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新Apple Watch、ASCII筆者はこう思った 第4回

「やっと来たか!」Apple Watch 6は細かな不満の多くが解消された【渋谷ヤスヒト】

2020年09月19日 09時00分更新

文● 渋谷ヤスヒト 編集●飯島恵里子

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 スイスの2大時計フェアの取材を25年以上も続けてきた機械式時計の専門家である一方で、初代Apple Watchの購入以来、Apple Watchをはじめとする最新のスマートウォッチも手放せない。そんな私にとって、今回のApple Watch 6の発表・発売は待ちかねたもの。Series 5からSeries 6の登場までのこの1年間は、通常のサイクルなのですが意外に長く、個人的な感覚では2年くらいにも感じました。「やっと来たか!」という感じです。

 この1年の間に、他社からいくつもスマートウォッチの新型が登場していますが、Series 5は総合的に機能やデザインを考えると、依然として一歩先を行く存在でした。たとえば、転倒時に自動で助けを呼べる機能も先進的。個人的にお世話になった事はありませんが、安心感を与えてくれるありがたい機能でした。また、直感的で分かりやすいアイコンやデジタルクラウンなどおかげで、操作のしやすさでも依然として飛び抜けています。

 数ヵ月前、多数のスマートウォッチを一挙にレビューする機会がありましたが、そのときに改めてSeries 5の魅力を再確認しました。しかし不満がまったくないかという、それは嘘になります。たとえばバッテリーライフや、常時表示とはいえ、今ひとつ見えにくいことがある画面表示。

 今回発表されたApple Watch 6は、そんな細かな不満の多くが解消されています。期待通りの「正常進化」を果たしてくれた、と思います。

 常時表示になって明るい場所でも見やすくなったディスプレーや新しい文字盤、充電時間の大幅な短縮(約1.5時間)というのも、毎日手放せない状態の人、Series 5で時々「使いにくさ」を感じていた私のような人には大きな進化です。また睡眠分析機能も、使いたい人は多いはずですが、ようやく今回標準で搭載されたのは、個人的にはとてもうれしいところです。

 そして一番気になるのが、医療目的には使えないと断りが入っていますが、新型センサーの搭載による血中酸素濃度の計測機能の搭載です。新型コロナウイルスの感染拡大で健康管理機器のパルスオキシメーターが注目されている今、具体的にどう活用できるかはいまひとつわかりませんが、このデバイスに注目している人にはとてもうれしいタイムリーな機能といえるでしょう。スマートウォッチに今後、一番期待されるのはこうした健康関係の機能ですし、この機能を備えているのは今のところ6だけ。今後この機能がどのように発展していくのか。この期待もApple Watch 6の大きな魅力のひとつです。ちなみに筆者は先日、パルスオキシメーターを家族用に、まさかの時のために購入したばかりでした。

 基本デザインを変えないのもアップルらしいですし、変えないことが魅力になるのはまるで高級時計のよう。「やっぱりApple Watchはすごい」と改めて感じた次第です。iPhoneユーザーには文句なくベスト。この一択ですね。

1995年からスイス2大時計フェア、国内外の時計の取材を続けている時計ジャーナリスト、編集者の渋谷ヤスヒト氏

 

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