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5000円台で買えてWi-Fiの電波が届く範囲をカンタン拡張

屋外にも無線LANの中継が可能な「離れ家モード」を搭載したエレコム「WTC-C1167GC」レビュー

2021年03月09日 11時00分更新

文● 飯島範久 編集●ASCII.jp編集部

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5GHz帯を使って屋外でも通信可能に

 ひとつのWi-Fiルーターでは、離れた場所の速度が著しく低下する場合がある。そんな場合は、中継機を利用したりメッシュ化したりして、極力Wi-Fiルーターから離れていても速度の低下を抑えるのが解決策のひとつだ。

 今回レビューするエレコムの「WTC-C1167GC」も、そんな中継機だが、これまでの常識を打ち破った製品なのである。それが、母屋から離れ家に電波を中継する機能だ。電波法で屋外利用が認められているのは、2.4GHz帯と5GHz帯の一部(W56と条件付きでW52)で、本製品はこのうち2.4GHz帯と5GHz帯のW56を利用することで、中継を実現している。

エレコムの「WTC-C1167GC」。カラーはホワイトとブラックの2色。サイズは約62.0(W)×約43.0(D)×約91.0(H)mm、重量は約125g。

 設定は、スイッチで簡単に切り替えられるため、煩わしい設定は不要。もちろん屋外を含む空間でも利用できるが、通信可能な範囲を延ばすためのものではないので、離れ家で利用したり庭でちょっと使いたいなんてときに、切り替えるという使い方がいいだろう。

「WTC-C1167GC」の製品パッケージ。実売価格は5000円前後。

左側には、インジケーターと「離れ家モード」の切り替えスイッチ、WPSボタンが用意されている。右側にはギガビットイーサ端子があるので、テレビなどと有線LAN接続するときに便利。

 本製品は、コンセントへ直挿しするタイプ。色はホワイトとブラックの2種類が用意されていて、部屋の雰囲気に合せて選ぶといいだろう。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に対応し、5GHz帯で最大867Mbps、2.4GHz帯で最大300Mbpsの通信が可能。DXアンテナ監修のハイパワーアンテナ2本を内蔵し、ビームフォーミングZ(ビームフォーミング対応機器ならより強く電波をキャッチ)やMU-MIMO(最大2台の同時通信・処理が可能)にも対応しており、コンパクトなボディーながらパワフルな中継を可能にしている。

同梱物はマニュアル類程度で、とてもシンプル。

設定はWPSボタンを押すだけのシンプル設計

 設置は簡単で、まず既存のWi-Fiルーターの近くで、本製品をコンセントに差し込み、両方のWPSボタンを押す。しばらくすると、2.4GHzか5GHzのLEDが緑色に点灯するので、これで設定は完了だ。

 ルーターは、エレコム以外のメーカーでも2.4GHz、5GHz帯いずれも利用できれば問題ないが、色々試してみたところ、一部メーカーのルーターではうまくいかないケースがあった。もし、WPSボタンで設定しても、緑色のLEDが点灯しない場合は、アプリなどから手動で設定する必要がある。今回は、エレコムのWi-Fi 5対応ルーター「WRC-2533GST2」を利用して検証している。

今回は、エレコムのWi-Fi 5対応ルーター「WRC-2533GST2」を使用して検証してみた。もちろん、ほかのメーカーでも大丈夫だ。

 Wi-Fiルーターと接続できたら、次に離れた場所へ電波が届くように本製品の設置場所を決める。本製品をコンセントに挿すと、2.4GHzか5GHzのLEDの状態で最適な場所が分かる仕組みになっている。

 緑色が最適で、オレンジ色が近すぎ、赤色が遠すぎで、消灯だと圏外を表わしている。これまで、いろいろと中継機やメッシュWi-Fiを試してきたが、「近すぎ」と表現しているものは初めて。多くの製品は、緑色が電波強い、オレンジ色が電波まあまあ、赤色が電波弱いという表現で、これだとやはり電波があまり弱くならないところ、つまりオレンジ色の場所だとなかなか設置しにくい。ところが、本製品だと他の製品のオレンジ色にあたる電波強度が緑色に割り当てられているので、逆に緑色になる場所に設置したくなる。人間の心理をうまく利用して最適な場所へ設置させるいい方法だと感じた。

ルーターから近いと、2.4GHzもしくは5GHzのLEDがオレンジ色に点灯。これが緑色ならちょうどよい設置場所となる。この手の機器はどこに設置すべきか、悩むところだけど、すんなり設置できた。

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