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ケーブル長は2メートル、Tiger Lakeに内蔵予定、USB4準拠……etc

IntelがThunderbolt 4の詳細要件とIntel 8000シリーズコントローラーを発表

2020年07月08日 22時00分更新

文● ジサトライッペイ 編集●ASCII

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 2020年7月8日22時(日本時間)、Intelは次世代インターフェース「Thunderbolt 4」に関する最新情報と、その対応コントローラー「Intel 8000シリーズ」を発表した。Thunderboltは2010年に拡張バス規格「PCI Express」と映像伝送規格「DisplayPort」をベースに、同社とAppleが共同開発したデータ伝送技術だ。Thunderbolt 4はその最新バージョンとなる。

Thunderboltの歴史。2010年のThunderbolt 1では最大伝送速度10Gbpsだったが、2015年のUSB Type-Cコネクターを採用したThunderbolt 3で最大40Gbpsを実現している。なお、Intelは昨年3月にThunderbolt 3のプロトコルをUSB-IFに寄贈するという発表を行なっており、その流れでUSB4はThunderbolt 3をベースに構築されている

Thunderbolt 4とThunderbolt 3の違い

 Thunderbolt 4の最大伝送速度は40GbpsとThunderbolt 3から変更はないが、USBの次世代バージョンとなる「USB4」に準拠(Thunderbolt 3も互換性は確保されている)し、そのほかにもさまざまな仕様が最小要件として強化されている。細かく見てみよう。

Thunderbolt 4とその他のインターフェースの違い

 まず、Thunderbolt 4では対応ケーブルの最大長を2メートルに延長しており、将来的には5~50メートルまで拡張する予定だという。また、Thunderboltと言えば、その汎用性からアクセサリードックと接続してさまざまなインタフェースを拡張できるが、そのドックにおけるThunderboltポート数が最大4ポートに増えた。

Thunderbolt 4では新たに2メートルのケーブルをサポート。将来的には5~50メートルのケーブルも出てくる見込み

Thunderbolt 4対応ドックではThunderboltポートを4基まで増やせる。また、ディスプレーもThunderboltが2ポートよりも多いマルチポート仕様のものが登場する予定だ

Thunderbolt 4対応のポートが3基以上あるマルチポートドックの例

Thunderbolt 4対応のマルチポートドックの使用例(右上)。ドックから複数のThunderbolt機器に接続し、さらにそこからデイジーチェーンできる

 また、映像出力においてはThunderbolt 3では4Kディスプレー1台だったが、それがThunderbolt 4では2台に増え、PCI Expressのデータ転送速度も2倍の32Gbpsが最小要件に加えられている。

 さらに、充電にかかる電力が100W未満の薄型軽量モバイルノートPCにおいては、少なくとも1ポートで充電できるようにしなくてはならないという要件や、Intel VT-dベースのDMA(Direct Memory Access)保護も要件に盛り込まれている。

Thunderbolt 4対応プロセッサーとコントローラーの出荷情報

 Thunderbolt 4は次期モバイルPC向けCoreプロセッサー、開発コードネーム:Tiger Lakeに統合されるほか、対応コントローラーチップがIntel 8000シリーズとして今年の後半に出荷される予定だ。なお、現在判明しているIntel 8000シリーズはPC側に搭載するホストコントローラーの「JHL8540」と「JHL8340」、アクセサリー側に搭載するデバイスコントローラーの「JHL8440」だ。

Intel 8000シリーズ

 Thunderbolt 4対応機器やPCは今年の後半に出てくる見込みで、その中には「Project Athena」認証PCも含まれる。なお、Thunderbolt 4の開発者用キットや認証テストはすでに利用可能とのこと。

 Intelは「Thunderbolt 4はUSB4には不要な機能のスーパーセットを備えた、最も完全なバージョンのUSB-Cを提供する」と述べている。PD(Power Delivery)の対応やUSB 3.0から続くバージョン名のリネームなどで、非常にわかりづらくなったUSB Type-Cコネクターだが、IntelとしてはそこをThunderbolt 4でシンプルに解決しようと促している。

 ユーザーとしてはUSB Type-C関連は一刻も早く仕様を統一してほしいところだ。そういった意味では今回のThunderbolt 4を歓迎すべき規格なのだが、それに伴う製品製造コストの高騰などを考えると、インターフェースを取り巻く問題はそう簡単には解決しないだろうと思うのだが、果たして……。

Thunderbolt 4とUSB4の関係。Thunderbolt 3のプロトコルをUSB-IFに寄贈したIntelだが、しっかりとThunderbolt 4がUSB4を包括した上位インターフェースだというアピールを暗に行なっているのがおもしろい

現状のUSB Type-Cポートは対応する規格やオプションの機能によって表記が複雑化しているという問題に対し、Thunderbolt 4ならそれらすべてを問題なく置き換えられると主張

ケーブルもまた同様であるとアピール

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