに関しては、私はミント(POWER)のほうが好きで使う回数が多いんですね。シンプルにすっきりしますよね。

香川 私もミントが好きですね。休憩のときに利用しますが、飲料を飲むのとは、なんとなくマインドが違う感じがします。

齊藤 ブリージングデバイスということで、深呼吸とまではいかないけど、意識して息を吸うとか、呼吸を整えるみたいなコンセプトも込められているのかなと思いますね。

香川 私、登山が趣味なんですが、ランニングなどもそうだと思うんですけど、呼吸が浅くなると身体に酸素が行き渡りづらくなるんですよね。仕事のときも一緒かなと思うんですね。呼吸で大事なのは吐くことだということなんですけど、stonは吸ったあとに「ふぅー」と吐くので、それが知らない間に気分転換になることがあるのかも知れませんね。

──stonを使ってみて、今後の御社の商品開発に役立ちそうなヒントなどがありましたか?

齊藤 マーケティング的な考え方にはなっちゃいますけど、コンペティタが増えたという認識は持ったかなって。リモートワークの環境下で、それに適した気分転換の仕方も変わってきているという気づきがありましたね。

香川 今私が手掛けている「大人のカロリミット®」茶シリーズですと、「大人のカロリミット®」というサプリがあって、飲料の「お茶」があって、どちらも効能があるもので、コンペティタに当たるんですけど、共同開発で一緒にやってるんですよね。

 同じ気分転換というニーズに対して、こういうときはston、こういうときは飲料でリフレッシュしませんかっていう提案は、コラボとしては可能なんじゃないかと思いました。

齊藤 コーヒーのフレイバーとか、あったらいいですよね! ミントの香りのする製品もいろいろありますけど、stonのミントフレーバーって、クォリティ高い香りだなと思ったんですよね。この調子でコーヒーが作れたら、ほんとにいいなって思いました。

(提供:BREATHER)

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