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新幹線の座席が、2人席と3人席の並びになっている深い理由

2020年09月25日 06時00分更新

文● 横山明日希(ダイヤモンド・オンライン

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2人以上で新幹線に乗る場合、「離れて座りたくない」もあれば、「無関係な人が割り込んで欲しくない」も悩む条件になる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

学生時代に数学を習っていた時からずっと苦手意識がある、という文系の人は多いのではないでしょうか。しかし、数学に苦手意識がある人とない人の違いは、成績ではなく、「そうだったんだ!」という納得感を体験したか、していないかだったのです。そこで今回は、「数学のお兄さん」として数学のおもしろさを伝える活動をしている横山明日希さんの新刊『文系もハマる数学』(青春出版社)から、数学を身近に感じられる雑学を紹介します。

新幹線が2人席と3人席の並びになっている理由とは

 新幹線の指定席をWebサイトで予約する時に悩むことはありませんか?僕も悩みはじめて深く考え込んでしまったことがあります。「どこの座席にするべきか」ではありません。なぜ「新幹線の座席は、2列と3列なのだろう?」と。

 そこで頭に浮かんだ言葉が「旅は道連れ」です。1人であれば、空いている席すべてが選択肢で、選ぶ条件は個人的な好みです。混んでいる時間なら、座れればどこでもOKと考えるかもしれません。

 しかし、2人以上ならどうでしょうか?「離れて座りたくない」もあれば、「無関係な人が割り込んで欲しくない」も悩む条件になりそうです。この悩みを解決してくれる仕組みが、実は、「2人席、3人席」の座席配列に隠されていたのです。

 これは数式を使えば解き明かすことができますが、ここではわかりやすく「条件の列挙」で考えてみましょう。新幹線の座席の配列によって、「何人ずつ座れるか」を検証してみます。

 こうして見ると、2列・3列では、「さまざまな人数の組み合わせでも近くに座席を確保できる」ことがわかります。

 この2列・3列の座席の組み合わせによって「旅の道連れ」を最適化できる座席選択が可能になり、「新幹線の旅」が、良い思い出を作りやすい環境を作っていたのです。

クレジットカードの16ケタの番号は
セキュリティ目的ではなかった!?

 キャッシュレス決済がコンビニやスーパーでも日常化し、対面レジでのカードをやり取りする機会が増えました。一方で、Webサイト上でのクレジットカードによる決済では、16ケタのカード番号の入力や登録の「手間」が求められます。

 Webサイトにカードの番号を入力するのは、不安に思う人もいるのではないでしょうか。16ケタも入力するのは間違いが多くて面倒くさいという人もいると思います。なぜ、16ケタの番号を求められるのでしょうか。

「トラブルが起きないようにセキュリティがかけられている。その厳重さがケタ数の多さだ」。そう考えている人は多いようです。しかし、Webサイトでの通信販売の決済時にはカード裏面にある3ケタの「セキュリティ番号」を求められます。裏面の3ケタがセキュリティ目的の番号なら、表面の16ケタの数字は何のためにあるのか不思議になりませんか?

 実は、Webサイトで16ケタの数字の入力を求めるのは「入力画面の前にいる人物が、そのカードを手にしている人かどうか」の確認のためなのです。もちろん、「PCやスマートフォンがあなたを監視している」わけではありません。その確認はとても単純な仕組みによって行われています。

 16ケタの番号には、それ自体に機能が隠されています。「チェックサム」と呼ばれるもので、決められた番号配列のルールと異なる数字を入力すると「検出不能=入力間違い」としてエラーになる仕組みです。

 つまりカード番号を入力した時点では、その番号とあなたの登録個人情報を照合して確認しているわけではなかったのです。エラーは、単純に「ちゃんとカードを見て、正しい番号を入れて!」と、入力のやり直しを求めているのです。

 自分も気づかない入力ミスが、なぜ「ばれる」のか、ちょっと不気味でもありますね。それは、16ケタの番号が「ルーン・アルゴリズム」という数学的なルールを持った仕組みで決められた配列になっているからです。

 人間には少々手間のかかる計算ですが、Webサイト上の入力画面に組み込む機能としては軽いデータで済む仕組みです。その場で人為的な「入力ミス」を判断し、「ちゃんとカードを見て!」「本当にカード番号を知っていますか?」という意味でエラー表示を出していたということです。

 このように、数学は意外と身近な所にも潜んでいるのです。「これが将来何の役に立つのか?」と思いながら数学を勉強している学生たちも、数学のおもしろさ・奥深さを知ればきっと、“ハマる”ことができるはずです。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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