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現役東大生が推薦!「夏休みの小中学生に読んでほしい本」3選

2020年08月12日 06時00分更新

文● 西岡壱誠(ダイヤモンド・オンライン

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現役東大生がおすすめする夏休みに読んでほしい本とは? Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの影響で、多くの地域で例年より短縮された「夏休み」。今年は旅行や外出の予定が立てられず、自宅で過ごす……という家庭も少なくないだろう。今回は、ベストセラー『東大思考』の著者で現役東大生の西岡壱誠氏に、この夏休みに小中学生にお薦めしたい3冊を紹介してもらった。(現役東大生作家 西岡壱誠)

現役東大生が薦める
夏休みに読んでおくべき本とは?

「小中学生の時に、もっと本を読んでおくべきだったなぁ」

 僕は今まで何度そう感じたかわかりません。

 何かを勉強しようと思ったときに、事前知識があるのとないのとでは全然違います。例えば、東大生は小さい頃に漫画「日本の歴史」を読んでいた、と語る学生が非常に多いです。

「これを読んでおいて、大体大枠の歴史の流れを理解していたから、後になってから勉強する時に非常にやりやすかった」

「逆に、なんの前提もなく、ただ勉強しようとすると、後からすごくつらかったと思う」

 友達の東大生はそんなふうに語ってくれました。

 つまり、小中学生のときに少しでも本を読んでおけば、その後の高校・大学の勉強、またはもっと先の人生を通じた勉強に良い影響を与えてくれる可能性が非常に高いのです。

 今日はそんな、「小中学生が読んでおいて得をする、夏休みにこの本を読んでおくと、その後の勉強に良い影響がある本」をご紹介したいと思います。

「理系的な発想」がわかる
恋愛マンガ!?

山本アリフレッド著『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(メテオCOMICS)

理系が恋に落ちたので証明してみた。山本アリフレッド著『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(メテオCOMICS)

 みなさんは、「理系的な発想」と言われたときに、どんなものなのか想像がつくでしょうか?


 なんとなく、高校に上がって大学を選択する時に、「理系を選択するとこの科目を勉強するよ」とか「文系を選択するとこの科目だよ」みたいな感じで、大学受験における一つの括りとして捉えてしまって、本当の意味で「理系の考え方」を知る機会は高校生になっても、というか大人になってすら、なかなかないと思います。


 しかし、理系的・サイエンスの考え方というのは、学部の上での理系・文系にかかわらず、僕らが生きていく中で非常に大切なものです。


 何かを証明するためには、実験をして、数字で測定したものでないといけない。
自分の主観的なものでなく、第三者も納得させることができるような、客観的なものの考え方で何かを証明していかなければならない。


 大人になっていくにつれて、そういう思考をする必要がある場面に遭遇することは増えてくると思います。


 そこでこの漫画、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』です。
これは「恋愛」という主観に満ちたものを「理系的に証明する」という荒唐無稽なことをしようとする主人公たちの姿を描いた漫画です。大真面目に恋愛を科学する姿がシュールで笑える作品なのですが、ただ笑えるだけでなく、きちんと理系的な思考や考え方がよくわかる内容になっています。

 楽しみながら、サイエンスの考え方をインストールできるのです。

 そしてこの漫画がお薦めなのは、「理系的な考え方の生かし方」まで教えてくれる点です。

 恋愛だけではなく、ゲームの選択肢やアトラクションの待ち時間といった、実社会に生かせるような理系の話が頻繁に登場します。

 小中学生のときに「なんでこんな勉強をしなければならないんだ!」と考えた経験ありませんか?僕は何度もあります。

 でもそんな中で、この漫画を読めば、「ああ、こういう勉強は、実社会のこういうことに生かされているんだ!」と理解できて、学ぶモチベーションが上がります。そうした経験というのは、必ず子どもにとって大きな影響をもたらしてくれると思います。

「主体的に学ぶ」大切さ、
勉強に向かう姿勢を教えてくれる

内田樹著『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)

先生はえらい内田樹著『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)

 小・中学校と、高校・大学。この一番の違いはなんだと思いますか?


