このページの本文へ

日本に「おじさん」不要!本田直之氏が語る、今求められる自己進化とは

2021年01月22日 06時00分更新

文● ダイヤモンド編集部,宝金奏恵(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
本田直之氏(提供:KADOKAWA)

新型コロナウイルスが引き起こした社会変化は一過性でなく、今後のライフスタイルを全く新しいものに一変させるものだ。レバレッジコンサルティング代表取締役の本田直之氏は16年前から米国のハワイと東京のデュアルライフ(2拠点生活)を始めるなど、時代を先取る生き方を実行・提言してきた。コロナ禍で日本での長期滞在を余儀なくされた本田氏に今の日本に必要な変化を聞いた。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

フォロワー数より
エンゲージメントの高いファンが大事

――本田さんは16年間、海外と日本を行き来するデュアルライフを実践してきましたが、帰国中にコロナ禍となりました。今一番大変なことはなんですか?

本田直之氏(以下、本田) ハワイの自宅に1年以上帰れていないので、心配といえば心配です。日本に帰国したのは2019年12月で、すぐハワイに戻るつもりでした。こんなに日本にいることになるとは想定していなかったです。これまで日本に滞在するのは長くて3カ月とかそういう感じだったので。

――昨年、『パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する』(KADOKAWA)を出版しました。著書の中でも触れていますが、20年7月にオンラインサロン「Honda Lab.」を開いたということですが、なぜこのタイミングで始めたのでしょうか?

本田 今の時代、TwitterやInstagramのフォロワーが大事だと思っていました。多くフォロワーがいる状況は、飲食店で例えると、立地がよくて人通りの多いところにあるというイメージが近いと思います。

 でも、コロナ禍では駅ビルの中など、人通りが多い場所にあったお店が苦労しているようです。これらは消極的に選ばれていたからだと思います。たまたま近いとか、たまたま便利だったからとか。

 一方で、僕の近所のお店でもあったんですが、住宅街など立地は悪くてもファンや常連がついていた店は、前者に比べると比較的影響を受けてなかった。これらは積極的選択で選ばれている。

 これらを考えると、今後フォロワーが多いっていうこと自体は意味がなくなって、「ファンコミュニティー」を持って積極的に選ばれる存在にならないと、ビジネスでも個人でも今後は生き残っていけないのではないかと思いました。

 そういう意味でオンラインサロンっていうのは、「ファンコミュニティー」を作っていく場所。実際やってみると、参加した人たち同士のやりとりがあって、参加者のスキルが上がったり有機的に何かが起こったりするのを見てきました。そういうのが、すごく面白いなと思ったんですね。

「面白い人」にならないと生き残れない?

――どういう人が本田さんのオンラインサロンに集まってきていますか?

本田 現在200人ほどが入ってきてくれています。経営者が8割で、会社員が2割くらい。4分の1は女性です。ただこの時期にお金を払って参加している人たちなので、かなり前向きに何かを変革していこうと、今をチャンスと捉えている人が多いです。

――SNSのフォロワーと、「ファンコミュニティー」に集まってくるファンは全然違うものですか?

本田 そうですね。フォロワーってエンゲージメント(愛着心)が高くないと思うんですよね。SNSでフォローはしているけど、ほとんど発信内容を見ていなかったりとか、別に深く関わっているわけでもないじゃないですか。だけどファンっていうのは、積極的にそのコミュニティーに対して関わっていて、濃さが違う。

――積極的に選ばれるために、本田さんは何かしましたか?

本田 僕の場合は、これまで本を出すなど培ってきたものがあるので、ファンはある程度いた状態かもしれません。「ファン」というと芸能人みたいに思われるかもしれませんが、全然違います。発信したものに対して、共感してくれている人たちのことです。

――本田さんのように、今まで本を出すなど活動してきた人たちは少数派です。今ゼロの状態から何かを始めようとしている人たちはどうすればいいでしょうか?

本田 まずは発信して共感を得ることが大事です。例えば、インスタで1000人くらいのフォロワーしかいなくてもエンゲージメントが高いアカウントはあるようです。フォロワー数だけで効果が決まるわけではなく、狭いターゲットでも深く刺さっているかどうかが大事。これから何かをゼロから始めようとする人は、共感を得られるような発信だったりとか、コンテンツだったりを用意しなきゃいけないです。

――著書でも「世の中には面白い人たちがいると気づいた」という趣旨を書いていますが、逆に面白い人間でなければ今後生き残れないという焦りのようなものを感じている人もいるかなと思います。

本田 全員が面白い人を目指さなくてもいいと思います。無理する必要はないです。人それぞれ向き不向きがあるので、他の生き方もあると思うんですよね。

 でも面白さって何だろうということを考えると、「オリジナリティー」なんだと思います。オリジナリティーをゼロから作るのは大変ですが、一番簡単なのは、組み合わせです。

――組み合わせとは?

