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長時間のマスク、コロナストレスで急増中の「隠れ酸欠」とは

2020年07月17日 06時00分更新

文● 京谷達矢(ダイヤモンド・オンライン

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コロナ禍で、私たちは長期間にわたって強い精神的ストレスにさらされつづけている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナによる日々のストレス、さらに長時間のマスク着用によって今、気づかないうちに“隠れ酸欠”になっている人が急増しています。“隠れ酸欠”はあらゆる体の不調だけでなく免疫力低下も招く恐ろしい症状です。しかし、新しい生活様式の中、私たちは“隠れ酸欠”とこれからも向き合っていかなければなりません。そこで今回は、治療家の京谷達矢氏の著書『“隠れ酸欠”から体を守る 横隔膜ほぐし』(青春出版社)から、“隠れ酸欠”の原因と予防について解説します。

“隠れ酸欠”が免疫力を低下させる!

 新型コロナウイルス感染症の流行は、現在いまだ終息していません。疲れやすい、目がかすむ、頭痛がする、朝起きるのがつらい、動悸がする…。最近、このような症状が見受けられたら、それらは体の「酸素不足」が原因かもしれません。

 コロナ禍で、私たちは長期間にわたって強い精神的ストレスにさらされつづけています。ストレスがあると、私たちはストレスから身を守ろうと無意識に背中を丸めることが多くなりますし、また、自律神経のうちの「交感神経」も優位に働きます。交感神経が優位になると呼吸が浅くなるので、酸素を十分にとりこめなくなり、全身が軽い酸素不足におちいってしまうのです。

 実際、私の知り合いのクリニックでも新型コロナの流行以降、患者さんたちの採血をすると、その多くが以前の血液よりも黒ずんでいるようになったそうです。血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて鮮やかな赤色になります。血液が黒ずんでいるのはおそらく、ヘモグロビンと結びつく酸素が減っているためでしょう。

 酸素は生命維持のためのエネルギー源です。エネルギー源である酸素が、全身のそこかしこで不足すれば、内臓をはじめあらゆる組織や器官の機能が低下するので、当然、さまざまな不調や不具合が現れます。

 しかも、怖いことに、この酸素不足は免疫力をも低下させます。酸素不足によって免疫細胞の働きが弱まって、免疫機能全体が弱体化してしまうのです。そしてさらに恐ろしいのが、ほとんどの場合、酸素不足状態にある本人に、その自覚がないことです。酸素不足の状態にあるにもかかわらず、それに気づいていない、つまり、「隠れ酸欠」の人が多くいます。ストレスなどによる隠れ酸欠では、酸素の摂取量の減少は毎日、少しずつ進行します。そのため、気づくのがとてもむずかしいのです。

 さらに、最近では多くの方がマスクをしていますが、マスクで鼻と口をおおっていると酸素の摂取量が減ってしまいます。新型コロナによる不安というストレスが体の酸素不足を引きおこし、マスクの着用が酸素不足をいっそう悪化させているのです。そして、このストレスとマスクの挟み撃ちによって隠れ酸欠状態が増幅され、そのことによって肝心の免疫力が低下する事態を招いてしまう恐れがあります。

“隠れ酸欠”になる原因とは

 “隠れ酸欠”を解消するカギは、「横隔膜」をやわらかくほぐすことです。そして、これは、何もコロナ禍に限ったことではありません。元気に長生きしたいと願っているのであれば、横隔膜をやわらかくし、深い呼吸をすることは非常に重要です。

 加齢にともない、さまざまな不調や不具合、変調に見舞われるようになりますが、それらに共通する根本的な原因は「硬くなり、動きづらくなった横隔膜にある」といっても過言ではありません。そして、この根本原因を取り除くには、硬くなった横隔膜をやわらかくほぐすことしかないのです。

 そもそも「横隔膜」はどのような器官なのか簡単にいうと、呼吸を助ける筋肉です。横隔膜が上下に動くことで肺を動かし、そのおかげで私たちは空気を吸うことができます。

 しかし、横隔膜は年々硬くなり、しなやかさを失っていきます。その原因の1つには加齢があります。筋肉も年齢とともに老化して、硬く縮んできて、動きが悪くなりますが、横隔膜という筋肉もその例外ではないのです。

 しかし一方で、働き盛りの年代や高校生、中学生のあいだでさえ横隔膜の硬い人たちが増えているということは、加齢以外にも大きな原因があると考えられます。それがストレスです。新型コロナウイルスによる影響、ライフスタイルの変化、将来の不安などをはじめ、現代人は、多くのストレスに悩まされています。このストレスこそが、横隔膜を硬くする一大要因なのです。つまり、横隔膜はストレスで筋肉が硬くなることに加え、呼吸が浅くなって動きが悪くなることによって、ほかの筋肉よりストレスの影響を受けやすくなるのです。

 しかし、もし横隔膜が硬く縮んで、動きづらくなっていても、それをしなやかで、やわらかく、よく動く状態に変えることは、何歳からでもできます。筋肉はいくつになっても、自分の働きかけ次第で変えることができるのです。

「横隔膜ほぐし」で体も心も安定する

 横隔膜をやわらかくする方法として「横隔膜ほぐし」があります。「横隔膜ほぐし」をすることで、酸素の供給量を増大させ、全身の血液循環を良くすることができます。さらに、腸のあたりをマッサージすることで、「腸活」にもなり、免疫力も上がるのです。

 では、「横隔膜ほぐし」の基本的なやり方を少しご紹介しましょう。まず、「横隔膜ほぐし」は、ポイントに手を置き、上体を前にしっかり倒しながら呼吸することで、手の圧と腹式呼吸の両面から、横隔膜を刺激することができるエクササイズです。

【1】背にもたれかからないように、椅子に浅めに座ります。みぞおちあたりのポイント(1)に両手の指をおき、3秒間で鼻から息をたっぷり吸いこみ、おなかを膨らませます。

【2】親指以外の4本の指でポイント(1)をグッと押し(肋骨の一番下の骨の内側に差し込むイメージで)、体を前へ倒しながら、10秒間かけて口から息を吐き、おなかを凹ませます。息を吐ききったら、上体を戻します。

 この【1】【2】を3回くりかえしましょう。

 あとは、最初の手を置くポイントを(2)、(3)とずらして同じ動きをくり返すだけです。

 実は、「横隔膜ほぐし」は、心の安定にも効果的です。お腹に手を当てて、深い呼吸をくりかえしていくうちに、緊張や不安が少しずつほぐれていき、脳波までリラックス状態に変わっていくのです。

 新型コロナによる精神的ストレスや、日常でのマスク着用はこれからも続きそうです。つまり、“隠れ酸欠”はこれからも向き合っていかなければならない症状なのです。日々の生活の中で少しでも息苦しさを感じたら、ぜひこの「横隔膜ほぐし」をやってみてください。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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