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住まい、高級車、結婚式…一生モノの買い物をネットで済ます人が増えるワケ

2020年07月30日 06時00分更新

文● ジャイアント佐藤(ダイヤモンド・オンライン

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Photo : PIXTA

 生活用品をインターネット上で買うことは当たり前という時代になっている。著者も水や電球、スマートホンのケーブルなどは専らネットショッピングで買っている。

 むしろリアル店舗で買うことが10年前と比べてめっきり減ったのが、これらの生活用品だ。

 そして昨今、インターネットでの買い物は生活のさらに深いところまで入り込んで来ている。

 例えば「住まい」「高級車」「結婚式」などといった一生を通してもあまり頻繁に購入する機会のない高額なモノ。高額なだけに購入に失敗はしたくないモノたち。

 そういったモノたちは商品に精通した営業担当者が顧客の要望を根気よくしっかりと聞き込み、ニーズを整理して、顧客が一生を共にするのに最適な商品を提案していくのが当然とされている。

 しかしこの一生モノたちを「インターネット上だけで購入」してしまうのが最近のトレンドなのだ。

 原因はもちろん昨今のコロナ禍によるところが大きい。店舗などに足を運び営業担当者と対面で長時間打ち合わせをすることは、感染リスクを高めてしまうことになる。

 そこで、テレワークでの会議やオンライン飲み会で大活躍をしていた「Zoom」や「Skype」などといったシステムを使って大きな買い物を成立させてしまおうという動きになっているのだ。

 今回は結婚式場の見学、予約までをオンライン上で一括して行えるサービスを開始したブライダル大手(株)ノバレーゼの営業戦略ディビジョンでマネージャーを務める諏訪真紀子さんにお話を聞いてみた。

大事なのはお客さんのイメージを
「具体化」させること

丁寧な話ぶりが印象的な諏訪さん。長々と話しすぎない、お客さんに即決をさせない等、対面、オンラインかかわらずお客さんを安心させるというのが信条だ

「お客さまは私たちが思っているより、ずっとしっかりご自身で情報収集をした上で私たちにお問い合わせをされてきます。お客さまご自身で作り上げたイメージをいかに『具体化』させるかが私たちの役目です。それが対面である必要はどんどんなくなってきています」(諏訪さん)

 提供する側が一方的に情報提供をする時代は終わった。もはやインターネット上で検索をすれば、自分たちの欲しい情報は簡単に手に入るのだ。

 また飲食店業や宿泊業などといったサービス業は「口コミ」の評価を調べると、その店がどのようなレベルのサービスを提供しているのかもおおよその想像がつく。

 結婚式場に関しても、挙式を検討しているカップルは、自分たちの中での「結婚式のイメージ」をある程度作り上げ、情報収集しきれなかった部分を補足してイメージを完成させるという目的で、ブライダルサービスに問い合わせをするのだ。

動画案内は録画ではなく、
質問に回答しながらLIVEで

「Zoom」上で見る披露宴会場。移動するところや扉を開け閉めするところもその場で見せてくれるので、実際に歩いているような気分になれる

 同社サービス「オンライン内覧」は結婚式場の見学・内覧を「Zoom」や「Skype」といったオンラインコミュニケーションツールを使って案内する。

「手ぶれに気をつけるといった技術的なことはもちろんのこと、『その場にいる臨場感』を見てもらうことが大事なので、カップルの目線でカメラを固定して式場を歩いたり、といったこともしております」(諏訪さん)

 一定のアングルで漠然と式場や客席を撮っているだけではないのだ。あたかもその場にいるように見てもらわないと「実際どうなのか」をイメージできない。

 またこのサービスは事前に録画したものを見せるではなく、式場の担当者が画面ごしにその場で案内をしていくのだ。

 案内の途中でも顧客からのリクエストがあると即座に対応する。「カーテンを開けてみてください」「左側のテーブルの奥の方を見せてください」といったその場で来たリクエストにどんどん対応していくことにより、お客さんの疑問点等がその場で解決され、イメージがより具体化されていく。

 カップルだけではなく、その親御さんらが画面ごしに式場のチェックをしていることも多い。質問がそれぞれから飛んでくることもあるという。

 実際に式場を決めたカップルが当時を振り返る。

「式場のWEBサイト上に載っていたチャペルが気になっていたので、『オンライン内覧』で実際に扉を開けるところから見せてもらいました。扉が開いた瞬間、一気に光が差し込んで来るのがとても印象的で、式場を選ぶ決め手となりました。オンラインだから不安というのは全くありませんでしたね。逆にコロナ禍の今でも結婚式の準備をやめなくていいという便利さを感じていました」

「オンライン内覧」は
年月をかけて育ったサービスだった

 同社の「オンライン内覧」は急に始まったわけではない。

 元々は2012年に、引き出物を選んだり席次表を作ったりといった結婚式の準備をインターネット上でできる「WEDO」というサービスを立ち上げ、それまでアナログで当然と思われていた結婚式の準備関連の作業をオンライン化したのだ。

 その後2016年、東京・銀座にある本社から全国の結婚式場を写真や動画で説明する形での内覧ができるようになった。その時に、実際に現地の会場に足を運ばずとも、東京で説明を受けるだけで式場を決めるカップルが多いことに驚いたという(併せてSkypeで現地プランナーとつないでの打ち合わせを行うサービスを開始した)。

 そして偶然、このコロナ禍の中でサービスを展開した同社の「オンライン内覧」は世間からの目線を多く集めることとなったのだった。

「今後は結婚式や披露宴に来られない入院中のご家族などにも、きれいなライブ映像で大切な息子や娘・孫たちの晴れの舞台を見せてあげられるようにしたいですね」(諏訪さん)

(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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