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働き方の変化で、女子の「本業」と「副業」の差がなくなる理由

2020年09月11日 06時00分更新

文● 滝岡幸子(ダイヤモンド・オンライン

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コミュニティサロンを主宰、ユーチューバー、インスタグラマー…スマホやパソコンのおかげで格段に「副業」や「自営業」への参入ハードルが低くなっている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、「働き方改革」「在宅ワークの普及」により、働く環境が大きく変わろうとしています。こういった変化によって「副業」を始めやすい時代が到来しつつあるのです。特に、女性は元々、仕事の他に家事や育児もこなすなどマルチタスクが得意な傾向がありますが、この「スキマ時間」をうまく使うスキルは、まさに副業向きといえるでしょう。そこで今回は、経営コンサルタントの滝岡幸子さんの新刊『女子の副業』(青春出版社)から、女性を取り巻く昨今の副業事情について解説します。

「副業」へのハードルが低くなった新時代

 2019(令和元)年頃、多くの大企業が副業を解禁し、「副業」がひとつの働き方として再認知されるようになりました。また、新型コロナ禍で、複数の収入源を持ちたいと実感した人も増えたと思います。

 特に女性のライフスタイルは多様化していて、2つ以上の仕事をかけもちする人も珍しくありません。「会社員+起業を見すえた副業」「収入源のアルバイト+一番やりたいこと」「主婦業+趣味の延長の副業」「派遣社員+貯金のための副業」など、かけもちのパターンも様々です。

 つい10年ほど前までは、「会社の仕事以外で収入を得ている」なんて言ったら、就業規則に反するケースがほとんどでした。でも今では副業解禁の会社も増えていて、人によっては「副業」を個人プロフィールに書くこともできるのです。

 最近特に感じるのは、副業や起業を行う物理的・心理的ハードルが年々低くなっているということです。たとえば、「コミュニティサロン(オンラインサロン)」を使った副業では、毎週決まった曜日の夕方に「○○勉強会」を開き、メンバーの中で毎回違う人に、それぞれが詳しい分野について30分程度講義してもらう、というようなスタイルです。

 参加者から月に数千円程度の会費を徴収し、それが主催者の収入になります。どこかの場所に集合する昔ながらの勉強会の場合、参加できる数に限りがありますが、ネット上ならば世界中から制限なく集められます。

 会社に勤めながら、平日の夕方や週末を利用して、コミュニティサロンを主宰する会社員の方もいます。ひとり2000円の月会費でも、100人集めれば、売上は毎月20万円です。

 また、平日帰宅してから「商品」作りに勤しむハンドメイド作家さんは、髪飾りやネックレスなどのアクセサリー、バッグや洋服、動物やお花の小物をコツコツ手作りし、週末イベントやハンドメイドの総合サイト「minne(ミンネ)」「Creema(クリーマ)」などに出展しています。ものによっては高く売れるケースもあるでしょう。

 ほかにも、ユーチューバーやインスタグラマーなどが挙げられます。たとえば、40歳でユーチューバーになったという「あいりチャンネル」のあいりさんは、旅行やメイクアップの方法など、アラフォーならではの暮らしを動画にしています。

 ユーチューバーといえば、20代が多いイメージですが、40~50代で「日々の暮らしとお掃除」「食事の作り方」「メイクアップ法」「ライフスタイルに合ったファッション」など、生活まわりの工夫を動画に撮ってYouTubeにアップする女性も増えつつあります。

 そんな風に、スマホやパソコンがあれば、すぐにいろいろなことをはじめられます。ひと昔前と比べたら、格段に「副業」や「自営業」への参入ハードルが低くなっているのです。

「学び直し」でいくつからでも副業は始められる!

 近年、40~50代からキャリアチェンジの準備をはじめ、スクールに通って新しい分野を学んだり、資格を取得してステップアップされる方が増えています。

 女性活躍の進んだ北欧・スウェーデンでは、就労と学び直しを繰り返して、何歳になっても新たに起業や転職ができる「ライフ・ロング・ラーニング(リカレント教育、LLL)」という考え方が浸透しています。40~50代で以前から関心のあった分野を学び、それを生かして新しい分野で起業や転職をする女性も多いそうです。

 日本でも、40代後半くらいから「学び直し」の動きも出ていて、多くのアラフィフ女性が大学や専門学校で、自分の専門を深め、好きな分野について学んで起業をされています。

 話題になった方としては、80代でプログラミングを学び、2017年にスマートフォン向けのゲームアプリを開発した若宮正子さんのことをご存じの方も多いかもしれません。

 定年まで銀行に勤めた若宮さんは、58歳のときにパソコンを購入したそうです。パソコンは「おもちゃ箱」のようだとワクワクしたのだとか。それから独学でプログラミングを習得し、ゲームアプリ「hinadan」を開発したのは81歳のとき。開発するまでに、パソコンに触れた時間は58歳から20年間もあることに脱帽します。

 60歳で新しいことにチャレンジして、80代まで続けるなんて素敵だと思いますし、「人生100年時代」といわれる私たちが目指すのはそのような道なのかもしれません。生涯現役でいたいなら、いくつになっても新しいことにチャレンジしてみること!そんな姿勢の大切さが、身に沁みました。

 ただひとつ、ポイントがあります。「楽しそう!」と思ったことにチャレンジしたら自然と長く続けられていて、その結果、皆に驚かれるようなことができた、というところです。「ワクワクすること」であれば、何歳からはじめてもOKなのだと思います。

 人生の前半は一般企業や団体などに属してスキルを身に付け、後半はひとり起業家、自営業として「生業」を楽しみながら生きていく。これからの人生100年時代には、そんな生き方を選ぶことで、より充実した人生を送ることができるのではないでしょうか。

近い将来、「本業」と「副業」の概念が薄れる!?

 これから先、10代後半から80代まで、働く人にとって「副業」はいつでもチャレンジしたいものになると思います。その一方で、副業と本業の垣根がどんどん低くなっていくでしょう。

 副業はしっかりやっていくと、自分自身の中で、本業と同じような位置付けになってくるのです。「副業ではじめたけれど、今では片手間でやっているのではなくて、一生懸命やっています」といった感じです。そういう人が増えれば、副業はもはや「副業」ではなくて、本業と他の仕事をかけもちするダブルワーク、どちらも大事な「複業」というような位置付けになることが想像されます。

 副業ワーカーが増えると、「プロ」と「アマチュア」の違いが見えにくくなります。「プロは、本業で仕事をしている人」というイメージがありますが、短時間で稼げる副業の種類が増えることで、アマチュアでも市場に参加しやすくなります。

 たとえば、「釣りのプロ」として釣りの技術や情報で本業収入を得ている人と、「昼間はサラリーマン。釣りは割と上手なので、休日なら素人に教えられますよ」というアマチュアの差が、ネット上ではわかりにくいといった具合です。

 料理研究家も、インターネットがなかった時代には、テレビの料理番組に出られるまですごい人脈を構築したり、著名な師匠のもとでの修業年数が必要だったことでしょう。しかし今では、ブログやSNSで自分のレシピや工夫を上手にアピールすれば、人の目にとまりやすくなります。プロになれるスピード感が速くなっているとも言えるのです。

 何から始めていいかわからないという人や、やりたいことがよくわからないという人は、好きなことや気になることを少しずつやってみてもいいのです。そして、合わないと気づいたらやめてもいい。そうした自由こそが、副業の醍醐味ではないでしょうか。働き方が多様化している今こそ、ぜひ副業への一歩を踏み出してみてください。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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