CES 2021レポート 第17回
AMD、Tiger Lakeを上回る「Ryzen 7 5800U」およびゲーム向けのHX型番の新APUなどをCES 2021にて発表!
2021年01月13日 03時45分更新
2021年1月13日、AMDはオンライン開催となった「CES 2021」のイベントにて、Zen 3アーキテクチャを採用するノートP向けの新APU「Ryzen 5000シリーズ モバイル・プロセッサー」(以下、Ryzen 5000シリーズ)を発表した。
Ryzen 5000シリーズは、昨年発表されて数多くのノートPCに採用されたRyzen 4000シリーズ モバイル・プロセッサー(以下、Ryzen 4000シリーズ)よりも、さらに性能が向上。
型番の末尾がUになる、薄型モバイルノートPC向けのAPUは、昨年末にGeekbenchにてベンチマークがリークされたと話題になった8コア/16スレッド、最大動作周波数4.4GHzの「Ryzen 7 5800U」のみ情報を公開。
Tiger LakeことIntel第11世代Coreの「Core i7-1185G7」(4コア/8スレッド、最大4.8GHz)よりもCGレンダリングや動画エンコード、オフィスアプリの動作など、すべてにおいて勝るとアピール。
そして、ゲーミング向けとして新たに型番の末尾にHXを冠した「Ryzen 9 5980HX」(8コア/16スレッド、最大4.8GHz)と「Ryzen 9 5900HX」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)を公開。
「Ryzen 9 5980HX」はIntel第10世代のハイエンドCPU「Core i9-10980HK」(8コア/16スレッド、最大5.3GHz)よりも高い性能を有するとのこと。
「Ryzen 9 5980HX」と「Ryzen 9 5900HX」は高描画設定かつ最大4K解像度でPCゲームをプレイするためのプロセッサーであるとし、3Dのオープンワールド・アクションRPG「Horizon Zero Dawn」の高い描画設定でもフルHDでなら100fpsほどで動作するとしている。Ryzen 4000シリーズのHシリーズも、dGPUを搭載することを前提としたプロセッサーであったため、おそらく何らかのGPUを搭載したうえでの性能と思われるが、高い性能が期待できる。
さらに、AMDは今年の前半にRDNA2を採用したモバイル向けのGPUを搭載したノートPCが各PCメーカーから発売する予定であること、さらにサーバー向けCPUにおいてもIntel「Xeon Gold 6258R」(28コア/56スレッド、最大4GHz)よりも68%もパフォーマンスに優れる32コアの第3世代EPYCが登場することも明らかにした。
近年、Ryzenのモバイル・プロセッサーを搭載したノートPCがコスパも良く国内においても徐々にシェアを奪いつつあるということは、既報でもお伝えしている。Ryzen 5000シリーズの内蔵GPUなどいろいろと詳細が明らかになっていないが、今回明らかになった性能を持ったモバイル向けAPU搭載ノートPCが今後展開されれば、さらなるシェア拡大にも繋がる可能性がある。今後のアップデート情報にも期待したい。

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