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外部PC不要、本体だけでZoomやTeamsの会議も可能な「Rally Bar/Rally Bar Mini」を追加

ロジクール、中会議室向けの一体型ビデオ会議システムを発表

2021年01月21日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ロジクールは2021年1月20日、一体型タイプの法人向けビデオ会議システム「Rally Bar」および「Rally Bar Mini」などの新製品群を発表した。中規模(10~15名程度)の会議室設置向けに、会議用カメラ、スピーカー、マイク、コンピューティングをすべて内蔵した製品。新たに本体のみで「Zoom Rooms」や「Microsoft Teams Rooms」に接続できる「アプライアンスモード」を搭載し、シンプルな導入と使い勝手の実現でビデオ会議システムの普及促進を狙う。

ロジクールのビデオ会議システム新製品「Rally Bar」(アプライアンスバンドル)。色はグラファイト/ホワイトで、本体のみでZoom/Teamsに接続できる「アプライアンスモード」を搭載する

Rally Barの会議室設置イメージ

ビデオ会議システムポートフォリオに「中会議室向け」モデルを追加

 ロジクールでは、法人向けの会議室設置型のビデオ会議システム製品群を展開している。カメラ/マイク/スピーカー一体型製品はこれまで、大会議室向け「Rally/Rally Plus」と小会議室向け「Meetup」をラインアップしてきたが、今回はここに中会議室向けの新モデルとしてRally Bar/Rally Bar Miniを追加する。

ビデオ会議システムのポートフォリオに中会議室向けRally Bar/Rally Bar Miniを追加

 Rally Bar(横幅910mm)は中会議室向け、Rally Bar Mini(同 720mm)は小会議室向けの一体型製品。

 最大30フレーム/秒と最大4K解像度の広角カメラは、電動式光学15倍ズーム/パン/チルトに対応。カメラのフレーミングやビデオの色調、音声を自動で最適化する「RightSenseテクノロジー」に加えて、会議室内にいる人の状態を認識して全員が収まる画角を自動調整する「AIビューファインダー」機能も備える。内蔵ビームフォーミングマイクは最大4.5メートル範囲の声を拾い、話し手の声を聞き取りやすく最適化する。

据え置き、会議室ディスプレイの上部/下部取り付けなど、柔軟な設置スタイルが選択できるデザイン

 Rally BarとRally Bar Miniは、いずれも外付けPC/Macとの「USB接続モード」、会議室設置の専用ミニPCと接続する「PCモード」に加えて、本体のみでZoomやTeamsに接続できる「アプライアンスモード」に対応している。アプライアンスモードでは、内蔵のAndroidコンピューターを利用してZoomやTeamsに接続できる(現状では720p映像、1画面表示のみという制限がある。PCモードでは1080p映像、2画面表示が可能)。

 これらの用途に応じて、販売するパッケージも本体のみ/アプライアンスバンドル/PCバンドルの3種類が用意されている。アプライアンスバンドルは本体+Tapタッチコントローラー、PCバンドルは本体+Tapタッチコントローラー+外付けミニPCという構成だ。

ユーザーPCとのUSB接続モード、専用ミニPCと接続するPCモード、そして新たに追加された本体のみでZoomやTeams接続できるアプライアンスモード

 Rally Barは同日(1月20日)から発売、Rally Bar Miniは2021年春の発売予定となっている。

 Rally Barの参考価格(税抜)は、アプライアンスバンドル Zoom版が52万6000円、PCバンドル Zoom版が67万8000円、同 Teams版が68万8000円、本体のみ(USB接続モードのみ)が39万5500円。アプライアンスバンドル Teams版は2021年春の発売予定で、価格は未発表。

PCバンドルの場合は会議システム専用ミニPCが付属する

 なお今回は、会議室設置用小型アプライアンスの「RoomMate」も発表されている。既存製品のRally/Rally PlusやMeetUpと組み合わせて使用するAndroid搭載コンピューターで、Zoom RoomsやTeams Roomsへの接続が可能。発売は2021年夏を予定している。

“コロナ以後”に大きく変わる働き方への期待を示す

 発表会に出席したLogitech International エグゼクティブディレクターのピーター・バクスター氏は、この1年間、世界のあらゆる国がコロナ禍を体験したことで、多くの顧客企業において「コロナ禍終息後の働き方は大きく変わる」という考えが広がっているとコメント。具体的には、今後さらに「どこからでも社内や社外パートナーとのコラボレーションができる働き方」への需要が高まるとの認識を示し、ロジクールではそうした顧客ニーズに応えていくと語った。

 こうした企業の新たな動きは同社の業績にも表れているという。ロジクール 執行役員 法人事業本部長の野村宜伸氏は、法人向けビデオコラボレーションのビジネスは「昨年対比で3倍」の成長となっており、日本無線での導入事例など大規模な国内導入事例も出てきていると紹介した。さらに、大企業だけでなく中堅中小企業からも多く引き合いが来ており、「大企業と中堅中小企業、その両軸でビジネスを加速させていきたい」と期待を語る。

既存のRally(左)と新製品Rally Bar(右)の画質比較デモも披露された。Rally Barでは明暗のコントラストがよりはっきりとし、また参加者全員を画角に収めたり話者をズームアップしたりするカメラの自動追従も高速化しているという

 同社のビデオ会議システムについて、Logitech Internationalシニアディレクターのサイモン・ダッドリー氏は、同社では「3つの原則」を掲げて製品開発を行っていると紹介した。会議室サイズ/製品モデルにかかわらず「同一のユーザー体験」を提供すること、カメラ本体や外付けマイク/スピーカーなどの柔軟な設置を可能にする「拡張性のあるデザイン」を施すこと、そしてPC接続利用から単体利用まで「できるかぎりの選択肢」を実現することだ。

 ロジクール 法人事業本部 マーケティング部 部長の横山大介氏は、現状ではまだ、ビデオ会議システムが設置されているのは企業会議室の数パーセントにすぎないと説明。ここに同社製品を展開し、すべての会議室にビデオ会議システムが設置されているのが当たり前の状態に持っていくのが最終的な目標だと述べ、Rally Bar/Rally Bar Miniの投入によるさらなるビジネス成長への期待を示した。

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