本田 例えば今、僕のオンラインサロンで面白い人がいます。山田翔太さんという人なんですが、サラリーマンだけどアスリートなんです。彼が面白いのは、アスリートと日本文化を掛け合わせたことです。アスリートを集めたお茶会をやるとか、アスリート陶芸家としても活動しているみたいです。非常に面白いですよね。

属するコミュニティーを選ぶことが重要

――デジタルネイティブな世代はこれからの時代を切り開いていくスピード感があり、やる気に満ちているかもしれません。本田さんのオンラインサロン「Honda Lab.」に参加している人の多くが30〜40代とのことですが、さらに上の50代以上の人たちは、今の社会変化にどうついていけばいいのでしょうか?

本田 コロナ前だったらまだ猶予がありましたが、コロナ禍で本気で変わらなければいけなくなった。自己進化、つまりトランスフォームしなければ完全に取り残されちゃうだろうなって思います。

――トランスフォームするのにも相当なストレスがかかりますが、何から始めるのがいいでしょう?

本田 まずは、「オンラインサロン」のようなコミュニティーに参加するのも一つの手段だと思います。周りから刺激を受けて変化するようになるだろうし、逆にもし周りに変化を拒む仲間ばかりいると、自分もそういうふうになっちゃうと思うんです。

 これからは自分が属するコミュニティーをしっかり選ばなきゃいけない時代。どのコミュニティーに参加しているのかが、かなり重要になってきます。昔はコミュニティーが会社や学校だったと思うんですけども、今はオンラインでもコミュニティーが増え、どこにいても選ぶことができて、いい時代だと思います。

 僕のオンラインサロンでは、参加者同士がつながって新しいビジネスを始めたりしています。また、いずれ僕のオンラインサロンの中で経済圏を作りたいなと思っています。例えばどこかのレストランに行くとなったら、参加メンバーにレストランのシェフをしている人がいるので、その店に行くと常連並みにケアをしてくれるとか、予約を取りやすくするとか…。そういう人気店シェフや有名人もオンラインサロンに入っていたりすると、メンバーになった瞬間、人とのつながりに近道ができるわけです。

日本の一番の問題は「おじさんがいすぎ」

――コロナ禍で一度在宅勤務を始めたものの取りやめる企業や、そもそも在宅勤務を取り入れない企業もあります。そのような企業に対して、思うところはありますか?

本田 皆がリモートワークである必要はないと思います。日本って皆が同じ方向を向かなきゃいけないと思っているっていうところが間違っていると思うので、それぞれのやり方や考え方があって別にいいと思うんです。ただし今の大学生に、そういう会社だったら働かない方がいいよって僕は言うと思います(笑)。

――それはどうしてですか。

本田 時代に逆行している会社で働いても未来はないし、そこで学ぶこともかなり少ないっていうか、旧態依然のことを今またすり込まれても、どうしようもない。

――日本はまだ在宅勤務に抵抗感を持つ人も多いと思いますが、本田さんから見て、日本はこれからどのように変わるといいと思いますか?

本田 日本で一番の問題点って、政治も大企業も、おじさんが多すぎだという点なんです。60代、70代が現役で幅を利かせすぎです。この状況は、海外だったらあり得ないですよね。とはいえ、今のアメリカ大統領の年も高齢(編集部注:トランプ氏は74歳、バイデン氏は78歳)。それでも、ヨーロッパの大統領とか他の国も見てもわかるじゃないですか(※1)。日本の役所とかもそうなんだけど、おじさんがいすぎ。掛け声を変えただけで、自分たちがトランスフォーメーションしていないから、実際うまくいかないことが多いんです。

※1 編集部注:例えばフランスのマクロン大統領は43歳、ニュージーランドのアーダーン首相は40歳、フィンランドのサンナ・マリン首相は35歳、台湾のオードリー・タンIT担当大臣は39歳である。

――日本が変わるには、60〜70代の人たちがトランスフォーメーションをする必要があるのか、それとも若い世代からの底上げが必要なのでしょうか?

本田 おそらくトランスフォーメーションはできないので早く辞めてもらいたい。ただ、大企業も役職定年などで、おじさんたちを切る方向になってきています。実際問題、抱えていられないんです。コロナ禍でさらに後押しされて、企業はかなり変わっていくんじゃないかなと思います。

 あとは、政治。政治と行政のおじさんたちに早く辞めてもらわないと、国・行政がなかなか変わらないと思っています。リーダーシップがあって若い世代が入ると変わるのかなと思います。

――日本は2021年も問題は山積です。

本田 今、戦後のどさくさの時代と似ているんだろうと思います。「よーいドン」で皆同じ状況で焼け野原に放り投げられている。世界の根本が変わっているわけだから、戦前と同じような考え方でいてもチャンスはない。逆に、マインドを変えて新しい挑戦をした人にとってはチャンスがあるはずです。皆が2020年は大変な思いをしたけれど、2021年は皆に平等にチャンスもある。

 僕、今、仕事がすごく面白いんですね。混沌として先が見えない逆境が大好きなんです。もちろん2020年は会社としてもダメージを受けているんですが、すごくワクワクする。2021年はオンラインサロンもそうですけど、多くの人のトランスフォーメーションを応援できたらいいなと思います。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