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テレワークでバレる!仕事をうまく回せない「残念な上司」の特徴

2021年01月27日 06時00分更新

文● 片桐あい(ダイヤモンド・オンライン

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テレワークでうまくいかない上司のタイプには「コントロールタワー型上司」と「タクシー無線型上司」がいる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

全国11都府県で二度目の緊急事態宣言が発令され、再びテレワークに移行する企業が増えています。とはいえ、導入からまだ日が浅く、まだまだ誰もが効率的なやり方を模索している状態ではないでしょうか。特に、対面で指導できなくなったことで、部下とのやり取りに難しさを感じている管理職も多いといいます。そこで今回は、人材育成コンサルタント産業カウンセラー・片桐あいさんの新刊『テレワークで部下を育てる』(青春出版社)から、テレワークの環境下で“残念な上司”に陥りやすい人のポイントを紹介します。

指示出しばかりの「コントロールタワー型上司」

 テレワークでうまくいかないタイプのひとつが、作業内容を細かく指示する「コントロールタワー型上司」です。自分の指示に従っていれば間違いない。こう考えて管制塔役になり、仕事の目的や意図を部下に伝えず、細かいタスクレベルに落とし込んで、あれやれ、これやれと指示を出します。

 上司である自分から見ると、効率的な指示を出しているので、仕事はスムーズに回っていると信じていることでしょう。しかし部下にしてみれば、ひとつひとつの作業を細かく指示され、次から次にタスクレベルでのオーダーが出されることになります。これでは仕事を進めるうえでの自由度がありません。部下は自分で考えなくてもいいので、成長することができなくなってしまいます。

 特にテレワークの環境のもとでは、上司はこのコントロールタワー型に陥りやすいので注意しましょう。こうなってしまう大きな要因のひとつは、テレワークのなかでは部下の様子が見えにくくなるということです。慣れない環境のなかでも仕事を滞らせてはいけないという、プレッシャーや焦りのようなものもあるでしょう。あるいは部下がまだ経験が浅い場合、能力や知識などを完全に信頼できないという懸念があるかもしれません。

 リモートで仕事を進めるとなると、上司もやはり不安を感じるので、一層コントロールしたくなるのはわかります。部下にしても、タスクに落とし込みをして指示されると、何をすればいいのかわかりやすいかもしれません。

 しかし、これらはあくまでも短期的に見た場合のメリットです。長い目で見れば、強くコントロールする状況が長く続くと、部下は自分から考えて動ける自立型の人材には成長しにくく、指示待ちの人間になってしまうのです。指示された業務を的確にこなす作業員を増産することになりかねません。

 ただし、仕事上の大きなリスクが見えているケース、あるいは部下がまだ若手で仕事に対する習熟度が低い場合などには、仕事の進め方を明確に指示したほうが良いこともあるでしょう。

 こうした場合は、何をすればいいのかよくわからない若手を導いて、組織としてのリスクを小さくするため、あえて意識してコントロールタワ―型で接し、こと細かな指示を出すのも有益です。

 管制塔の役割をしっかりイメージできるのであれば、コントロールタワー型が必ずしも悪いというわけではありません。一律には考えず、指示の出し方については、リスクや部下の習熟度によって使い分けていきましょう。あくまでも全体を俯瞰したうえで、柔軟に管制塔役を果たせるのであれば問題はありません。

細かく報告されないと不安な「タクシー無線型上司」

 次に紹介するのは、情報収集が何よりも大事だと思っている人がなりがちな「タクシー無線型上司」。このタイプの特徴は、まるでタクシーの無線連絡のように、テレワークのなかで報告・連絡・相談をその都度細かく上げるように指示することです。

 もちろん、部下から適切な報告・連絡・相談をしてほしいし、悪い情報であればあるほど早く上げてほしいと指示することは欠かせません。とはいえ、現テレワークの状況で部下に逐一報告を求め過ぎてしまうと、大きな弊害が出てきます。

 タクシー無線型の短期的な弊害としては、どうしても仕事が滞ってしまうことがあげられます。上司に報告・連絡・相談をするには、そのたびに報告書やメールを書かなければならず、多くの時間が取られてしまうのです。

 必要な報告・連絡・相談は行わなければいけませんが、そうではなく、特に緊急性のない“報告のための報告”のようなものに多くの時間をさかれると、部下はたまったものではありません。

 また、部下の状況を直接見ることができないのに、上司のもとに情報が集まり過ぎると、何が正しいのかわかりにくくなります。適切な取捨選択ができなくなり、決断するのが鈍くなりやすくなって、組織を迷子にしてしまう可能性があるのです。これも大きなデメリットです。

 長期的な弊害としては、上司がタクシー無線型で部下と接するうちに、両者の関係に問題が生じやすいことがあげられます。報告などをあれこれ求め過ぎる仕事の進め方をされるうち、やがて部下が不満を感じるようになっても無理はないでしょう。仕事を任せてもらっている気がしないので、だんだんやる気をなくしていき、上司に対する信頼感も薄れて、関係性がぎくしゃくしてしまうのです。

 すべての情報を把握していないとマネジメントできないと思う、あるいは部下を信頼できずにさぼっているのではないかと疑う、またはテレワークにおける自分自身の決断に自信がない。こういった心理状態のときに、タクシー無線型上司になっていく傾向があるようです。

 テレワークになると不安を感じるかもしれませんが、少しは辛抱することが大事。ある程度の経験があり、ここまでは任せても大丈夫という部下に対しては、相応の裁量権を与えてあげましょう。

“自分が組織の中心になる”という覚悟を持つこと

 このように、多様な個性の人を部下に持ち、しっかりマネジメントしていくには、自分が車輪の中心であるハブになることが大切です。必ずしも大きな車輪の中心になる必要はありません。自分を含めて10人の組織であれば、3人ずつの小さなグループを3つ作って、自分はその中心にいるようにすればいいのです。

 もちろん、自分で9人をコントロールするイメージを持つことができるのなら、小さなグループを作る必要はありません。どちらのあり方が望ましいのかは、仕事の内容や自分の能力と照らし合わせて決めるといいでしょう。

 いずれの体制を取るにしても、部下をマネジメントする人間として、自分が中心になるという覚悟を持ってほしいと思います。

 日本の職場に多いプレイングマネージャーの場合はどうでしょうか。こうしたマネージャー兼プレイヤーであっても、やはり自分がハブになって車輪を回しつつ、部下を育てていくことが大切です。

 ただし、プレイングマネージャーは自分自身の仕事を優先しなければならない場合が少なくないでしょう。その意味では、ハブに徹する時間を増やそうとするのは、現実的には難しいところがあるかもしれません。

 しかし、専業のマネージャーでなくても、部下を育てるのは重要なミッションです。現状のトッププレイヤーである自分が抜けても組織が回るように、部下をしっかり育てていくことが求められます。

 テレワークの環境のなか、自分がハブになって仕事を進めるには、コミュニケーションを密にする必要があります。リアルな状況では見えていたことが、リモートになると見えなくなりがちだからです。

 会社がテレワークに徹しているのなら、自分から積極的に声かけをして、それぞれの部下が抱えている業務の進捗状況や、メンタルの状態などをしっかり把握することが欠かせません。上司から部下に向かって報告・連絡・相談をする「逆・報連相」も密接なコミュニケーションを図るのに有効です。

 ときどき出社することもある「まだらテレワーク」の場合は、職場で実際に会ったときの時間を有効に使いたいものです。部下とコミュニケーションを取りながら、目と耳を使ってよく観察し、情報収集するようにしましょう。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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