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22年卒コロナ就活突破術!オンライン面接と対面のマスク面接、どちらが有利?

2021年03月05日 06時00分更新

文● 霜田明寛(ダイヤモンド・オンライン

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Photo:PIXTA

コロナ禍での就活も今年で2年目に突入する。オンライン面接やマスク面接など、これまでとは違う面接スタイルに不安を感じる学生や保護者も多いのではないだろうか。大学での講座や、自身のオンライン就活塾で述べ1000人以上の就活生に面接術を指導、3冊の就活本を著し、採用側である企業のアドバイザーも務めている「就活面接の達人」である霜田明寛氏が、最新の就活動向を織り交ぜながら「2021年の就活ならではの、損をしないためのサバイバル術」を解説する。

今年は対面面接・オンライン面接が混在
対面面接は「マスク着用」が基本

 昨年、コロナウイルスが日本で広がっていった時期は、ちょうど21年卒の就職活動の真っただ中だった。緊急事態宣言下、対面での面接が難しくなることで、オンラインでの面接が急増。それは“応急処置”にも思えた。

 だが、あれから約1年がたち、オンライン面接は応急処置の域を越え、ニューノーマルとして定着しつつある。現在は、例えば最終面接だけを対面にするなどオンライン面接を併用する企業もあれば、就活生にオンラインか対面かの希望を取り、選ばせる企業もある。

霜田明寛(しもだ・あきひろ)
就活カウンセラー/文化系WEBマガジン・チェリー編集長
3冊の就活本を執筆。ジャニーズの仕事術と人材育成術をまとめた近著『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は4刷を突破するヒット。

 22年卒向けの採用活動は3月1日に広報が解禁され本格化したが、これは経団連のルールに則った場合の建前の話。すでに採用面接は行われ、内定を出している企業もある。

 22年卒の採用は上述の通り、面接の形式だけ見れば“移行期”にあたる。しかも感染が収束しているわけではないため、対面での面接はマスクの着用が基本となる(もちろん、マスクを外すように指示されるケースもゼロではないが、そうではない場合が多い。「自由な服装で」と指示があってもスーツを着る学生の多い、同調圧力を強めに感じる新卒の就職活動では、自ら進言してひとりだけマスクを取るのはかなりハードルが高い行為と言える)。

 つまり、今年の採用は、オンライン面接、対面でのマスク面接という2つの様式が混ざった形でスタートする初めての場となる。

 人生を左右しかねない就職活動の面接だ。

 当然、就活生はどっちが得なのかを考えるだろう。

 先に結論を言ってしまえば、それは人による――ということになる。元も子もない結論だが、どちらの面接でも、失われてしまうものが存在する。

 就活生の側は自分にとってどちらの様式のほうが損失が少ないかを天秤にかければよいし、採用側も、普段と比べて何が判断できなくなるのかを知ることで、従来通りの採用基準から大きくズレることなく面接を行うことができるはずだ。

 そこで、ここではオンライン面接と対面でのマスク面接、それぞれの様式で「何が失われてしまうのか」を(まずは就活生の視点に立ちながら)解説していきたい。

オンライン面接で失われるもの
「オーラがある人」は要注意?

 オンライン面接で失われるものは、まずオーラである。

 就活生でも、面接の部屋に入ってきた瞬間に、オーラを発している人というのはいる。よく「面接は最初の3秒の印象で合否が決まる」などと言われることも多いが、最初の3秒でできるのは入室して挨拶をするくらいだ。つまり、その言葉が意味するものは“発した言葉以外が大きな判断要素になる”ということである。

 先日、指導していた、とある体育会系クラブに所属する身長185cmの男子大学生が「対面のグループ面接で就活生が5人同時に入室しても、入った瞬間に、なんとなく自分に注目が集まっているのがわかる」と言っていた。

 身長、人としての色気……大人になっても会議室でしゃべりだした瞬間、内容にかかわらず人を惹きつけるタイプの人がいるように、まずは内容より前に“オーラで注目を集めるタイプの人”というのは確かにいる。

 しかし、オンラインでは身長はもちろん、その他のオーラを伝えていた要素の多くが遮断される。光の当て方やカメラの質など技術的な面でオーラが減少してしまうことすらある。雰囲気で“場を持っていく”タイプの人には不利な方式だ。

「リアクション上手」な人ほど
オンライン面接で不利?

 オンライン面接で失われるもうひとつのもの。それは、間である。もう少し的確に言えば、“間の短さによってアピールできる頭の回転の速さ”だ。

 現状、オンライン会話では微妙な時差が発生する。多くの人が、Zoom上で同時にしゃべり出してしまうという経験をしたことがあるのではないだろうか。そのため、丁々発止(ちょうちょうはっし)のやり取りがしづらくなる。どうしても、ひとつの質問に対してきちんと答え、一段落したところで次の質問がされる……という落ち着いたやり取りが続くことになる。

 つまり、双方向的なトークというより、互いに一方的なスピーチの繰り返しになりやすいのだ。オンラインでは、会話の途中で言葉を挟み込んだり、相手の言葉に対してすぐにツッコミを入れたりという行為がしづらくなる。

 通常の対面の場では、仮に同じことを頭の中で考えられたとしても、それを少しでも早く言葉にした人が、“頭の回転の速い人”になる。その速さと内容がうまくハマれば、お笑い芸人のようなコミュニケーション強者であることがアピールできる。

 オンラインでは、その強者と凡人の差がわかりづらくなるのである。例えば、質問や相づちなど、先輩にポンポンとリアクションすることでかわいがられるタイプの人には不利な様式と言えるだろう。逆に、少し間が空くことが不自然ではないため、少し考えて言葉を選ぶタイプの人には有利に働く状況といえる。

マスク面接での「表情不足」は
就活生の本心を隠す?

