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日本人でも意外と知らない、神社のお参りの仕方(写真はイメージです) Photo:PIXTA |
年始は毎年多くの日本人が初詣に訪れます。また、大事な時に神社へ参拝をしたり、会社や店先に神棚をまつる風習があったりなど日本人は古来から神様との接点を大切にしてきました。一方で、「神頼みなんかしない」と思っている人もいるかもしれません。しかし、ビジネスで大成功した人の多くは、神さまの力を上手に受け取っているといいます。いざという時に、神様が力を貸してくれる人になれるか否かは、ビジネスにおいても大事なことではないでしょうか。そこで今回は、神道研究家・藤原美津子氏の新刊『神様は、ぜったい守ってくれる』(青春出版社)から、神社参拝の作法を紹介します。
日本人でも意外と知らない、神社のお参りの仕方
神社にお参りする時の基本的な作法とその意味について知らない人は意外に多いです。「鳥居の正しいくぐり方は?」「神社のお賽銭はいくらがいいですか?」など、年代を問わず多くの方々からこのような質問を受けます。
お墓参りの仕方や神棚の祀り方と同様、今更聞けないという方も多いのではないでしょうか。華道や茶道といったもののように、学ぶ場所があって先生がいるわけではありません。一緒に神社を訪れた知人に、「参道の中央は神様の通り道だから、空けておいて、私たちはその少し外を歩く方がいいですよ」とお伝えして、びっくりされたこともあります。
参道を歩くときはなぜ中央を開けると良いのか
まず、神社の入り口には鳥居があります。鳥居の奥は神域なので、鳥居の手前で一礼をして、「これから神域に入る」という気持ちで通りましょう。大きな神社にはいくつも鳥居があります。一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居と進むほどに神域が深まり、そのお社の神様に近づきます。鳥居ごとに一礼をしてくぐり、帰りも同じく鳥居ごとに振り返ってお社のほうを向き、神様に一礼をして参道を戻りましょう。
鳥居をくぐったら、その先は神様のご神域です。ですから、そこで話したことは高天原の神様の世界に筒抜けになってしまうかもしれません。大声での私語などをしていると、神様の前に立った時に顔を背けられては、せっかくお参りしたのに残念ですね。「神様のところに伺うのだ」という気持ちで、雑談や私語は慎み、心静かに進みましょう。
また、参道の中央は神様がお通りになる道。ですから、真ん中を開けておくというのが参拝の礼儀作法といわれています。
ただし、お正月や祭りの時は、中央を開けて通る必要はありません。神様は朝からそのお社にお越しになっているそうです。この時期は、参拝の人も多いので、どんなに「真ん中を通らない !」と思っても人混みで押しやられてしまうかもしれません。お正月、お祭りの時は、大丈夫です。
お賽銭の金額には自分の思いを託す
神道ではお賽銭は神様への感謝のお供えもののひとつとして解され、神社参拝や神輿が出ていく渡御の際も献じます。皆さんも小銭や紙幣を賽銭箱に投じて、一年間の無病息災や交通安全、合格や安産などの祈願をしているのではないでしょうか。
金額には自分の思いを託します。「ご縁がありますように」と五円玉、「手を合わせる」という意味で十円玉というようにです。「十」の大字は「拾」なので、手を合わせるという意味があるのです。
私の場合は、伊勢神宮を始め全国各地の神社を参拝していますが、その際は、お参りごとに五百円を入れています。「もっとお参りしたいのですが、なかなか難しいので、この一回で十回来たことにさせてください」という気持ちを込めています。
お参りするときに鈴祓いをする意味とは
多くの神社には、お賽銭箱の真上あたりに大きな鈴が設置されています。その鈴に添えて麻縄や布などを垂らしてあり、お参りする人はそれを振り動かして鈴を鳴らします。
その鈴にはどんな意味があって、どんな気持ちで鳴らしたらいいでしょうか。鈴を鳴らすのは、お参りする方の気持ちを整え、神様の前に立つための祓い清めの意味があります。ですから両手でしっかりと縄を持ち振ってください。勢いが強くて余計に鳴ってしまうことがありますが、気にしなくて大丈夫です。これを「鈴祓い」と言います。
「お賽銭と鈴祓いは、どちらが先にしたほうがよいのか?」
私は、お賽銭を入れてから、鈴を鳴らします。神社によっては、鈴が手前にあり、その先にお賽銭箱があるところもあります。その場合は先に鈴祓いをしてからお賽銭をします。
お賽銭を入れ、鈴祓いをしたら、皆さんご存じの通り「二拝二拍手一拝」です。 二回お辞儀をし、二回柏手を打ち、もう一回お辞儀をするという意味です。
柏手の音が神様に届くように、“パーン、パーン”と気合いを込めて打ちます。
本当に気合いを込めて打った柏手は、それ自体がお祓いになるといわれています。
※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら
