このページの本文へ

「身近にいる困った部下」をやる気にさせるすごい質問

2021年03月03日 06時00分更新

文● 大塚 寿(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
「身近にいる困った部下」トップ3への対処法は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

厳しく問われるパワハラ問題、コロナ禍によるリモートでの指導などで、部下の育成に悩む上司が増えているといいます。一方新人は、知らないことはすぐにググれる「デジタルネイティブ」が増え、自分の頭で考えたり工夫する必要がなかった世代になりました。そんな部下のやる気を引き出すためには、どのような言葉をかければよいのでしょうか。そこで今回は、元リクルートの“トップ営業マン”で、これまで1万人の管理職や若手・新人の営業スキルをアップさせてきた大塚寿さんの新刊『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30』(青春出版社)から、「身近によくいる部下」トップ3を紹介し、彼らのやる気を引き出す質問フレーズを具体的に紹介します。

【第3位】常に受け身(消極的)な部下

 指示したタスクはすべて及第点以上の成果物になっているし、スキルもモチベーションも平均以上であることは間違いないのですが、指示をしないと何もしないし、それがまずいとも思わない部下・後輩、若手が急増しています。

「指示待ち族」とはよく言ったものですが、「○○さんはちょっと受け身なところが目につくから、もう少し能動的、自主的に仕事に取り込んでね」と、できていないところを指摘しただけで、本人が行動変容してくれるなら、こんな楽なことはありません。

 部下育成、新人の育成の場面でよくやりがちなのが、このように逆の言葉を使ってすませることです。この場面では受け身、受動的の逆の言葉「能動的」「積極的」という言葉を用いて、相手に要望することです。しかし、残念ながら、言葉を逆にしただけでは、相手の行動は変わるはずがありません。

 では、どうすればいいのでしょうか。部下や後輩が受け身なのには理由があります。それを能動的、積極的な動きへの行動変容を促すには、「なぜ、能動的、積極的な動きをしなければならないのか」に自分自身が納得する動機が必要なのです。

 もっとも強い動機というのは「それが自分のやりたいことだから」に違いありません。人は「やりたいこと」をやる時がもっともモチベーションが高まるので、その特性を部下や新人の育成に利用しない手はありません。

 私たち人間は、働く動機や理由、頑張る動機や理由が自分の中で明確になったとき、まるでスイッチが入ったように能動的にもなれるし、頑張れるようにできています。ぜひ、この特性を部下や後輩の育成にも活かすために、次のような質問をかけてみてください。きっと部下の「働く動機」を刺激するはずです。

・「いま○○さんがやってみたい仕事って、どんなことかなぁ?」
・「3~5年後、○○さんは、どんな仕事をやりたい?」
・「○○さんは、ホントは何がやりたくてこの会社に入ったの?」

【第2位】自分で考えず、なんでも聞いてくる部下

 右も左も分からない部下・後輩が、「なんでも聞いてくる」のは歓迎すべきことですし、会社によっては新人の育成期間に「1日5つの質問」を義務づけている例すらあります。義務づけしてしまえば、「忙しくしている先輩に聞きづらい」という状況を、ある程度防ぐことができるからです。

 しかし、ここで問題にしたいのは「自分で考えず…」の部分です。特に、物心ついた時代からスマホが手元にあって、検索するだけで簡単に知りたい情報が手に入る時代に育った部下や若手社員には「自分の頭で考える」ことに慣れていない人も散見されます。

 もっというと、昨今の現象として、自分で調べれば分かること、自分で考えて欲しいことを、繰り返し何度も聞いてくる部下や後輩が増えていると指摘されています。問題は同じようなこと、前にしっかり指導したり説明したことを、再び、初めてのことのように聞いてくるということです。

 昭和の時代であれば、「同じことを何度も聞いてくるなよ」とストレートに指摘する先輩も少なくありませんでしたが、現在、そんな言い方をしたら部下は委縮してしまいますし、効果も限定的です。

 このような場合は、「で、○○さんは、どういうやり方で、やってみたい?」と質問して、まずは自分で考えさせること。こう質問すれば、相手は反射的に自分の頭で考えて回答するようになります。短い言葉で「相手がまずは自分で考えてから相談する」ようになることを促せることが、このフレーズが選ばれる理由です。

 逆に、この場面で使ってはいけないNGワードがあるので、一緒に紹介しておきましょう。

・「ゆとり世代だからなぁ~」「悟り世代だからなぁ~」

 世代のことを言われても、本人の努力では変えることができないので、イヤミにしか聞こえません。

・「何回同じこと聞いてくるの?」

 感情的に聞こえてしまうので、後輩を委縮させてしまう可能性があり、逆効果。また、指導の仕方が悪い、教え方が下手という可能性を考えていない危険性もあるので、好ましくありません。

【第1位】報告、連絡をしてこない部下

「報・連・相」のうち、相談はともかくとして、報告と連絡は、本来組織の人間としてしなければならない義務といってもいいでしょう。

 しかし、義務と頭では分かっていても、30年前も報告や連絡を怠る部下は珍しくはありませんでしたし、自分の意見を言わない部下も大勢いました。昨今は、その数もウエイトも増加傾向にあるのも事実です。そうした環境であればこそ、上司の方から報告と連絡を促す「攻めの報・連・相」をぜひとも試してほしいと思います。

 たとえば、「○○さん、△△△の件、どうなってる?」と、具体的な報告を上司の側から求め、さらにその報告から得られた情報に基づいて、「△△の追加分について予算内に収めるための方法について、○○さんの意見は?」といった感じで質問をしてみてください。

 意見を求める際、意見はあるのに伝えてこない部下に関しては、総論で尋ねてしまうと一般論的な返答になってしまう危険性があるので、さらに突っ込んだ各論で訊くのがミソです。

 また、いきなり各論からでは、部下が言葉に窮してしまう可能性もあるので、いったん総論的な質問を振ってから、各論に落とすという方法のほうが好ましいかもしれません。

 さらには日常的に、「△△△の件、○○さんはどう思ってる?」「△△△について、○○さんの意見はどんな感じ?」と、意見を促す「攻めの質問」を習慣づけておくと、チーム内に耐性というか、意見を出さざるを得ない雰囲気が漂い始めます。これは上司として部下に問う習慣ですが、こちらも「攻めの報・連・相」の亜流といってもよいでしょう。

 また、個人的な判断基準や気分で報告や連絡をしない人については、言い方というより、なぜ報告、連絡が必要なのかを、しっかりと伝えるようにしましょう。その意義や目的を伝えるのはもちろんですが、それを怠ることによってどのような事象やトラブル、障害が起きるかということを、実例とともに語る方法が効果的です。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