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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第122回

ビデオ会議やライブ配信がとっても楽になるスイッチャー「ATEM Mini」は必携!

2020年08月11日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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ビデオ会議用の機材は選択が難しい

 ビデオ会議用の便利な機材が手に入りにくい状況が続いています。なかでもピンマイクやキャプチャーユニットはとくに選びにくく、入手しづらい……。その理由は、以下の通りだと、筆者は推測しています。

1)ビデオカメラやマイクと、PCを接続(ビデオキャプチャー)する概念が少し複雑。

2)製品と自分の環境との相性、レビューの賛否など、不安になる(選択を迷う)要素が多い。

3)製品を決定しても、その製品が入荷未定だったり、売られていても転売を疑う価格だったりと、入荷時期不明のまま待つか/高値で買うかを選択できない。

 つまり、選択肢が多くなりすぎて、逆に選択が難しくなっているのが今の状況かもしれません。もし、予算が無限にあったり、デジタルガジェットに詳くて信頼できる、多少ヒマな知人がいたりすれば、そんな苦労はないのでしょうが……。

 筆者は「予算が無限にあって……」という立場ではありませんし、デジタル技術も大学で勉強したのは、もう遠い昔のこと。ただし、物欲が強く失敗もたくさんありますし、最新テクノロジーには目を通しています。多少ヒマなことも確かです(笑)。そんな筆者がお送りする自腹レビュー、今回はビデオキャプチャー兼スイッチャーのBlackmagic Design「ATEM Mini」です。

 レビューの後半には、「転売されやすい/在庫不足になりやすい製品を買うコツ」も付記しておきますので、もしご参考にしていただければ幸いです。

ほぼプロ仕様!? ATEM Mini

 ATEM Miniは、ビデオキャプチャーユニット兼スイッチャーです。

 ビデオキャプチャーユニットとは、(ウェブカメラではない)一般的なビデオカメラやデジタル一眼レフカメラなどから出力した映像を、PCで利用できるよう変換する機器のこと。接続には、多くの場合、HDMIケーブルを使います。

 よく「変換ケーブルがあれば、カメラとPCがうまく繋がるはず」と誤解されがちです。しかし、PCやタブレットからの映像信号をモニターに表示するだけなら変換ケーブルでも可能ですが、外部カメラからのライブ映像をPCやタブレットでのビデオ会議で活用するなら、映像信号を変換するキャプチャーユニット(キャプチャーボード)が別途必要になります。

 冒頭の「1)ビデオカメラやマイクと、PCを接続(ビデオキャプチャー)する概念が少し複雑」でも触れましたが、ライブで外部カメラを使うのが初めての人にはわかりにくい。

 スイッチャーとは、複数のカメラを切り替えて一括で出力し、ビデオ中継をするための機材のこと。あるカメラから別のカメラに切り替えたり、映像の中にワイプで顔を写しだしたりすることが可能。ATEM Miniは4台までのビデオカメラや映像出力、2つの音声出力を同時接続することができます。

PCとの接続はUSB Type-C。4つのHDMI入力をそなえます。VGA、DVIなどの端子はなし

ウェブセミナー主催者や技術系ライブ配信者なら、すごくオススメ!

 自腹で購入して、1ヵ月ほど使ってみましたが、とてもオススメな製品です。

意外に小さい、片手で持てるサイズ。筆者の手がすごく大きいわけではありません(笑)

 製品自体が片手に載るくらいのサイズ(幅237.5×奥行き103.5×高さ35mm)でありながら、動作や専用アプリもとても安定しています。

 いままでプロ用の機材でなければ難しかった自然なクロマキー(背景合成)処理、場所やサイズが変えられるワイプ(画面の端の別画面)、スパーインポーズ(番組名などの常時表示)などもでき、十分に高機能といえるでしょう。

 特筆すべきアドバンテージは、ワンボタンでカメラ映像を切り替える「クロスフェード」のなめらかさと美しさ。PCのCPUやGPUを使用せず、外付けのハードウェア変換が使われることのメリットでしょう。

 もちろん、YouTube Live、Facebook Live、Skype、Zoomにも対応しています。標準的なウェブカメラとしてPCに認識されるので、ビデオソフトウェアで使用できます。

 そんな性能ながら、3万9578円(直販価格)なことも、個人ユーザーにはありがたいところ。カメラの切り替えはATEM Miniの操作パネルでワンボタンですので、オペレーターも不要です。

配信前画像など、画面の表示切り替えもワンボタンできる(講座タイトルはダミーです)

 ごくわずかな難点を挙げるなら、2時間ほどの連続中継だと本体がかなり熱くなることと、細かい画面調整ができるゆえにアプリ上や説明書の専門用語が少しわかりにくいこと、ぐらいでしょうか。「DSK(ダウンストリームキーヤー)」「TIE(タイ)」などの専門用語は、初めてデジタルスイッチャーを使う人は戸惑うかもしれません。

 上にも挙げましたが、まとめると、ATEM Miniは、小型軽量ながら、プロの機材とほぼ同等の機能があること、動作が安定していること、4万円を切る価格などから、「ウェブセミナー主催者や技術系ライブ配信者」に向いた製品といえるでしょう。

転売されやすい製品を適正価格で買うコツ

 冒頭でも述べましたが、ATEM Miniのような、転売されやすい/在庫不足になりやすい製品を買うコツを紹介します。

1)製造企業/もしくは日本法人、正規代理店の直営ネットショップから購入する

2)転売の代理購入と誤解されないよう、販売者が購入者を特定できるクレジットカードを使う

3)よく買い物をする量販店などで「相談できる」スタッフの名前を覚えておく

 筆者がATEM Miniを購入したときは、某大手量販店やプロ機材ショップでは「2ヵ月待ち」の状態でした。しかし、上の1)と2)の合わせ技で、1週間ほどで商品が手元に到着しました。

 上記の3)の場合、できるだけショップが忙しくなさそうなタイミングで、ムダな世間話などをせず、ていねいに正直に用件を伝えることが肝心です。もし相談にのってもらえて悩みが解決したら、そのショップがネット最安値でなくても、そこで買うように心がけることも大切だと、筆者としては思っています。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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