 次にマスク面接で失われるものについて見ていこう。

 まず、当然のことながら、表情が消える。

 表情豊かでそれが魅力になっていた人は、一つ武器を奪われることになる。

 だが、逆に言えば――目以外のほとんどの部分が覆い隠されることによって、感情をある程度隠せるようにもなる。もっと端的に言えば、嘘をついてもバレる可能性が低くなるのだ。

 人は口角の上がり方、鼻の膨らみ方など微妙な表情の変化から相手の感情を読み取っている。それら顔の動きすべてを意識的にコントロールするのは難しいからこそ嘘はバレる。

 嘘をつくときは唇を中に押し込めてしまう……などの癖を持っている人もいる。そんな無意識に感情が出てしまう顔の大半がマスクで隠れることになる。つまり、就活生の側に立つと、本心がバレずに済むともいえる。

マスクの対面面接では
話のトーンが見えづらくなる

 表情に付随して、マスク面接で失われるもう一つのものは話のトーンである。

 話のトーンが不明瞭になるのである。

 私は著名人のインタビューをしたり、編集したりする仕事もしているが、その場に立ち会っていない場合、文字だけの原稿を受け取ると、そのトーンが伝わってこない場合がある。例えば、自虐的な話の場合、本当にその自分のマイナス面を悲しんで言っているのか、笑いを取ろうとして言っているのかが判別しづらい。だから、そのトーンを読者に伝えるために原稿では(笑)をつけたりする。

僕は他人より1年多く大学に通っているんです。
僕は他人より1年多く大学に通っているんです(笑)。

 この2つの文章では、伝わり方(本人が留年をどのようなものと捉えているのかなど)が大分変わってくるはずだ。

 マスクによって隠されるのは、この(笑)の部分である。すべての人が話をしながら声を出して笑うわけではない。自分がその話に対して笑いの感情を抱いているということは、普段は表情で伝えている。だが、その部分がマスクで隠されるのだ。

 まるで声に表情をつけるように、上手にトーンを調整できる人もいるがそれは少数派。多くの人はそのまま文字にしたら削ぎ落とされてしまうであろう微妙なニュアンスを表情に込めて伝えている。

 それらのトーンが伝わらないので、単に「うれしい」「悲しい」という言葉では表現できない多面的な話が伝わりづらくなってしまうのである。数字で簡単に表せる実績などではなく、感情の揺れなどから生まれる自分の物語を話すタイプの人には対面は不利な形式と言えるだろう。

対面でのマスク面接
採用企業側が損をするケースも

 少し、就活生を判断する採用側の観点からもお伝えしたい。

 私自身、昨年の緊急事態宣言中から初夏にかけて100人以上の就活生とオンラインで面談し、その後、そのうちの何人かは直接対面しての指導も行った。だが、正直、大きく印象が変わったり、ましてや評価が逆転するといったことは起きなかった。

“話の中身を判断する”という観点で言えば、情報量が少なくなるオンライン面談のほうが、採用側は中身に集中できるのではないかと思ったほどだ。

 例えば、会ったことのない人と、はやりのSNS「クラブハウス」上で音声のみで会話をしただけでも、意外に相手の思考や、ときに相性の良し悪しまで判断できるように、言語情報のみであればオンライン上でも十分に受け取ることができる。

 しかし一方で、マスク姿で初対面だと「いい子ぶりながら、マスクの下でほくそ笑んでいるかもしれない」という恐怖が拭えず、正確な判断ができているか不安がよぎった。表情が抜け落ちるというのは、大きな情報の欠落であることを痛感した。

 もちろん、言語情報以外は直接対面することでグッと増える。手の震え、座り方、タイミング、お辞儀の仕方、視線など……オンラインでは伝わってこなかった情報が増加する。

 まだルールが定まっていないオンライン面接よりも、既にルールが確立されている対面面接のほうが(それを重視すべきかは別として)マナーを守れる学生かどうかの判断はしやすいという面もある。

 採用側に、言語情報以外で人を判断することに優れた人材がいれば、マスクをすることで抜け落ちた情報を補って余りある情報量を、直接対面した就活生から受け取ることができるはずだ。

「何を手放す方が自分に有利か」
冷静に見極めることが重要

 ……と、ここまでオンライン面接と対面でのマスク面接で、それぞれ何が失われるかを伝えてきた。正直、新しい様式に煩わしさを感じた人も多いことだろう。

 だが、こういう状況下である以上「何かが失われる」ことは避けて通れない。

 自分は自身の何を失っても許容できるのか。自分のために、何を手放すことを選ぶのか。

 それは採用面接の局面に限らず、この1年、自然と私たちがしてきたことなのかもしれない。

 そして、こうも思う。

 そもそも、コロナ禍になる前、私たちは本当に相手のことが“見えて”いたのだろうか。

 マスクをせず表情全てが見えたとき、オフラインで会って全身が見えたとき……。私たちは本当に相手のことが“見えて”いたのだろうか。

 むしろ、人が人を判断するというケースにおいて、相手の全てを“見えた”と盲信してしまうことが、誤った判断をよんでいたのではないか。

「今見えている部分が相手の全てではない」という自覚を持ちながら全体を想像するのが、誤ったコミュニケーションをしないための基本だ。

 そもそも相手の全てなど見えないものである。

 今の状況は、そんな人が人を判断する上で立ち戻るべき場所に、私たちを戻してくれるチャンスなのかもしれない。

(就活カウンセラー 霜田明寛)

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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