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Sunny Cove+Xe LP=Cypress Cove?

Rocket Lake-S概要発表!Xe LP&PCIe 4.0×20、IPCは10%以上GPU性能は50%向上

2020年10月30日 00時00分更新

文● ジサトライッペイ 編集●ASCII

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 2020年10月30日午前0時(日本時間)、Intelは次期デスクトップPC向けの第11世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Rocket Lake-S)の概要を発表した。同CPUは2021年第一四半期に発売する見込みで、既報ではPCI Express 4.0(Gen 4)に対応することが明らかになっており、「近い将来、詳細を公開することをうれしく思う」とアナウンスしていることを紹介している。

 ゆえに、今回の発表はその「近い将来、詳細を公開」にあたる内容だと考えるのが自然だが、タイミング的には先日発表した競合であるAMDの新CPU「Ryzen 5000シリーズ」に対する牽制と見て間違いない。Intel曰く、Rocket Lake-SはComet Lake-S以上の性能をゲーマーとエンスージアストにもたらすCPUになるという。「なにを当たり前のことを……」と思うかもしれないが、同社の自信はこのたび明らかになったRocket Lake-Sの概要にある。それでは詳しく見てみよう。

Intelの資料から抜粋したRocket Lake-Sの概要

同じく、Intelの資料から抜粋したRocket Lake-Sのポイント

 Rocket Lake-Sは新アーキテクチャー「Cypress Cove」に刷新され、IPCは前世代から10%向上している。内蔵GPUは「Intel UHD Graphics」ブランドではあるものの、同社独自のGPUアーキテクチャー「Xe」を採用している。資料によれば、Cypress CoveアーキテクチャーはIce LakeのCPUコアアーキテクチャー(Sunny Cove)とTiger LakeのGPUコアアーキテクチャー(Xe LP)の特徴を備えるとあり、そう考えるとプロセス製造は10nmに移行するのではないかと思われる。しかしながら、資料にはプロセスに関する記載は見当たらなかった。

 そして、大原氏の連載で語られている通り、Intelは最新のコアアーキテクチャーを前世代のプロセスで製造する方針を公にしているので、これまでと同様14nm++になることも十分考えられるだろう。とは言え、従来比で50%以上も性能が上がったXe LPを14nmで実装するとなると、その発熱は第10世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Comet Lake-S)の比ではなくなる。そのためか、Cypress Coveコアは最大8コア/16スレッドと、Comet Lake-Sの最大10コア/20スレッドから2コア/4スレッド減っている。

 その他の話題では、PCI Expressのレーンは既報の通り、3.0(Gen 3)から4.0(Gen 4)にアップデートされており、レーン数は最大16から最大20と増量している。これは従来からあるビデオカード接続向けの×16に、NVMe SSD接続向けの×4が追加された形だ。そのほか、Rocket Lake-SではAI向けの機能として深層学習の高速化機能「Intel Deep Learning Boost」(VNNI命令)を新規でサポート。USBのバージョンはUSB 3.2 Gen 2×2(最大20Gbps)に対応する。

 なお、資料ではオーバークロックにおける新機能(より柔軟な性能チューニングができるとあるが……)やIntel 500シリーズチップセットという新しいチップセットへの対応も謳われているが、その詳細は明かされなかった。とはいえ、つい最近ソケットをLGA1200に変更しているため、Intel 500シリーズチップセット搭載マザーボードでもLGA1200が採用され、Intel 400シリーズチップセットとの互換性は保たれると思われる。もちろん、その場合はPCI Expressは3.0で使うことになると思うが、果たして……。

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