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コロナ禍を生き残るためのテレワークの進め方 第6回

恒常的なテレワーク体制へ移行する企業 オフィスはこのままでよいのか?

Withコロナ時代のオフィスネットワークをヤマハ製品でアップデートせよ

2020年09月29日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: ヤマハ

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 新型コロナウイルスは日本人の働き方を大きく変えている。企業は緊急事態宣言後の「付け焼き刃的な対応」から、Withコロナ時代の新しい働き方を前提としたオフィスインフラを考えなければならない。こうした「ニューノーマルオフィス」の実現にヤマハのネットワーク機器はどのように寄与してくれるのだろうか?

必要なのはテレワーク一辺倒ではない働き方の選択肢

 2020年は新型コロナウイルスの影響で、日本の働き方が大きく変わる1年となった。一言で言えば「テレワークが働き方の選択肢に」。緊急事態宣言以降、長らく利用が進まなかったテレワークが一気に普及し、企業も一時的ではなく恒久的な対応に迫られることとなった。現在では、テレワークと親和性の高いIT系企業やホワイトカラーの業務が中心だが、今後は今まで難しいと考えられていた業務にもテレワークが波及していくだろう(関連記事:在宅勤務の課題「自宅ネットワーク環境」を企業はどう支えるべきか)。

 テレワークは今回のようないわゆるパンデミック対策にとどまらず、働き方改革や災害対策、人材不足などの観点でも大きなメリットをもたらす。テレワーク人口が増えれば、拠点や就業時間が分散するため、悪名高い首都圏の満員電車が緩和される。従業員も出産や子育て、介護といったライフイベントによりそった柔軟な働き方が可能になる。また、災害大国である日本の企業は、毎年のように訪れる台風や地震などにも対応していく必要があり、その点でもテレワークは有効な方策と言える。さらにテレワークで場所を問わない仕事環境が整えば、地方や海外での人材獲得も可能になる。こうすれば人材不足の解消にもつながり、都市と地方の格差も自然に埋まっていくだろう。

 とはいえ、オフィスは不要になるのか?というと、必ずしもそうにはならないはずだ。確かにIT企業の一部では都内のオフィスを縮小したり、閉鎖する動きも見られる。先日は大手人材会社のパソナが本社を兵庫県の淡路島に移すと発表し、大きな話題になった。しかし、テレワークが長期化することで、在宅勤務者やマネージャーからは、「気軽に相談できない」「孤独感を感じる」「業務の進捗が見えない」といった不満も漏れている。本来、「生活の場」である自宅で仕事することに抵抗感を感じる人もいるし、オフィスワークがもたらすチームの一体感を、テクノロジーで代替できるとはまだまだ言いがたい。

テレワークとオフィスワークのメリット・デメリット

 現在、テレワーク一直線に向かう先端的な企業と、テレワークの試行を経て結局オフィスに戻る企業の間には大きなギャップが生まれつつある。しかし、今の企業に求められるのは働き方の選択肢とそれを実現するワークスペースの整備だ。あるときは出社、あるときは在宅勤務、そしてあるときはシェアオフィスなど、業務の内容にあわせて柔軟に働く場所を変えられる「ハイブリッド型ワークスタイル」がベストなソリューションと言える。コロナ以前に戻れないのなら、むしろ積極的な投資を行ない、強靱な「ニューノーマルオフィス」を構築するのが企業として進むべき道と言える。

ニューノーマルオフィスにはニューノーマルなネットワークを

 では、テレワーク対応を謳うニューノーマルオフィスにはなにが必要になるだろうか?

