iPhoneへの対応が楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」の成否を分けると以前から考えていたが、7月8日にiOS版「Rakuten Link」が登場。iPhoneでもRakuten UN-LIMITの通話かけ放題が可能になった。しかし、楽天モバイルではいまだに正式な対応とはしていない。それでは実際の動作はどうなのだろうか。
使えるのは2018年のiPhone XR/XS世代以降
一部SMSが通らない問題がある
楽天モバイルではサイト上で各種端末の対応状況を公開しており、iPhoneを含めて、かなりの機種について情報が記載されている。それによれば、動作を確認しているiPhoneは、2018年に登場したiPhone XR/XS世代以降で、第2世代のiPhone SEも含まれている。
ただし対応といっても、データ通信、通話、楽天回線におけるSMSと3つが○になっているのみ。楽天回線のエリア外で接続するパートナー回線(au回線)エリアでのSMSやAPN自動設定、回線の自動切り替え、緊急地震速報や110/119通話などでの高精度な位置情報測位には非対応となっている。
特に問題なのがパートナー回線エリアでSMSが受けられないケースがあること。最近はGoogleアカウントやYahoo!など、SMSを使って二段階認証をするケースは多く、SMSの受信は不可欠になっている。特にYahoo!ではPayPayとの組み合わせで、SMS認証の頻度が飛躍的に高まり、SMSが受信できないとサービスが満足に利用できない。
とはいえ、完全にSMSが使えないわけではない。楽天回線エリアにいればSMSは届くほか、Rakuten Linkをインストールして認証しておけば、対携帯電話などほとんどのSMSはRakuten Link側に届くようになるためあまり問題がない。問題は一部のSMSが届かない点ということになる。
iPhone用Rakuten LinkはSMS認証なしで設定完了
Rakuten UN-LIMITのサービスの中でも、通話かけ放題に不可欠なアプリが「Rakuten Link」。iPhone向けに7月8日に公開され、前述した対応したiPhoneを持っていれば、通話時間に関係なく国内通話が使えるなどRakuten UN-LIMITの利便性が飛躍的に高まった。
Android版のRakuten Linkを使ったことのある人なら、SMSが届かないことがあるiPhoneでどうやってRakuten Linkの設定するのか不思議に思うかもしれないが、iPhone版ではSMS認証は不要となっている。
実際の利用は、Rakuten LinkのSIMを差し込んだiPhoneで、App Storeから「Rakuten Link」をダウンロードし、楽天IDでログイン、電話番号を入れると認証されて利用できるようになる。SMS認証がないため、楽天回線エリアでなくてパートナー回線エリアでも利用を開始できる。前述したようにRakuten Linkを認証して使えるようしておけば、楽天エリア外でもほとんどのSMSが受信可能になる。
着信には少々クセがあるが
着信履歴からの発信は比較的簡単
Rakuten LinkはRCS(Rich Communication Services)の仕組みを利用しているためか、Wi-Fiなどを含め、インターネットとの通信ができる状態ならば通話が可能になる。AndroidスマートフォンではRakuten Linkを認証した後でSIMを抜いても、相手先によってSMSや通話の発着信が可能だが、これはiPhoneでも同様だ。
また、Rakuten Linkでは基本的に携帯電話からの着信のみ受けるので、固定電話からは受け取らない。Rakuten Linkが認証された状態でも固定電話からの通話は通常の電話アプリで着信される。
ただし、Rakuten Link側にも着信履歴は残るため、コールバックする際に通常の電話アプリからRakuten Linkへの電話番号のコピペは必要ない。ただし、ついうっかり通常の電話アプリからコールバックしてしまうと、別途料金が必要な通話となってしまうのでそこは注意したい。

この連載の記事
- 第170回 月2480円と安くて、データ使い放題も追加で可な「povo」の特徴や注意点は何?
- 第169回 2021年の格安SIMは「20GB+2980円」の新プランと楽天モバイルの競争がカギになりそう
- 第168回 ドコモ「ahamo」の月20GB+月2980円は高い?安い? 続々登場する新プランを前に冷静に判断が必要
- 第167回 ドコモ「ahamo」は来年3月開始、それまで待てないので今すぐスマホを安く使う方法を探る
- 第166回 今シーズンの1円機種、ドコモ「Galaxy A21」は防水&FeliCa対応で便利、SIMロック解除してさらに便利
- 第165回 まだまだ残る2年契約と違約金、年末にMNPをする人は事前準備で違約金が安くなる可能性も
- 第164回 政府主導の携帯料金値下げが出る前に、一般のユーザーがやっておきたいことを考えた
- 第163回 手数料が無料になった楽天モバイルのeSIMをiPhoneとPixelで使いこなす
- 第162回 在宅が多くなってデータ利用量が極端に減った人に向いた格安SIMを探した
- 第161回 Android 11の新機能「有線LANテザリング」で楽天モバイルの固定回線的利用を試みる
- 第160回 月2480円で電話かけ放題なSIMも登場、特徴的なサービスを提供している格安SIMまとめ
- この連載の一覧へ