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フリーランスで仕事が途切れないお金とプロ意識の法則

2020年10月14日 06時00分更新

文● 伊藤賀一(ダイヤモンド・オンライン

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フリーランスは、老若男女の依頼先からモテなければなりません(写真はイメ―ジです) Photo:PIXTA

コロナ禍で働き方が多様化している昨今、「フリーランスで働くこと」へのハードルが下がっている一方で、収入面での不安などもまだまだ大きいのではないでしょうか。そんな中、30歳で会社を離れてから18年間、「完全フリーランス」として働く伊藤賀一氏は、現在でも仕事の依頼が後を絶ちません。実は、特別なスキルや人脈がなくても、“わらしべ長者”のように仕事が途切れない「仕事のやり方」があるといいます。そこで前回に続き今回も、スタディサプリ社会科講師・伊藤氏の新刊『会社を離れても仕事が途切れない7つのツボ』(青春出版社)から、フリーランスとして仕事が途切れない人の「お金とプロ意識の法則」について紹介していきます。

「ギャラが安い」で断るのは2回目から

 人はボランティア活動は有意義と考え、報酬がなくてもマイナス評価はされません。なのになぜゼロや安いギャラで仕事を受けると赤の他人にまで叱られるのかは謎です。

 安く受ければ、ギャラの高いライバルは少なくとも消えるし、仮に「利用されたな」と思ったら、次に断ればいい。そうすれば、「利用されたが次は断った」という経験値がつき、他人の相談を受けた際にアドバイスできるのに、と僕は考えています。

 個人的には、「利用しよう」と思って安いギャラやノーギャラでこき使おうとする人を、ほとんど知りません。たいていは「チャンスを回してあげよう」という善意でしょうし、そんなギャラでほいほい仕事する人に、「利用する」価値などあまりないからです。

 絶対に必要な人なら、それなりのギャラを払うはずです。安いあるいはノーギャラということは、多くの場合、「予算は出ないけどこういう場所がある」と知らせたい「サークル活動的な感覚」なのでしょう。

 そこまで悪気があるとも思えないし、嫌なら断ればいいだけの話です。大した問題じゃありません。高い仕事と安い仕事のバランスも、深く考えなくていいと思います。同じような仕事なら高いほうがいいに決まってますから。

 僕は人生でギャラの交渉を一度もしたことがありません。すべて言い値で受けてきました。言っても変わらないだろうし、言って変わるようなら舐められてる証拠なので、次から断ります。とはいえ僕も、契約の席で何も言わないわけではありません。次のように言うことがあります。

「1つだけ条件いいですか? このギャラを払うだけの価値がない、と思ったら温情かけず切ってくださいね」

「この人にはたくさん払ってでも頼みたい」と思われる条件

 これは、「モテる秘訣」と同じです。フリーランスは、老若男女の依頼先からモテなければなりません。僕個人としては、「自分の好きな人から好かれる」ということ以外、何の興味もないですし、幸いその経験がありますから、すでに人生には十分満足しています。

「好きな人にどう思われるか」がすべてなので、誰に嫌われようが何とも思いません。何かを決めたり行動したりする時に「あの人はどう思うだろう」と考え、「あの人が嫌がることはしないが、良いと思うであろうことは何でもする」と、単純明快です。これを仕事人の自分に当てはめると、「お客から好かれる」ということ以外、何の興味もなく、「お客にどう思われるか」がすべてです。こんなに客目線・客基準で物事を考えていれば、そうそう嫌われることはありません。

 ここまでが、大きな話。では、小さな話をしましょう。忙しい人のほうがモテます。特にフリーランスの場合、ヒマ人=能力が低く需要がないと見なされます。忙しい売れっ子なのに、何とか自分の仕事を受けてくれる、という状態が、依頼者からすれば快感なのです。

 また、「仕事ありませんか?」等と連絡しない人のほうがモテます。なぜか?相手(依頼者)が必ずゴキゲンなのは、「自分が(フリーランスに対して)連絡したい時」です。そのタイミングでしかコミュニケーションしないということは、向こうが一番盛り上がってるタイミングで話せるということです。

 複数の本気の相手(複数の本業=「複業」の相手)を持っておけば、仮に向こうが月イチしか連絡してこなくても、こちらの感覚では結構な頻度で誰かしらの相手をしていることになります。30の取引先があれば、毎日連絡が来る。それも最高にゴキゲンな相手からモテモテ。これが「仕事が途切れない」ということです。すぐには無理でも、ぜひこういう状態を作りたいものですね。

フリーランスで仕事が途切れない2つのポイント

 フリーランスにとって、
「いざという時のための資格はあるけど開店休業」
「やってる間にうまくなる」
 の2タイプは、将来的にどちらの仕事が途切れないと思いますか?

 答えは、圧倒的に後者なんです。そもそもフリーランス=傭兵です。「現在依頼している仕事に関しては」スペシャリストであってほしい。進行管理などゼネラリスト的な能力は、依頼者側が持っておくべきものなのです。

「いざという時のための資格」は、今は「いざ」ではないわけですから、おそらく取りっぱなし状態で、ブラッシュアップされていないですよね?

 それでは意味がないのです。その資格で一人立ちできるくらいのレベルがない限り、依頼者は現れません。資格をたくさん持っている本人は「器用貧乏」だと思っているかもしれませんが、じつはただの「貧乏」になってしまう怖れがあるのです。

 でも、資格すら持っていない人が、どうやってジャンルを広げていけばいいの?と思いますよね。「すべての卵を1つのカゴに盛るな」という有名な経済学の格言があります。リスクを分散せよ、という意味です。

 ポイントは2つあります。1つめは「自己認識」です。自分の売りは何か、すなわち「なぜ依頼者は自分にこの仕事を振ってくれているのか」の認識です。東大出身など有名ブランドがあるからか、スタディサプリ講師として背後に多数の想定読者が控えているからか(伊藤賀一などスタサプ講師)、ギャラが安くてフットワークが軽いからか(多数のフリーランス)…等々。

 ここを間違えると、その「売り」を平気で捨ててしまうことになります。多数のフリーランスはギャラ交渉をせず、ウィズコロナだからと地方に引っ越さないほうがいいのです。

 もう1つは、良い依頼者に巡り合うことです。多くのフリーランスが勘違いしている点なのですが、大事なのは、「するか、しないか」であって、「できるか、できないか」の判断は依頼者がすることなんです。

 依頼があったということは、依頼者が「キツいだろうけど、この人にこれを依頼してあげよう」と判断したということです。「できる」と思ってくれている、ということなんです。ならば我々は、全力でその期待に応えようではありませんか!

 依頼者の眼力を信じて真剣に取り組む。それが、一見地道でも、仕事が途切れない秘訣なのです。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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