 はっきりしているのは、コロナ渦以前のように狭いオフィススペースに多くの従業員を集約させるという手法は、そろそろナンセンスになってきたということだ。コロナ禍においては、人と人の間で距離を保つソーシャルディスタンスが求められており、オフィスにおいても三密にならないよう配慮が必要になる。そして、在宅勤務やモバイルワークが当たり前になり、会社外で働く人が増えれば、おのずと固定のデスクスペースの稼働率は下がっていくだろう。

 もう1つのポイントは、コミュニケーションの質と量を担保することだ。オフィスで集まって仕事していたときの会話は、テレワークではチャットや遠隔会議に置き換わる。つまり、オフィス内での会話の総量がテキストや映像・音声などのデータとして、そのままクラウドのアプリケーションに流れるわけだ。特に重要になるのは正確に意図や気持ち、ニュアンスを声で伝えるための音質の向上。最新のテクノロジーを活用し、コミュニケーションを円滑にする会議室や既存のワークスペースを実現しなければならない。

 ソーシャルディスタンスを保ちつつ、在宅勤務やシェアオフィスとシームレスに、セキュアにつなぎ、快適な遠隔会議環境を実現するニューノーマルオフィス。ここまで読んでくれば、その鍵がネットワークにあることは自明だろう。クラウドとの安定した通信と従業員をセキュアにオフィスネットワークに導くVPN、安定性の高い有線LAN、そして柔軟な働き方を実現する無線LANなど。そんなニューノーマルオフィスは、ヤマハのネットワーク機器が実現してくれる。

ニューノーマルオフィスを実現するヤマハのネットワーク機器

 ヤマハと言えば、インターネット黎明期からのルーターの老舗だが、スイッチ市場に参入して10年、無線LAN市場に参入して8年が経過し、すっかり総合的なネットワーク機器メーカーとなっている。信頼性の高い質実剛健なハードウェア、最新の技術にいち早く対応し、安定動作するソフトウェアに定評があり、日本の中小企業・SOHOのネットワークを長らく支えてきた。そして、音にこだわるヤマハのDNAを活かした高音質な会議用スピーカー製品もあわせて展開している。結果として、「新型コロナウイルスの影響下、テレワークに必要なものはすべてヤマハでそろう」という総合商社のような品揃えを擁している。

高速インターネット、セキュリティ、VPNなどテレワーク環境の底上げを実現

 ニューノーマルオフィスでヤマハルーターが実現するのは、遠隔会議やクラウド利用を見据えた高速なインターネット接続だ。オフィスや家庭でのアプリケーションの遅さは、やはりインターネット回線の貧弱さに起因することも多い。これを最新のギガビットFTTHとヤマハルーターに置き換えることで、快適な遠隔会議とクラウド利用が実現される。当然ながら、大容量に耐えうる高性能なギガビットルーターが必要になる。

 もちろん、ギガビット対応を謳うルーターは世に数多く存在するが、安価な個人向けルーターでは利用に耐えられないことも多い。たとえば、クラウドサービスの利用においては、1つのPCで数千におよぶセッションを張る必要があるため、通常の個人向けルーターはこうしたセッション数をさばききれない。また、高いスループットを実現するのであれば、PPPoEのオーバーヘッドがないIPv6の導入も検討する必要がある。その点、NVR510やRTX830といったヤマハの最新ルーターは、大容量FTTHを十分に活かす高い性能を誇る。NVR510・RTX830はLAN間でのスループットは2Gbps、NATセッション数も6万5534と十分で、IPv6にも対応する。

高いスループットとセッション数をさばききる「RTX830」

 さらに、企業用途であれば、ファイアウォールもシンプルなパケットフィルタリングではなく、クラウドアプリケーションの可視化や制御が可能な高機能なものが必要だ。セキュリティ機能に関して見てみると、NVR510は不正アクセス検知(IDS)、RTX830はIDSに加えて、外部サービスと連携するURLフィルタリングやアプリケーションごとにルーティング、QoS、フィルタリングをかけられる「アプリケーション制御(DPI)」に対応する。

 また、今回のテレワークにおいて大きな課題となったのが、VPNのキャパシティ不足だ。今回のコロナ禍を機にシステムのクラウド化を進めた会社もあるが、多くの企業ではVPNを経由して社内システムやNASにリモートログインさせる必要があった。しかし、VPNは全社員がテレワークするといった前提で設計されているわけではないし、VPNのキャパシティを急遽増やすのはなかなか難しい。以前使っていたVPNゲートウェイを倉庫から急遽引っ張り出して使った結果、ソフトウェアが古く、脆弱性を突かれて不正アクセスを受けたという事例もあったようだ。

