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FIXER cloud.config Tech Blog

Microsoft Graph SDKを使う ~ライセンス管理編~

2020年10月16日 11時00分更新

文● 石川 順平/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「Microsoft Graph SDKを使う ~ライセンス管理編~」を再編集したものです。

 こんにちは、某輪っかを使って遊ぶゲームの先着販売に勝利した石川です。

 今回はMicrosoft 365のライセンス(Azure AD P1とかPower BI Proとか)をSDKを使ったAzure Functionsから監視してみたいと思います。

前提条件

・Azureのテナントがある
・ADアプリ(サービスプリンシパル)を作成できる
・何かしらのライセンスをテナントで所持している

 保有しているライセンスは

Azure Portal => Azure Active Directory => ライセンス => すべての製品

 から確認可能です。

ADアプリを作成する

 Azure PortalのAzure Active Directoryブレードから作成します。

 アプリの登録を押下するとこの画面に。新規登録を押下し、必要な項目を埋めます。

・名前:アプリケーションの名前、何でもOK
・サポートされているアカウントの種類:デフォルトのまま
・リダイレクトURI:空欄のままOK

 埋めるとこんな感じ。登録を押しましょう。

 登録できました。

・クライアントID
・テナントID

 を後から使うのでメモっておきます。

ADアプリに権限を付与する

 Microsoft Graphをアプリケーションから叩くため、アプリケーションに必要な権限を割り当てる必要があります。

 所有しているライセンスを取得するためにはDirectory.ReadAllとOrganization.ReadAllを付与するとOKです。

 先ほどの画面からAPIのアクセス許可を押下します。

 「アクセス許可の追加」を押下し、少しスクロールしてMicrosoft Graphを選択。

 アプリケーションの許可を選択し、Directory.ReadAllとOrganization.ReadAllを探して選択し、アクセス許可の追加を押下します。

 最後に「<テナント名>の同意を与える」を押下して完了です。ここで必要以上の権限を割り当てると、もしアプリの情報が漏れたときに外部からAPIアクセスが通るようになってしまうので、必要以上の権限を割り当てないようにしましょう。

 このような表示になればOKです。

ADアプリのシークレットを発行する

 次にADアプリへシークレットを発行します。

 証明書とシークレットをクリックします。

 このような画面になるので新しいクライアントシークレットを押下し、必要項目を入力/選択して追加します。

・説明:クライアントシークレットの説明(〜用など自由に入力)
・有効期限:シークレットの有効期限を選択

 埋まったら追加をクリックするとシークレットが発行されます。

 発行されたシークレットが表示されますが発行したタイミングでしか確認ができないので、必ずメモしておきましょう。

SDKを使って実装する

 ここからはコードを書いて実装していきます。

 クライアントID、テナントID、シークレットは環境変数から読むように記述していますので適宜読み替えてください。

 まずはNuGetからSDKを導入します。

dotnet add package Microsoft.Graph

Graph SDKは以下の手順で利用します。

1. IConfidentialClientApplicationの作成
2. ClientCredentialProviderの作成
3. GraphServiceClientの作成
4. 有効なライセンスの取得

 では順にやっていきましょう。

1. IConfidentialClientApplicationの作成

var adapplication = ConfidentialClientApplicationBuilder
    .Create(Environment.GetEnvironmentVariable("ClientId"))
    .WithTenantId(Environment.GetEnvironmentVariable("TenantId"))
    .WithClientSecret(Environment.GetEnvironmentVariable("ClientSecret"))
    .Build();

 クライアントID、テナントID、シークレットをここで読み込み、認証情報を作成します。

2. ClientCreadentialProviderの作成


var provider = new ClientCredentialProvider(adapplication);

 作ったIConfidentialClientApplicationを使ってClientCredentialProviderを作成します。

 次にこれを用いてGraphServiceClientを生成します。

3. GraphServiceClientの作成


var client = new GraphServiceClient(provider);

4. 有効なライセンスの取得


var subscribedSkus = await client.SubscribedSkus
    .Request()
    .GetAsync();

 これでsubscribedSkusに有効なライセンスがIGraphServiceSubscribedSkusCollectionPageとして取得できたので、あとは煮るなり焼くなりご自由に!IEnumerableと同じように扱えるのでforeachとかでぶん回して出力するなりしちゃうといい感じになります。

 社内ではSlackのBotにしてデイリーでメッセージを投稿するようにしています。いろいろ消してますが以下のようになってます。

石川 順平/FIXER

 九州のとある高専卒のFIXER2年目。すき間時間でbotを作ったりAZ系の資格の勉強をしたりしています。まだまだAzure初心者です。趣味はゲームやったりバイクで出かけたりすることです。某MMORPGとか騎空士をしたりもしてます。

[転載元]
 Microsoft Graph SDKを使う 〜ライセンス管理編〜

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