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業務を変えるkintoneユーザー事例 第95回

各地のkintone hiveで勝ち残った6社が集結 熱い事例が満載

会社の課題をkintoneで解決した6社のプレゼンイベント「kintone AWARD 2020」レポート

2020年12月01日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●大谷イビサ

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 2020年11月11日~13日にサイボウズの自社イベント「サイボウズデイズ」が開催された。新型コロナウイルス対策をしつつも例年通り幕張メッセで開催され、熱意のある人たちが集い、大きな盛り上がりを見せた。今回は、その中から12日に行なわれた「kintone AWARD 2020」の様子を紹介しよう。

コロナ禍でも盛り上がった2020年のkintone AWARD。グランプリを目指して6社の熱いプレゼンが行われた

 kintone hiveはkintoneのユーザー事例を共有しあうイベントで、2015年から全国各地で開催されている。今年は2月に名古屋、3月に仙台、4月に福岡、5月に大阪、6月に松山と東京で行われた。今年はコロナ禍と言うことで、オンラインで実施。そして、それぞれの会場から選ばれたファイナリスト6社が、「kintone AWARD」に集結。ブラッシュアップされたプレゼンを披露し、投票によってグランプリを決めるのだ。

司会はサイボウズ 事業戦略室 kintone ビジネスプロダクトマネージャー 相馬理人氏

kintoneアプリは100点を目指さず60点の時点で使い始めるべき

 トップバッターは中部地区代表の株式会社アミックスコムから安藤満秋氏で、テーマは「現場を変えたたった1つのkintoneルール」。同社は岐阜県の恵那市にあるテレビ放送やインターネット回線を提供するまちのケーブルテレビ局で、安藤氏は営業部サポートチームという6名の部署で、3年前からチームリーダーとして働いている。

 この部署では、あらゆる顧客からの問い合わせの一次応対と申し込みに対しての受付から請求まで、すべての営業事務を担当している。とは言え、日中のほとんどの時間は顧客対応で取られていた。

「私たちのチームはkintoneを導入するまで、約10年間、ほとんど業務改善ができていませんでした。常時100~200件の案件が流れているのですが、その詳細がわかるのは紙を持っている担当者だけ、という状況でした」(安藤氏)

アミックスコムの安藤満秋氏

 担当者が休んだり部署異動すると、人為的なミスが起きてしまう。防止策を考えるのだが、紙のチェックリストを増やすことに終始し、仕事が増えて複雑になり、またミスが起きるというスパイラルに陥っていた。悩んでいた安藤氏はその時にkintoneに出会い、導入することになる。

 まずは、紙やExcelでばらばらに処理していた処理をkintoneに集約。さらには情報共有をすることにより、自社だけでなく外部の業者とも共有するようにした。最初に作ったのは、顧客の工事スケジュールを関係者で共有するアプリで、「カレンダーPlus」というプラグインを導入。長年の課題があっという間に数時間の開発で一気に解消され、安藤氏はkintoneの柔軟性と楽しさに魅了されてしまった。

「1年が経過した頃には、年間で310時間相当の業務改善を自分たちの手で実現できました。でも、この結果は幸運が続いたわけではなく、現場でkintoneを活用する上で、もっとも大切だと思うひとつのルールを守った結果だと思っています。それが「60点ですぐSTART」ということです」(安藤氏)

 90点100点を作り込んでからアプリを使うのではなく、現場の作業をおよそ再現できる60点になったらすぐに使い始めましょう、と安藤氏。60点で始めるからこそ、小さなPDCAを回せるようになり、現場が動き始めるという。

「人は変えたくないのではなく、変えられたくないんだな、という気付きが得られました。今のルールを変えたくないと思っているわけではありません。自分たちが納得できるやりかたで仕事を変えて行けるなら、どんどん変えていきたいと考えているのです。kintoneはそのことを気づかせてくれました」(安藤氏)

kintoneを導入することで年間310時間の業務効率化を実現

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