 緊急事態宣言から半年近く経った今、「急作りだったVPN」もそろそろ本腰を入れて刷新しなければならない。クラウドへ移行するシステムの優先順位を付けたり、全社テレワークを前提としてVPNを増設する必要がある。ここでも有効な選択肢になるのがヤマハのルーターだ。

 最新のギガビットルーター「RTX1210」はVPN対地数100(IPsecスループット1.5Gbps)、センター型ルーターとして設計されている「RTX3500」はVPN対地数1000(IPsecスループット2Gbps)を誇っており、安定したVPN環境を実現できる。VPN導入の選択肢としては、クラウド型VPNサービスもあるが、安定したスループットと性能はハードウェアならではのメリットだ。また、テレワークを行なう従業員のPCにはセキュアなリモートアクセスを実現するVPNクライアント「YMS-VPN8」を導入すれば、社内システムにはVPNで、クラウドサービスには直接インターネットで接続できるので、VPNの負荷やトラフィックを軽減することが可能になる。

YMS-VPN8が実現するインターネットブレイクアウト

遠隔会議を前提にした新しいオフィスネットワークとは?

 インターネットやWANの接続に加え、オフィス内のネットワークもテレワークを前提とした設計が求められる。一言で言えば、安定性を求められる有線LANとフレキシビリティを提供する無線LANのハイブリッドだ。

 テレワークでもっとも用いられるアプリケーションは遠隔会議だ。遠隔会議では動画と音声のような大容量・リアルタイムな通信を行なうため、高い品質で伝送しなければユーザー体験の損失につながる。大事なのは映像よりもむしろ音声で、音が途切れたり、遅れて聞こえるような環境では、参加者もやりとりにストレスを感じ、会議自体が成立しない。こうした点から、安定性の高い有線LANはやはりオフィスネットワークにおいては必須と考えられる。

 一方で、現在のオフィスでは業務端末としてノートPCやスマートフォンを使うことが多い。これらのデバイスはネットワークインターフェイスとして無線LANしか持っていないことも多いので、やはりワイヤレスインフラは必須になる。安定した無線LANがあれば、ユーザーはオフィスのどこに行っても、気軽に遠隔会議でコミュニケーションできる。

 その点、ヤマハは有線のスイッチと無線LAN APをラインナップしており、ハイブリッドなネットワークを実現できる。有線LANのスイッチは大規模ネットワークに対応するL3スイッチ、ルーティングを持つライトL3スイッチ、SNMPの管理機能を持ったインテリジェントスイッチ、PoEもラインナップするスマートL2スイッチ、そしてシンプルL2スイッチなど製品ジャンルも多彩で、ポート数のラインナップも豊富だ。

昨年末に発表されたヤマハのインテリジェントL2スイッチ「SWX2310シリーズ」

 また、無線LAN APとしてはIEEE802.11acに対応したWLX212、WLX402、WLX313、WLX202などをラインナップ。複数の無線LAN APを効率的に管理できるほか、電波の見える化機能を搭載する。オフィスに溶け込むホワイトの筐体も印象的だ。

 これらルーター、スイッチ、無線LANなどを含めたヤマハのネットワーク機器の最大の特徴は、高い管理性だ。クラウド型のネットワーク管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」を用いることで、IT管理者はWebブラウザからクラウドにアクセスするだけで、多拠点のネットワーク機器を統合的に設定・管理できる。

 たとえば、ゼロコンフィグ機能を用いることで、接続設定情報が入ったUSBメモリを機器に差し込めば、接続や設定が完了する。事前のキッティングや現場での設定・確認は不要だ。また、セキュリティの観点からも気になるファームウェアの更新も、遠隔からスケジューリングして一斉に行なえる。また、LANマップ機能を用いることでルーター配下にあるスイッチや無線LAN APのネットワーク構成を可視化でき、接続障害が起これば、アラートを受け取ることも可能になる。

 2020年7月に発表されたばかりの最新無線LAN AP「WLX212」もYNOによる管理に対応しており、無線LANの電波状況まであわせて可視化できる。既存のIEEE 802.11a/b/g/nの無線LAN環境を使い続けているようなら、IEEE 802.11acなどの安定した高速無線LANにベースアップを検討してみよう。

三密を避け、遠隔会議を快適に利用するための秘訣

 では、これらヤマハのスイッチと無線LANを用いることで、どのようなオフィスネットワークを実現すればよいだろうか? 

