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「殺菌」「抗菌」「除菌」何が違う?菌に1番強いのは?

2021年01月15日 06時00分更新

文● 雑学の森探検隊(ダイヤモンド・オンライン

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「殺菌」「抗菌」「除菌」…厳密にいえばどこがどう違うのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

11都府県で再び緊急事態宣言が発令されるなど、コロナへの危機感がますます高まる昨今。そこで今回は、雑学の森探検隊の『雑学の森』(青春出版社)から、感染症にまつわる雑学をいくつか紹介します。「雑学」というと、とりとめもない雑多な知識といったイメージを持っている人も多いかもしれませんが、一見役に立たなそうな雑学にこそ、解決のヒントが宿っていることもあるのです。

地球上では100年周期で強い感染症が流行っていた?

 人類は2020年初頭に広まった新型コロナウィルスに苦しめられているが、過去においても数々の恐ろしい感染症に襲われてきた。ここで気になるのが「パンデミック100年周期説」だ。

 1720(享保5)年頃にフランスを中心に襲った「ペスト」、次に1820(文政3)年頃に世界的に流行した「コレラ」、そして1920(大正9)年頃に世界で5000万人以上が死んだ「スペイン風邪」…、こう並べるとたしかに約100年ごとにパンデミックが起こっている。

 もちろんこれについては科学的根拠はほとんどなく、オカルト的な俗説であるともとれる話だ。しかし、次の100年後、つまり2120年にも、新たな感染症が大流行するかもしれない。それを否定できる人はいないだろう。人類は先回りして、その予防を目指すことが今後の大きな課題かもしれない。

江戸時代の人たちが恐れていた「コロリ」とは

 日本でも過去に感染症が流行したことが何度かあるが、そのなかのひとつが「コロリ」だ。これは「コレラ」のことだが、かかればすぐにコロッと死んでしまうことから「コロリ」と呼ばれるようになった。

 もともとはインドを流れるガンジス川流域の風土病だったコレラは、イギリスのインド進出をきっかけに19世紀のアジアで猛威をふるうが、日本にも1822(文政5)年に長崎に上陸した。

 そして1858(安政5)年には、米国艦船を介して江戸で大流行した。正確な記録は残っていないが、10万~30万人の死者が出たといわれる。さらに1862(文久2)年には全国的に3度目の大流行が起こり、2度目の時よりも多くの死者を出した。

 明治時代に入ってからも流行は続いたが、ここに至ってようやく日本人の間にも衛生観念が生まれ、「生水を飲まない」「換気をよくする」「体や衣服を清潔に保つ」などが推奨されるようになった。

「伝染病は公衆衛生の母である」という言葉があるが、まさにコレラが日本に衛生観念をもたらしたのである。

手洗いを推奨して非難を浴びた19世紀の医師

 新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、誰もが当たり前のように守っている習慣が手洗いだ。感染症対策でなくても、当たり前の習慣である。

 しかし、かつて手洗いを推奨したために激しい非難を浴びた医師がいる。オーストリアのウィーン総合病院の産科病棟の医師ゼンメルワイスだ。

 19世紀半ばの時代といえば、子供を産んだ母親が産褥熱で死ぬことが珍しくなかった。彼はその原因が、死体解剖の実習授業を受けた学生が、そのままの手で出産の手伝いをするためだと気づいた。

 そこで、解剖実習のあとに必ず手を洗わせると死亡率が激減したのである。しかし、手洗いが重要だとする考え方は当時の医学界にはいっさい受入れられず、冷遇され、彼は失意のうちに死んでしまう。悲しいかな、手洗いの効果がようやく受け入れられるのは彼の死から2年後のことだった。

 今では当たり前の手洗いだが、それが常識になるまでには長い道のりがあったのだ。

「殺菌」「抗菌」「除菌」の違いとは

 コロナ禍のなかにあって、多くの人が「殺菌」「抗菌」「除菌」に敏感になっている。ハンドソープやうがい薬などを買う時に、ついこれらの言葉の有無を確認して選ぶこともあるだろう。

 ところでこの3つの言葉だが、厳密にいえばどこがどう違うのだろうか。まず殺菌は、文字通り菌を殺す作用のことだ。薬事法にもとづいて「殺菌」という表示ができるのは、消毒剤などの「医薬品」や、薬用石鹸などの「医薬部外品」のみである。

 また抗菌は、菌を除去することであり、菌を殺すことはできない。あくまでも増殖を抑える作用があるという意味である。経済産業省の定義では、抗菌の対象はあくまでも細菌のみである。だから抗菌仕様と書かれてあっても、カビ、黒ずみ、ヌメリは対象外になる。

 最後の除菌だが、これは菌を排除することだ。菌を殺すのではなく、あくまでも除去である。手洗いは除菌をするためのものだし、食器を洗うことも除菌のための行為だ。除菌効果があるとされる洗剤は、使ったあとに菌を減らすことはできるものの殺しはしない。

 菌に対する強さでいえば、増殖を防ぐ抗菌は最も弱く、菌を殺す殺菌が最も強いといえる。これらの意味をよく踏まえたうえで、商品を選ぶときに判断してみてほしい。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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