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築地で聞いた、年末買い出しで密を避けてお買い得品を買うコツ

2020年12月26日 06時00分更新

文● ながさき一生(ダイヤモンド・オンライン

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築地で聞いた、今年の年末買い出しのポイントとは? Photo by Ikki Nagasaki

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、忘年会も自粛ムードとなった今年。年末年始は、自宅で過ごし、「その時くらいは、せめて豪華なものを」と考えている人も多いのではないでしょうか。その際に必須なのが買い出しです。
年末の買い出しといえば築地市場が有名ですが、今年は特に密になるのを避け、スムーズに買い物を済ませたいところ。またコロナ禍ならではのオススメな水産品があるとのこと。東京海洋大学で非常勤講師を務めるおさかなコーディネータのながさき一生さんが、コロナ禍の年末買い出しのコツについてレポートします。

コロナ禍の年末、
築地はどうなっているのか

 年末といえば、カニ、数の子、かまぼこなど、さまざまな水産品を口にする方は多いと思いますが、水産業界にとって年末は1年で最も書き入れ時となります。かつて、私は築地市場の卸会社に勤めていましたが、扱う商材によっては、年末の1週間は、普段の1カ月分の売り上げが1日で上がるほどなのです。

 しかし11月下旬、築地場外市場に伺うと、コロナ第三波の到来が予見されていたこともあり、「年末の需要が読めず、仕入れは控えめにしている。豊洲移転の時よりも大変かも」というが声が聞かれました。ただ、忘年会などの外食需要が低迷する一方で、「おうちで年末年始」のムードが高まる中、小売りやおせちなどの持ち帰り需要は、むしろ好調な様子がうかがえます。

 消費者目線で見ると、このようなコロナ禍の変化は、お買い得な食材にも影響を与えているようです。例えば、この時期においしい寒ブリやお祝い事に欠かせない真鯛などは例年、年末に高値となりますが、飲食店向けの型の良い養殖ものは、コロナ禍の流通の滞りの影響でお買い得になっています。

 大まかに言えば、「おせちなどに使われる食材など主に自宅でも食べるものではなく、もっぱら飲食店で食べるもの」が狙い目です。そのような品物を買うことは、生産者支援につながる側面もあるため、ぜひとも食べていただきたいところです。

 また、マグロやカニといった水産品は冷凍品よりも生を好む方もいるかと思いますが、今年でいうと全体的に冷凍品を早くに押さえておいた方が得策といえます。

 もともと、生の水産品は、冬の時化(しけ)で入荷日や価格が安定しない状況があります。この状況に対しては、例年であれば、ギリギリまで生ものの入荷を待って、希望の品がなければ冷凍品を選ぶということができました。しかし、今年は需要が読めず、店側が冷凍品の仕入れを控えめに行っているなど不安定な状況があるため、生ものの入荷がないと希望の品が手に入らない状況にもなりかねません。

例年「密」になる買い出し
コロナ対策はどうなっているのか

 また、年末の買い出しシーズンの市場は、例年は密になる場所でもあり、実際に足を運ぶとなると心配に思う人も少なくないでしょう。今、買い出しの現場はどうなっているのでしょうか。代表的な築地場外市場で、お話を伺いました。

 築地場外市場では、関係者が集う団体であるNPO法人築地食のまちづくり協議会が、年末に向けた準備を念入りに進めてきました。協議会の副理事長である小島英朗氏は、全店舗に消毒液と検温器、マスクを配布し、店員がそれらを使ってコロナ対策をするほか、来場者も店舗や要所でそれらを使える体制にしていると話します。

 また、感染リスクを避けられる自動車で来場しやすいように、駐車場を増設したり、大勢で来なくて良いように、買ったものを箱詰めして配送できる臨時の荷合わせ場を各所に設置したりしているそうです。

 築地に限らず、買い出しスポットのコロナ対策の状況がどうなっているのかについては、事前に調べてから向かうようにすると良いでしょう。

築地で聞いた
スムーズに買い出しを行う3つのコツ

 さらに、コロナ禍の今年、密を避けてスムーズに買い物を行うコツについて3つのポイントを教えていただきました。

1.早い時間に行く

 今年は、特に需要が読めず、仕入れを控えめにしている事業者が多いため、早めに売り切れる品物も少なくないと予想されています。築地場外市場でいうと、12月31日まで多くの店舗が営業をしていますが、特に冷凍品や加工品は遅くなればなるほど良い品物がなくなっていくので、なるべく早い日程で買い出しを済ませておくことをオススメします。

 また、時間帯も早くに行った方が得策です。築地場外市場でいうと、午前10時以降は例年、混み合うとともに品切れの可能性も高くなります。店舗にもよりますが、だいたい午前5時からオープンするため、午前10時前のなるべく早い時間に来場するとスムーズでしょう。

2.代表者だけで行く

築地場外市場に設置された臨時の荷合わせ場 Photo by I.N.

 買い物は、なるべく少数で行くと動きもスムーズです。車や築地で行っている臨時荷合わせ場のような現地の配送サービスを適宜利用すると良いでしょう。

3.滞在時間を短くする

 前もって買うものを決めておくなどし、滞在時間をなるべく短くするように心がけましょう。あまり知られていませんが、築地の場合、電話などで事前予約をしておくことができるお店もあります。そういった方法も適宜活用して、当日は受け取るだけにするのも一つの手といえます。

 協議会が確認している範囲では、取材を行った11月末までの時点で、築地場外市場では働いている人の中からコロナ感染者が1人も出ていない状況にあるそうです。来場される方も感染防止対策の上、密を避け、スムーズに買い出しを行いましょう。

送料無料も多数
通販の活用もおすすめ

 このほか、買い出しに通販を使う手もあります。築地市場であれば、「築地お取り寄せ市場」というサイトで場外市場のお店の商品を3営業日以内発送で取り寄せることができます。
 
 特に今年は、コロナで打撃を受けた農林水産品の販売を支援するため、農水省や自治体などの行政が送料を補填するなど補助事業を展開しています。それらを活用し、送料が無料となっているECサイトも少なくありません。通販を活用する場合にはぜひともチェックしたいところです。

 大変なことが多かった2020年。最後の最後くらいは、おうちでおいしいものを食べて楽しく締めたいところです。ここまでに述べたことも参考にしていただきながら、皆様が良い年末年始を迎えられることをお祈りいたします。

(おさかなコーディネータ ながさき一生)

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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