 テレワーカーが多くなり、オフィスワーカーが減っていく執務エリアは、ソーシャルディスタンスを保ち、三密を避け、ゆとりのあるフリースペース化を推進する。また、伝送能力の高い5GHz帯の無線LANを導入し、フレキシビリティとキャパシティを両立するのが望ましい。YNOに対応するWLX212は同一LANの無線LAN APを一括管理するための仮想コントローラー機能を内蔵しているため、無線LAN APの追加や交換を行なうと自動的に設定が同期され、状態監視やソフトウェアアップロードも一括で実施できる。

 一方、会議エリアはテレワーカーやお客さまとの遠隔会議の大幅な増加に対応する必要がある。無線LANに加え、安定性と信頼性を確保できる有線LANの環境を用意しておくとよい。これからは途切れてはいけない重要な会議もリモートで行なわれることも増えるため、周囲の電波環境を受けやすい無線に比べ、有線LANの方が安定性を確保しやすい。ヤマハのスイッチはギガビットに対応し、シンプルなL2スイッチだけでなく、管理機能を充実させたスマートL2スイッチ・インテリジェントL2スイッチ、そしてルーティング機能を持つL3スイッチなどを幅広く用意。ポート数もいろいろ選べるので、さまざまな要件のネットワークを柔軟に構築できる。

有線LANと無線LANの使い分け

 加えて、ヤマハは遠隔会議でもっとも重要な音声に関しても、音声コミュニケーション、テレワークブース(オフィス用防音室)、スピーチプライバシーなどさまざまなジャンルの製品を投入している。たとえば、適応型エコーキャンセラーとノイズリダクションを搭載することで、快適な会議を実現するスピーカーフォンは、テレワーク時代の必須アイテムだ。最新の「YVC-330」は騒がしいオープンスペースでも快適にコミュニケーションできるよう、周囲の雑音を抑制する「SoundCap」という機能を備えている。会議エリアでのハドルミーティングには最適なデバイスだ。また、先日は遠隔会議を前提としたワンストップサウンドソリューション「ADECIA」を発表しており、ニューノーマルオフィスの実現を支援する。

「ハイブリッド型ワークスタイル」なオフィスで生産性を高める

 今まで当たり前だった「オフィスで働く」という常識が覆された今回のコロナ禍だが、時代がテレワークに進んでいくのはもはや避けられない流れだ。働き方改革や災害対策などの観点からも、テレワークの導入に必要な場所にとらわれず働ける環境、システム、会社ルールの整備などは多くの企業が恒久的に検討すべき課題と言える。

 こうした中、これからのワークスタイルはテレワークとオフィスワークの組み合わせた「ハイブリッド型ワークスタイル」を前提としなければならない。時間と場所を固定された会議、口頭や紙でのやりとり、狭いオフィスで机を並べて就業する形からの脱却を果たし、多くの従業員に向けて生産性の高い環境を提供し、従業員のコミュニケーション力や企業の競争力を高めていくことが今後の責務とすら言える。

 ヤマハ製品はこうしたニューノーマルオフィスを構築するのに最適な製品・サービスを提供している。高速でセキュアなインターネット・VPN接続を実現するルーター、安定性とフレキシブルなネットワークを実現する両立する有線スイッチ・無線LAN AP、多拠点でのネットワークを安定運用するためのクラウドサービス、遠隔会議を快適に利用するための音声コミュニケーション製品など幅広い品揃えで、テレワークにまつわるユーザーの課題を解消する。特に音の問題を解決するソリューションに関しては、楽器メーカーとして強いこだわりを見せている。

 ヤマハのサイトではテレワークの不安を解消するさまざまなウェビナー動画のほか、「テレワーク相談窓口」 を設けているので、ぜひアクセスしてほしい。

(提供:ヤマハ)

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