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シームレスで簡単な実装、キャップドゥによるkintone連携の契約管理サービスなど国内展開を強化

Dropbox、電子署名サービスを組み込める「HelloSign API」を紹介

2020年11月30日 07時00分更新

文● 指田昌夫 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Dropbox Japanは2020年11月20日、同社が展開する電子証明サービス「HelloSign」のAPI機能について記者説明会を開催した。開発パートナーのキャップドゥも出席し、HelloSign APIを利用したkintoneとの連携ソリューションも紹介された。

HelloSignの特徴。“APIファースト”を掲げており、ユーザーが自社システムに短時間で電子署名機能を組み込める点も特徴に挙げている

Dropbox Japan パートナー事業部長の玉利裕重氏、同社 ソリューション アーキテクトの保坂大輔氏

電子署名サービスをシームレスに自社システムへ組み込める

 冒頭、Dropbox Japan パートナー事業部長の玉利裕重氏は、同社が今年5月に日本の1000人のナレッジワーカーに対して行った調査結果について説明した。テレワークが完全実施できなかった企業における「在宅勤務で困ったこと」のトップ3は、1位が「社内のファイルにアクセスするのが不便」、2位が「印鑑を押す書類があった」、3位は「チームメンバーの業務が見えにくい」だったという。

 「この“3大テーマ”に対して、Dropboxはファイル共有とワークフロー、そして電子署名サービスの『HelloSign』という解決策を用意している。従来から、Dropboxによるコンテンツの共有によってコミュニケーションの改善が図られたという声が多い。チャットやWeb会議などの直接的なコミュニケーションではないが、業務に焦点を当てたソリューションが広く受け入れられている。それに加えて電子署名とワークフローのサービスを提供することで、Dropboxでは働く場所の制約を取り払うことを目指している」(玉利氏)

Dropbox Japan調査より、テレワークが完全実施できていない企業での「在宅勤務の困りごと」トップ3。「押印」問題は2位だ

 HelloSignは、2012年からサービスを開始した電子署名ソリューションで、世界150カ国以上、600万ユーザーが利用している。2019年にDropboxが同社を買収し、Dropboxの操作画面からシームレスに利用できるなどサービスの統合が図られている。現在は日本語をはじめ世界22の言語に対応している。日本では2020年9月からサービス提供を開始した。

 Dropboxとの連携に加えて、ソリューションベンダー向けには電子署名機能を自社製品に組み込めるAPIの提供も開始している。人手ではまかないきれない数の電子署名を処理するには、APIによる連携が必要だ。これによって金融機関などで、大量の顧客に対して電子署名付きの申込書などを発行し、ペーパーレスで運用できる。

Webアプリケーション版のHelloSign、組み込み型のHelloSign APIそれぞれの概要

 APIには自社サイト内に署名欄を埋め込めるテンプレートが豊富に用意されるほか、企業のイメージカラーやロゴの設置も可能なホワイトラベルでの利用も可能。利用企業の使い方に合わせた電子署名サービスの組み込みができる仕組みだ。

 HelloSignはAPIの組み込みやすさにも定評があるという。「HelloSignの基本機能はWebサービスとして提供しているが、“APIファースト”を掲げており、企業が自社のシステムに簡単に実装し、すぐに運用できるのが特徴だ。開発期間は平均でわずか2.5日、39%は1日以内で開発が終わっている。専門のサポートチームが開発を支援する態勢も整えており、第三者機関による開発者への調査でもNo.1の評価をいただいている」(同社ソリューション アーキテクトの保坂大輔氏)

HelloSign APIの特徴。ブランドのカスタマイズを含めてシームレスに、かつ簡単に自社システムへ組み込める

kintoneとHelloSignの連携プラグインを発表

 今回の説明会では、開発パートナーの1社であるキャップドゥによるAPI連携の発表も行われた。HelloSignとサイボウズの「kintone」を組み合わせた企業間の契約管理システムを開発できる「HelloSign for kintone」プラグインで、同社代表取締役社長の森田晃輝氏がその概要を説明した。

キャップドゥ 代表取締役社長の森田晃輝氏。契約管理システム「HelloSign for kintone」を紹介した

 キャップドゥは、kintoneのゴールドパートナーとして実績のあるIT開発会社。またDropboxも2017年からパートナーとして企業に導入している。今回の連携プラグインについて森田氏は、「単に契約を行うための仕組みではなく、契約完了までのプロセスの管理と、契約後の更新作業や契約書の管理と検索も行えるソリューションだ」と説明する。

 このプラグインを使って構築できる契約管理システムは次のようなものだ。まず、kintone上で契約プロセスを管理しながら契約書の作成を進める。署名が必要な段階では、同社が開発したPDF作成プラグインの「KAIZEN PDF」によって、契約書の体裁をしたPDFを作成。そこにHelloSign用の署名欄を付けて契約先に送付する。このとき、Dropboxを使って契約相手と「共有」することも可能だ。これにより、面倒な契約書の郵送や、紙の署名済み契約書の管理が不要になるほか、いつでも検索することができる。

HelloSign for kintoneで実現する業務効率化のイメージ

 キャップドゥ社内で本サービスを使ったところ、契約書1件の締結に必要な時間は約3時間からおよそ5分へと大幅に短縮し、作業工数は15ステップから2ステップに、作業に必要な人員も3名から1名に削減できたという。

 利用料は、HelloSignの利用料込みで月額1万8000円(税別、初期費用なし)。送信件数は年間600件までとなっている。森田社長は「一般的な企業では年間600件で足りると思っているが、従業員が1000名以上の企業からも引き合いがあり、今後はより多い件数が送信できるDropboxの別プランに対応した料金も設定する予定だ」と話した。

 Dropboxの玉利氏は、「このAPI連携のように、Dropboxのグローバルなサービスを日本のソリューションベンダーと組んで市場に投入することは、日本法人のパートナービジネスにとって非常に大きな成果だ」と語る。同社では2020年の注力分野として「パートナービジネスの加速」を挙げており、日本独自のアプリとの連携を拡充していく方針だ。

 さらに、今回のHelloSign for kintoneは、国内だけでなくキャップドゥの海外子会社である豪州のSazaeが、豪州を中心に海外でも販売を開始する予定だ。日本とグローバルのソフトウェアを組み合わせ、新しい価値を付けて世界に送り返すという、新しい試みが始まった。

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