『ラーメン大好き小泉さん』『一杯の魂 ラーメン人物伝』『らーめん再遊記』

二郎武蔵鬼金棒天一……実はテイクアウトOKな東京の人気ラーメン店を漫画で体験

文●二瓶朗 編集●ASCII

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ラーメンテイクアウトの最終兵器は焼豚だった……!?

 続いてテイクアウトしたのはノンフィクション・ラーメン漫画『一杯の魂』シリーズに登場する以下の2店舗。どちらも強烈な個性を持っているが、果たしてテイクアウトでも体験できるのか、乞うご期待。

麺屋武蔵――名物の蒲焼き焼豚を1本丸ごとお持ち帰り!

今回は、つけ麺(中盛)とお土産一本焼豚をチョイス。インパクトある絵面になった

 麺屋武蔵といえば超有名店なので、名前だけでも聞いたことがある人が多いのではないでしょうか? ラーメン好きならもちろん食べたことはあるでしょうが、テイクアウトを機会に、「じつは食べたことがないな」という人もチェックしてみてほしいものです。今回は神田 麺屋武蔵 神山の神山つけ麺をチョイス。麺の量を変えても価格は変わりません。

 つけ麺を家で食べる選択肢は増えてきましたが、やはり名店のテイクアウトはつけ汁の香り、コクが違います。これを家庭で楽しめるのがうれしいところ。さらに、名物の蒲焼きチャーシュー(お土産一本焼豚)もテイクアウトできるのがすばらしい。つけ麺にプラスしてもよし、家でごはんを用意してチャーシュー丼にするもよし。いろいろな楽しみができるのはテイクアウトならではですね。(モーダル小嶋)

もちもちの麺にあっさり目のつけ汁。そこに蒲焼きチャーシューの香ばしさが乱入してくる。麺屋武蔵 神山ならではのハーモニーを自宅で味わえる!

香ばしさと旨味のカタマリと化した豚肉にかじりつけ! その重量なんと500g。もはや箸で持つのは不可能だ。お土産一本焼豚は今回イチ推しのテイクアウトメニューかも。巨大な塊のままお持ち帰りできるのも◎

 「麺屋武蔵」は第1巻に収録されている。アパレル業界出身でラーメンについてはズブの素人だった同店の創始者・山田雄とその友人・佐藤吉治が共に力を合わせ、「秋刀魚の煮干し」をスープのメインにしたラーメンを作り上げていく物語。試行錯誤を重ねて化学調味料不使用のスープを仕上げ、それに合う麺を模索し、至高の一杯が生み出される。

 「お客が喜ぶラーメンを作りたいだけ」という2人の熱意が、宮本武蔵の「無手勝流」を体現したようなラーメン店を実現する。同店は現在でも1つの味にこだわりすぎることなくさまざまな風味のラーメンを数多く展開していくことでも有名だが、そのルーツはこの「無手勝流」にあったのだな、と思わされる。

天下一品――この家麺、店舗より濃厚かも!?

おウチで簡単に作れてしかも美味い。言うことなし!

 唯一無二の個性を持ちながら、多数の支店を持っているという点で、独自の地位を築き上げている天下一品。おなじみの「こってり」を家で食べたい人には、テイクアウトが用意されています。といってもラーメンをそのまま持ち帰るわけではなく、テイクアウト用の「家麺」が用意されているのです。

 調理の必要はありますが難しい工程はなく、特別な道具も要りません。出来上がりはまさに店内で食べられる濃厚な味わいといえましょう。あの濃~いスープが夜中にふと欲しくなるとき、あるんですよね。そういう時でも、テイクアウトしておけばいつでも台所が天一になります。(モーダル小嶋)

家麺セットは麺のほか、たれ、スープにネギ、チャーシュー、メンマのトッピング、そしてからし味噌とにんにくの薬味が付属。調理方法が書かれた説明書も

スープに麺を投入して2分30秒煮込む。3種のトッピングを載せたら完成! 簡単に天下一品が再現できる

人によっては『いつも行く●●店より濃い味付けだ!』と感じるかもしれないレベルのこってり具合。ぜひ一度体験してほしい

 「天下一品」は第3巻収録。今から50年ほど前に京都でラーメン屋台を引き始めた同店の創始者・木村勉。家族を養うためにゼロから始めたそのラーメンはヤクザや警察からの嫌がらせなどと闘いながらも客からの人気を博し、評判の屋台に。そして常連客の好意から店舗を構えることもできた。そこで腰を据えて改良スープに取り組み、現在の超濃厚な「天下一品」スープの開発に成功する。

 こういった経緯のためか、木村のラーメンづくりの根底にあるのは「お客様第一主義」である。セントラルキッチンによる画一的な味を確保しながら全国へのフランチャイズ経営をいち早く成功させた同店であるが、それも「全国の客に同じ味を提供したい」という木村のアツい気持があってこその偉業だ。

繁盛店の影に個性的な店主あり! その努力を漫画で追体験!?

 上記2店舗については、その味はもちろん高く評価されているが、じつは創始者が一癖も二癖もある人物であり、店を成功を導いた立役者なのである。そんな、ラーメンとラーメンの「作り手」にスポットを当てた漫画を紹介しよう。

一杯の魂 -ラーメン人物伝- ~行列のご当人ラーメン編~

『一杯の魂 -ラーメン人物伝- ~行列のご当人ラーメン編~』本庄敬、武内伸(グループ・ゼロ)

既刊:1巻(完結)
著者・作者:本庄敬、武内伸
掲載誌:マンガの金字塔
発行元:グループ・ゼロ
購入ポイント:400pt

 

一杯の魂 -ラーメン人物伝- ~伝説のご当地ラーメン・情熱のラーメンドリーム編~

既刊:2巻(完結)
著者・作者:大泉孝之助、武内伸
掲載誌:マンガの金字塔
発行元:グループ・ゼロ
購入ポイント:各400pt

 行列ができるラーメン店のラーメンは美味い。しかし、多くの客から支持されるその一杯が生み出されるまでには、店主や職人の果てしない努力があった。本作は、そんな魂のこもった「一杯のラーメン」が生み出される過程に注目し、ラーメン店の店主やそれに関わる職人たちのひたむきな生き様を追ったノンフィクションコミックである。

 あの有名ラーメンにこんな裏話があったのか……と思わず知り合いに話したくなるエピソードが満載だ。巻末には各ラーメンの詳細なデータが付属する。小嶋が食べたテイクアウト・ラーメンについてもしっかり収録されている。

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