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ライブハウスはコロナと共存できるのか?最新の取り組みを取材

2020年10月01日 06時00分更新

文● 泉澤義明(ダイヤモンド・オンライン

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Photo:Sunash

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、クラスター(集団感染)が起こりやすい場所として行政から名指しされたライブハウス。コロナウイルスが依然として猛威を振るう今、どのような取り組みをしているのでしょうか? 1997年から静岡でライブハウスを経営しているSunashオーナーの浅原さんに取材しました。

緊急事態宣言・自粛要請の解除後も
キャンセル相次ぐ

コロナ対策に関する注意喚起を行っているPhoto:Sunash

 このライブハウスでは、緊急事態宣言・自粛要請が解除された後も、ライブのキャンセルが相次いでいるという。

「本来ならばキャンセル料が 発生するケースもありましたが、コロナ禍による延期に対しては、無料で対応しています。お客さまに、再び当店を利用してほしいからです。安全対策として、ライブを鑑賞される方には、入場時の検温・アルコール消毒と、館内でのマスク着用をお願いしています。そのほか、会場の入場制限も実施しています。本当は230人収容できるところ、半分以下の100人までに制限しています。また、ライブ中もマスクをしたまま、ソーシャルディスタンスを保っていただいています」

ライブ演出の一環として換気を実施
バンド・会場・観客が連携

Photo:Sunash

 取材当日、このライブハウスでは、日本を代表するパンクバンドの一つである「ラフィンノーズ」のライブが行われていた。

「ラフィンノーズ」は1981年に結成され、バンドと観客が一体となるライブパフォーマンスが特徴だ 。

 パンクバンドのライブでは、パフォーマンス中にもみくちゃにされるイメージが強かったが、今回は違った。観客はライブ中もマスクをはずすことなく、指定された場所で距離を取りながらライブを楽しんでいた。

 ライブ中には、ボーカル自ら「扉開けて換気しようぜ」と会場に呼びかけ、入り口のドアを開けて換気する場面が何度もあった。

 この場面について浅原オーナーは、あらかじめライブ前の打ち合わせで、バンド側から換気のタイミングに関してリクエストがあったと語る。

「バンドのみなさんは観客はもちろん、ライブハウスのことや、エンターテインメント全体のことまで真剣に考えています。会場としても万全の対策を取っています。万が一クラスターが発生した場合に備え、個人情報保護法を厳守しながら、お客さまのお名前・住所・電話番号を記録しています。お客さまからもご理解、ご協力をいただいています」

収益減を受けて
新たな取り組みを実施

 連日、コロナウイルスの感染情報に関する報道が続いている。「感染者が増えた」などのニュースがあると、当然ながら来店する人も減ってしまう。そのため、本当はライブ開催の告知もしたいところだが、それも控えているとのこと。

 コロナはいつ終息するのか、先が見えない中で苦境が続く。

「もちろん、給付金や家賃保証は申請しましたが、正直大変です。コロナ禍で大打撃を受けていても、家賃やスタッフの給与など固定費の支払いは待ってはくれません」

 メインの収益源であるライブ収入が減っている中、全国の各ライブハウスでは、オンラインで有料課金型のライブ配信をしたり、クラウドファンディングで支援を募ったりしている。

オリジナルグッズの制作など、新たな取り組みを行っている Photo:Sunash

「減損分の穴を少しでも埋めるべく、 新しい取り込みをしています。例えば、 期間限定の取り組みとして、ライブ以外の目的でスタジオ・ホール・ステージのレンタルを実施しています。MV撮影やゲネプロ、そのほかユーチューブの撮影など、さまざまな用途での使用に対応しています。さらに、ライブハウスのオリジナルグッズを作りました。前から作ろうと思っていたのですが、これを期に作ることができました。デザインなどスタッフ皆で考え、サイトでも購入できるようにしました」

 多くのライブハウスでは、コロナ対策のガイドラインを守っている。そして観客もマスクをして距離を保つことにより、感染リスクを減らすことができる。

 この秋から、緊急事態宣言後に延期になっていた一部バンドのライブが再開される予定とのこと。コロナ第2波、第3波の懸念もささやかれる中で、再延期にならないか不安もあるが、万全の対策をして、アーティスト・観客がエンターテインメントを楽しめる場を提供していきたいと話してくれた。

(泉澤義明/5時から作家塾(R))

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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