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Slackが教育機関向けウェビナーを開催、それぞれの活用法やメリット、留意点などを紹介

オンラインキャンパスの運営者3名が語る「Slackの価値」

2020年10月23日 08時00分更新

文● 指田昌夫 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Slack Japanは2020年10月14日、Slackの教育機関での活用例を紹介するウェビナーを開催。全国から300名以上の教育関係者が参加した。

 今回講演したのは、つながるキャンパス 社会人サポーターの山口春菜氏、バンタンテックフォートアカデミー 事業開発部チーフの渡辺敦司氏、関西学院大学 経済学部 講師の向井光太郎氏の3名。それぞれのコロナ禍におけるSlack活用について説明した。

つながるキャンパス:全国の学生と「つながる」場を設定

 最初に、つながるキャンパスの山口氏が登壇した。山口氏はパソナJOB HUBに所属し、地方企業と都市部人材を複業やワーケーションでマッチングするサービスを担当している。また、山口氏自身「旅するようにはたらく」をコンセプトにしており、全国を旅しながら活動しているユニークな人物だ。この講演も、鳥取から配信していた。

訂正とお詫び:初出時「地方の企業と地域人材をマッチングするサービスを担当」となっておりましたが、正しくは上記のとおりです。お詫びのうえ訂正いたします。(2020年10月26日)

つながるキャンパス 社会人サポーター/パソナJOB HUB ソーシャルイノベーション部 ワーケーションプロデューサーの山口春菜氏

 山口氏が参加する「つながるキャンパス」は、コロナ禍の2020年4月からはじまったボランティア組織。休講で授業もリモートになり、キャンパスライフを送れない学生を支援するために、Slackを使ってオンラインで交流の場を提供する。学生の「第二のキャンパス」として、現在国内外から360名ほどが登録しており、それを支援する100を超える機関や個人が集うコミュニティとなっている。

「つながるキャンパス」(通称つなキャン)の活動目的と特徴

 つながるキャンパスの活動目的は、コロナによって高校生、大学生の学習や就職活動に遅れが生じている状況を改善し、学習機会や情報提供をしていくこと。また学校が閉鎖されたことで、学生が孤立し、地域社会とのつながりも絶たれる恐れがあるため、つながりの場を提供し、支援していくことにある。

 「オンライン授業では、授業の合間の『休み時間』に友達と会話することができません。そこでつながるキャンパスでは、たとえば朝起きたときや授業の空きコマにふらっと立ち寄れるSlackのチャンネルを設定し、学生たちが自由に交流する場を提供しています」(山口氏)

 他にも、学生が自分と関わってみたい地域の事務所と連携できる場所や、企業やNPOで働く大人と交流できるサロン、就活相談の場などを設けている。

 「ボランティアのサポーターと学生との定期的なランチなども実施していますが、いつ、どこ(URL)で行うかといった情報は、Slackのワークフローを使ってフォーマットを揃えて、誰でも簡単に設定できるようにしています」

 Slackは、スマホからも操作が容易で、他のSNSとの連携も簡単にできるので、Slackだけ使っていれば困ることはないという。また運営側としては、学生に安心して参加してもらえるように、不正な書き込みやネットワークビジネスの勧誘などがないように相互監視するよう呼びかけている。今のところそういう問題は起きていないという。

Slack上の“キャンパス”に多数のチャンネルを用意。「たまり場」や「食堂」から「キャリアセンター」「起業相談」まで幅広い

 現在は完全ボランティアの活動だが、寄付制度もあり、今後は協賛パートナーを募るなどの活動を進めていく計画だ。

 「これからは、リアルとオンラインのキャンパスが共存するようになると思います。そして、オンラインでは学生が孤独になる恐れがあることもわかってきました。直接会うことができなくても交流できる、学生生活のプラットフォームとしてSlackを活用していきたいと思っています」

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