 それは、義務教育かどうかです。小中学生は社会から求められて「勉強をしなければならない」時期だと仮定すると、高校生は自分から選択して「自分から勉強をしよう」と思って勉強する時期だというふうに考えることができます。


 しかし、多くの生徒は高校生になっても、「自分で選択した」という実感を持てません。「なんとなく」「親や先生、友達が言うから」という理由で高校に通い、勉強するのも受け身になってしまうことが多いです。


 そして、受け身のままで勉強していると、大学という「自分で何を勉強するか決めなければならない場」や社会という「自分で選択して行動しなければならない場」に行ったときに、苦労してしまうことが多いと思います。
「勉強ってつまんねーなー」と思いながら授業をぼーっと眺めている大学生になってしまうのは、もったいないですよね。

 本当は、勉強というのは元々、自分から能動的にやるべきものです。

「授業を受ける」というのは「受ける」とは言っていますが、英語にすると「take a class」と言います。「take」というのは「取る」という意味の英単語ですから、つまり授業や勉強は能動的に「取りに行く」ものです。しかし義務教育が終わった高校生になっても、その感覚を得ることは難しいと思います。


 そこでこの『先生はえらい』です。この本のメッセージは、「無条件で先生に従え!」ということではありません。むしろその逆で、「どんな先生であってもいい。『先生はえらいんだ』と考えるようにすると、実は何からでも、どこからでも学ぶことができるんだ」ということを教えてくれるのです。

 勉強の主体は、先生ではなくて君たちなんだよということを、やんわりと、それでいて納得感のある形で教えてくれるのです。

勉強に向かう姿勢、つまり「学ぶ姿勢」を教わる機会というのは、実は多くありません。しかしこれは、小さいときに学んでおくべき本当に重要なことだと思います。

都道府県の特色や歴史が
楽しく学べる!

伊藤 賀一監修『「47都道府県」地図帖の深読み事典』(TJMOOK)

 最後はこの『「47都道府県」地図帖の深読み事典』です。これは旅行雑誌のようなテイストで、47都道府県のちょっとした面白い話がたくさん詰まっている一冊です。

 先ほどからお話ししているとおり、勉強というのは自分が主体的になって、自分の生活や世の中との接合を考えながら学ぶことで、はかどっていくものです。ただ机に向かって、わけのわからない文字列を暗記しているような気分で勉強していては身になりません。目の前にあるものが、実は自分の身の回りのことや社会の何かとつながってくることが実感できた瞬間、学ぶモチベーションが強くなり、学力というのは大きく向上すると思います。


 そう考えたときに、この『「47都道府県」地図帖の深読み事典』は素晴らしい一冊です。さまざまな角度の面白い話を聞きながら、自然と47都道府県についての勉強をすることができます。イラストも多いので視覚的にも楽しく、頭にも入ってきやすいです。自分の住んでいる都道府県や行きたいと思っている都道府県のページをついつい深く読んでしまい、自然と主体的に勉強をすることができるのです。

マンガでわかる東大読書西岡壱誠氏の著書『マンガでわかる東大読書』(東洋経済新報社)

 僕はこういう「楽しく勉強できる本」を小中学生のときにはどんどん読むべきだと思います。ここで登場する都道府県の特徴は、もちろんただ面白いものもありますが、実は高校の勉強で生かせる知識や日本史を勉強する際に前提となるようなものもあります。

 今回紹介した3冊全てに言えることですが、次の勉強に生かせるような本というのはかなり価値が高いです。そういう本をできるだけたくさん小中学校の間に読んでおけば、それからの人生がより豊かなものになるのではないかと思います。

 ぜひ夏休みに読んでみてはいかがでしょうか?

(現役東大生作家 西岡壱誠)

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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