RPA展開コストを劇的に削減

“野良ロボ”防止にも役立つ「実行指示クライアント」とは?

文●ASCII

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野良ロボの発生

 パソコン操作を自動化するソフトウェア、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、すでに多くの金融機関や大企業が導入し、大きな効果を出している。

 労働時間の短縮や人材不足の対策をはじめとする働き方改革の切り札として、業種や規模の大小を問わず、中小企業にも注目され、導入も広がりつつある。

 RPAの導入ステップとしては、モデル業務を選定して検証を行ない、効果を確認し運用体制を整え、全社に展開する。このようなパターンが多いのではないだろうか。モデル業務を選定した検証ステップでは、RPAの理解を深めるとともに、RPAツールの選定も含まれる。どのRPAが自社に合うのか、自社でも開発できるのか、そもそも対象とする業務が自動化でき、安定して稼働するのか。様々な検証を経て正式導入となる。効果の確認では、ほぼ間違いなく手作業に比べて効果があると判断するだろう。処理スピードだけでなく、人件費と比較してもRPA導入コストがはるかに下回る。

 運用体制については、企業規模や企業の方針によって様々だ。当社ユーザーの場合、自社開発が約50%で、外部に開発依頼した場合であっても、情シスや専門部署がRPAを管理することが多い。一方、現場の利用部門で開発もできるようにと、教育やサポート体制を整える大企業も多い。業務を一番理解している利用部門で開発するメリットは大きい。

 しかし、RPAはEXCELのような個人的なツールではない。業務プロセスを可視化し、RPAで自動化し、条件分岐やエラー時の対応など、必要となるスキルは意外と多い。十分な知識がないと、不安定なRPAができ、使われないまま放置される。また、開発担当者がいなくなるとメンテナンスできないRPAも発生する。これがいわゆる野良ロボである。野良ロボの発生しないRPAの展開方法は、どうすべきであろうか。

全社展開の方法

 RPAを全社展開する方法として、(1)RPAを現場担当者に配布して展開する方法、(2)RPAの運用管理システム(あるいは運用管理クラウドサービス)を導入して展開する方法、の2通りが考えられる。それぞれの特徴を見てみよう。

(1)RPAを現場担当者に配布して展開する方法

 RPAの主な対象業務は、手作業で行なっている現場の業務である。RPA専門部署または情シスが、業務をヒアリングして開発をすすめようとしても、開発人員が足りず、稼働までに時間を要する場合が多い。そのため、現場担当者を教育し、自ら開発して業務を自動化してもらう考えである。現場の業務をよく知る担当者が開発するため、稼働までのスピードが早く、メンテナンスも自分でできるメリットは大きい。しかし、RPAツールを覚えるだけでなく、業務プロセスを正しく理解し、場合によっては業務を見直し、条件分岐やエラー時の対応方法なども考慮しなければならない。こうしたスキルが不十分であると、業務が不安定なまま放置され、誤った処理が実行される危険性も少なくない。開発した人しかメンテナンスできない可能性もある。

 野良ロボが発生しやすいのがこのパターンである。

(2)RPAの運用管理システム(またはクラウド)を導入して展開する方法

 このような背景から全社に展開するRPAを一元管理するしくみ、運用管理システムが登場した。RPAベンダーが専用の管理システムやクラウドサービスを提供している。複数のRPAの集中管理し、スケジュールによる実行や手動実行ができ、ユーザーごとの権限管理、利用端末の制限など、きめ細かく運用管理ができる。サーバ型のRPAもこのような機能を含んだものが多い。しかし、こうした仕組みの導入にはコストがかかり、管理者も必要になる。特に中小企業にとっては、大きな負担になり、豊富に用意されている機能を使いこなせないとして導入を見合わせる企業もある。

新たな運用管理の発想で、容易な展開を支援する「実行指示クライアント」

 そこで業務自動化15年の経験があるユーザックシステムは、容易にRPAが全社展開でき、実行指示と権限管理など、必要最低限に機能を絞り込んだソフトウェア「実行指示クライアントを開発した。年間ライセンスは1ユーザー24,000円と、中小企業にも導入しやすいように価格を抑えている。必要な情報が揃ったのであとの処理はRPAに任せたい、遠隔地にあるRPAを自分のPCから実行させたい、また、現場担当者一人ひとりにRPAを配布したくない、運用管理システムは手がでないという企業に最適なシステムである。

 実行指示クライアントが対象とするRPAは、Autoジョブ名人(Ver2.0以降)とAutoブラウザ名人(Ver8.0以降)。実行指示クライアントを自分のPCにインストールすることで、離れた場所あるいはクラウド上にある対象のRPAを任意のタイミングで実行指示できる。実行できるジョブ(スクリプト)は権限を設定することができる。また、Autoジョブ名人とAutoブラウザ名人にはスケジュール実行やファイル監視実行が標準実装されている。運用の幅が広がり、RPAの展開が容易になる。人とロボットをつなぐ、新たな発想の運用管理システムだ。

 実行指示クライアントの資料請求はこちらから

※本ページの内容はユーザックシステムの「業務改善とIT活用のトビラ」の転載です。転載元はこちらです。

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